今度こそ本当に AWS Simple Monthly Calculator が勇退するようです
しばたです。
2020年にAWS Simple Monthly Calculator (SMC)のサポート停止がアナウンスされてから約3年経ちましたが、今年に入り遂に具体的なスケジュールが決まった模様です。
AWSからは以下のアナウンスがなされています。
今後のスケジュール
SMCはサポート停止が案内されAWS Pricing Calculatorにその座を譲りつつもひっそり残り続けていました。
今回SMCの見積もり結果をAWS Pricing Calculatorに自動変換する機能が追加されるのと同時にサポート停止のスケジュールも記載される様になりました。
現在SMCにアクセスすると以下の警告文が表示される様になっています。
AWS is planning to retire Simple Monthly Calculator and you will no longer be able to save new estimates in the tool after Friday, March 31, 2023 11:59 PM Pacific Time.
スケジュールをざっくりまとめると以下の通りです。
日時 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
2023/01/27 ~ | SMC見積もり結果をAWS Pricing Calculatorへ自動変換する機能を提供 | |
2023/03/31 23:59 (PST) | SMCのサポートを終了 | 記載ドキュメント |
〃 | 同時刻をもって見積もり結果の保存機能を停止 | 過去の見積もりの自動変換はまだ可能 |
2023/04/30 23:59 (PST) | SMC見積もり結果のAWS Pricing Calculatorへの自動変換機能を停止 | この時点で過去の見積もりが変換不能になる |
2023/05/01 00:00 (PST) ~ | ドキュメント上明記なし | SMC自体が終了する可能性は高いと予想 |
2023/05/01以降の状況については何も公開されていませんが、前回のアナウンスから約3年も経っており、流石にこれ以上の延長は無いと思います。
サポートが止まり更新しない(=正しい情報を提供できない)料金計算サイトを残しておく理由がまったく無いため、比較的早期に機能が停止されるのでは?と予想します。
AWS Pricing Calculatorとの機能差
この3年間でAWS Pricing CalculatorはSMCより遥かに多くのサービス[1]に対応する様になっています。
既に多くの方がSMCの利用を止めているのではないかと思います。
AWS Pricing Calculatorを使っている方には関係ない話ではありますが、現時点においてもSMCの一部の機能はAWS Pricing Calculatorに移行されておらず以下のドキュメントに機能差が記載されています。
具体的な内容はドキュメントをご覧いただきたいですが、その多くが
- 定期利用を前提としていない機能
- 機能が古くなり利用頻度が減っている機能
- 利用者が少ない機能
- 古いサービス
であり問題になることは少ないでしょう。
見積もりの自動変換機能
AWS Pricing Calculatorへの移行を促進するため、SMCの見積もり結果をAWS Pricing Calculatorへ自動変換する機能が先日から提供されました。
現在SMCで新たに見積もりを保存すると、
保存先を指すリンクがAWS Pricing Calculatorになっており、
リンク先に移動するとAWS Pricing Calculatorで見積もりが表示されます。
そして、過去にSMCで保存したURLにアクセスした場合も同様にAWS Pricing Calculatorへの変換が行われ新しいURLが割り当てられます。
このため過去の見積もりを残しておく必要のある方は適宜変換しておくことお勧めします。
補足 : 非対応サービスは変換されない模様
Amazon CloudSearchとAmazon SimpleDBの2サービスはAWS Pricing Calculatorで非対応となっています。
SMCでこれらのサービスに対する見積もりを作ってみましたが、この場合、非対応サービスは変換されずにSMCを使い続ける挙動をしました。
(非対応サービスがある場合はSMCへのリンクも併記される)
AWS Pricing Calculatorには変換可能な分だけ表示されますので、適宜2つのリンクを使い分けてください。
最後に
以上となります。
流石に今度こそAWS Simple Monthly Calculatorは勇退することになるでしょう。
AWS Pricing Calculatorの機能も充実し多くの方にとっては影響が無いでしょうが、古い見積もりを保存しておきたい方は忘れずに変換しておくと良いでしょう。
AWSの文章では現時点で152サービス。実際にはリージョンにより異なる。 ↩︎