EC2のルートボリューム置換の「スナップショット置換」と「AMI置換」の違いについて確認してみた
はじめに
EC2インスタンスのルートボリュームを置換する際、置き換えるソースの選択肢としては以下の3つがあります。
- 起動状態(インスタンス作成時に使用されたスナップショットを使って初回起動時の状態に戻す)
- スナップショット
- イメージ(AMI)
上記のうち、「スナップショット」と「イメージ(AMI)」の選択肢は一見似ていますが、使える場面や制約が異なります。
本記事では、この2つの違いを公式ドキュメントの内容と実際の検証をもとに整理してみます。
先にまとめ
「スナップショット」と「イメージ(AMI)」の選択肢には下記のような違いがあります。
| 比較項目 | スナップショット置換 | イメージ(AMI)置換 |
|---|---|---|
| 使用できるソース | 対象インスタンスの現在または以前のルートボリュームから直接作成されたスナップショットのみ | 対象インスタンスと同じ製品コード・請求情報・アーキテクチャ・仮想化タイプを持つAMI |
| 主なユースケース | ルートボリューム破損からの復旧、OS設定ミスからの復旧 | OSパッチ適用、OSアップグレード |
| 別インスタンスのボリュームへの置換 | 不可(エラーになる) | 条件が合えば可能 |
ドキュメントの記載をみてみる
参照したドキュメント
スナップショット置換
上記のドキュメントには以下の記載があります。
スナップショット使用時の考慮事項
・使用できるのは、インスタンスの現在または以前のルートボリュームから直接作成されたスナップショットのみです。
・ルートボリュームから作成したスナップショットにより作成されたスナップショットのコピーは使用できません。
つまり、同一インスタンスのルートボリュームから直接作成したスナップショットしか使用できないという制約があります。
また、主なユースケースについても記載があります。
これは、ルートボリュームの破損やゲストオペレーティングシステムのネットワーク設定エラーによって発生した問題から復旧する必要がある場合に役立ちます。
上記の内容から、スナップショットの置換は「同一インスタンスの過去の状態に戻すためのオプション」と読み取れます。
AMI置換
AMI置換については以下の記載があります。
AMI には、インスタンスと同じ製品コード、請求情報、アーキテクチャタイプ、仮想化タイプが必要です。
そのため、スナップショット置換と比べると制約が緩く、条件が一致していれば別インスタンスから作成したAMIも使用可能です。
ユースケースについては以下の記載があります。
これは、オペレーティングシステム、およびアプリケーションのパッチ適用やアップグレードを実行する必要がある場合に役立ちます。
つまり、別インスタンスで事前にパッチ適用やアップグレードを済ませた上で、そのインスタンスのAMIを使って置換することが可能です。
稼働中のインスタンスに直接変更を加える必要がないため、作業中のダウンタイムを最小限に抑えられる点がメリットと考えられます。
実際にやってみる
検証環境
今回の検証では以下の2つのインスタンスを用意します。
- インスタンスA:ルートボリュームの置換対象
- インスタンスB:置換元となるAMIの作成元
まず、インスタンスAを起動して、AMIを作成します。
AMIには、Amazon提供のAmazon Linux AMIを指定しました。

作成したAMIを使用して、インスタンスBを起動します。
インスタンスBに対して変更(例:OSのパッチ適用など)を加えた後、インスタンスBからAMIを作成します。

スナップショット置換を試みる
インスタンスAのスナップショット置換の画面で、インスタンスBから作成したAMIに紐づくスナップショットを指定します。

「ルートボリュームを置き換える」ボタンを押すと、下記のエラーが表示されて置き換えできませんでした。
snap-06dfc2b7dc9de2c4c を使用して i-08a0870284fd1b5b8 の復元ボリュームタスクを作成できませんでした
Invalid snapshot for root volume for instance i-08a0870284fd1b5b8. The snapshot should be of one of the root volumes attached to the instance in the past

エラーメッセージの英文にある通り、ドキュメントの「使用できるのは、インスタンスの現在または以前のルートボリュームから直接作成されたスナップショットのみ」という制約に基づきエラーとなることが確認できました。
AMI置換を試みる
置換元として「イメージ」を選択し、インスタンスBから作成したAMIを指定します。

無事成功しました。

インスタンスAの画面でAMIがインスタンスBのAMIのものに更新されていることを確認します。

まとめ
スナップショット置換は同一インスタンスの復旧用途に限られるのに対し、AMI置換は別インスタンスから作成したAMIも使用できるため、OSアップグレードなどの用途にも対応できるという違いがあることが確認できました。
なお、上記の検証はあくまでEC2の動作の観点での検証となります。
本番環境での実施前には、検証環境等でOSやアプリケーション観点の動作確認も含めたテストを実施いただくことを強くおすすめします。
参考資料
クラスメソッドオペレーションズ株式会社について
クラスメソッドグループのオペレーション企業です。
運用・保守開発・サポート・情シス・バックオフィスの専門チームが、IT・AIをフル活用した「しくみ」を通じて、お客様の業務代行から課題解決や高付加価値サービスまでを提供するエキスパート集団です。
当社は様々な職種でメンバーを募集しています。
「オペレーション・エクセレンス」と「らしく働く、らしく生きる」を共に実現するカルチャー・しくみ・働き方にご興味がある方は、クラスメソッドオペレーションズ株式会社 採用サイト をぜひご覧ください。※2026年1月 アノテーション㈱から社名変更しました








