[アップデート] GenU (Generative AI Use Cases) v5.5.0 がリリースされたのでデプロイして新機能を確認してみた

[アップデート] GenU (Generative AI Use Cases) v5.5.0 がリリースされたのでデプロイして新機能を確認してみた

AWS の GenU v5.5.0 がリリースされました。新モデル対応やリサーチエージェント、ECharts によるグラフ描画、SVG プレビューなど多くの新機能が追加されているので、実際にデプロイして確認した結果を紹介します。
2026.07.20

いわさです。

AWS が公開している生成 AI のビジネスユースケース集である GenU (Generative AI Use Cases) ですが、v5.4.0(2026年1月)から約半年ぶりに v5.5.0 がリリースされました。

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/releases/tag/v5.5.0

v5.4 からの差分はかなり大きく、新モデル対応やリサーチエージェント、AgentCore 一覧画面、ECharts によるグラフ描画、SVG プレビュー、議事録カスタムプロンプトの CRUD 機能、Knowledge Base の Web Crawler 対応など多岐にわたります。

今回こちらをデプロイして新機能を一通り確認してみたので紹介します。

デプロイ

デプロイ手順自体は従来と同じで、npm cinpx cdk bootstrapnpm run cdk:deploy の流れです。
特に新しい手順は増えていません。

cdk.json のデフォルトモデル構成が更新されており、以下のモデルがデフォルトで含まれるようになっています。

  • Claude Sonnet 5
  • Claude Sonnet 4.6
  • Claude Opus 4.8 / 4.7 / 4.6
  • Claude Haiku 4.5
  • Amazon Nova 2 Lite
  • DeepSeek R1

ただ、新しいデプロイオプションとして以下のパラメータが cdk.json に追加されています。

  • researchAgentEnabled / researchAgentBraveApiKey / researchAgentTavilyApiKey — リサーチエージェント機能を有効にする場合に設定する。Brave Search API か Tavily API のキーが必要
  • agentCoreVpcId / agentCoreSubnetIds / agentCoreGatewayArns — AgentCore Runtime を VPC 内に配置する場合のネットワーク設定。VPC ID とサブネット ID を指定すると自動的にプライベートモードとして検出される

いずれもオプションなので、デフォルトのままデプロイすれば従来通り動作します。
リサーチエージェントや AgentCore VPC 配置を使いたい場合だけ追加設定が必要です。

新機能を確認してみる

新モデル対応

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1623
https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1586
https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1556
https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1462

デプロイ後にチャット画面を開くと、モデル選択ドロップダウンに Claude Sonnet 5 や Claude Opus 4.8 などの最新モデルが並んでいることが確認できます。
デフォルトではクロスリージョン推論プロファイル(global. プレフィックス)が使われています。
国内リージョンに閉じたい場合は cdk.json の modelIds からプレフィックスを変更する必要がありそうです。

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ECharts によるグラフ描画

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1573

LLM のレスポンス内に ```chart コードブロックを含めることで、ECharts によるインタラクティブなグラフが描画されるようになりました。
対応チャート種別は bar, line, pie, area, scatter, boxplot, heatmap, radar, candlestick, map と多岐にわたります。
地図表示では日本の都道府県・市区町村レベルの GeoJSON が同梱されており、世界各国の地図にも対応しているとのこと。

chart コードブロックの中身は ECharts 独自の JSON フォーマットで、type でチャート種別、data[{"name": "xxx", "value": yyy}] 形式でデータを渡します。
なお、LLM に chart コードブロックでの出力を依頼した際に Mermaid 構文で返されるケースがあったので、プロンプトで JSON 形式であることを明示してあげる必要があるかもしれません。

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SVG コードブロックプレビュー

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1429

LLM が SVG コードを返した場合、コードブロック内に画像プレビューが表示されるようになりました。
「プレビューを表示」「コードを表示」の切り替えが可能で、SVG および PNG 形式でのダウンロードにも対応しています。
Data URI を使ったレンダリングにより XSS 対策も施されているとのこと。

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サイドバーのユースケースアイコンと履歴の永続化

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1627

サイドバーの各ユースケースにアイコンが追加され、視認性が向上しています。
また、議事録の履歴が永続化されるようになりました。

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議事録カスタムプロンプト CRUD

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1453

議事録生成機能にカスタムプロンプトの保存・編集・削除機能が追加されました。
右側パネル上部の歯車アイコンをクリックすると設定モーダルが表示され、議事録スタイル(要約、詳細、質疑応答、文字起こし、図解、ホワイトボード、新聞、カスタム)を選択できます。
「カスタム」を選ぶとプロンプト入力欄が表示され、自由なプロンプトで議事録を生成できます。
作成したカスタムプロンプトは DynamoDB に永続化され、ドロップダウンから選択して使い回せるようになっています。
また「自動生成」トグルもあり、一定間隔で自動的に議事録を再生成する機能も確認できます。

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議事録のダウンロードボタン・画面スリープ防止

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1485
https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1514

生成された議事録をダウンロードできるボタンが追加されました。

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また、録音中に画面がスリープしないようになっています。
長時間のミーティング録音時に地味に便利な改善です。

その他のオプション機能

今回は試していませんが、デプロイオプションで有効化できる機能も複数追加されています。

リサーチエージェント

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1414

researchAgentEnabled: true と Brave Search API キーまたは Tavily API キーを設定することで利用可能になります。
technical-research, mini-research, general-research の 3 つのモードが用意されており、Web 検索を使った調査レポートを自動生成できるようです。

AgentCore 一覧画面

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1552

AgentCore を有効化している場合、/agent-core パスで利用可能なランタイムの一覧画面が表示されるようになりました。
display_name と description 付きでエージェントが一覧表示され、検索にも対応しているとのこと。

AgentCore Runtime VPC 設定

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1360

AgentCore のランタイムを VPC 内に配置できるようになりました。
MCP サーバーのインストールに NAT Gateway が必要になる点など、ネットワーク構成の考慮点はドキュメントに記載されています。

Knowledge Base Web Crawler データソース対応

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1464

RAG Knowledge Base に Web Crawler データソースが追加されました。
GenU のドキュメントサイトをサンプルとして同期できるようになっており、引用表示の改善(URL 解決、表示タイトルの整形、短縮 URL 化など)も含まれています。

RAG Knowledge Base システムプロンプトカスタマイズ

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1422

チャット機能で利用可能だったシステムプロンプトのカスタマイズ機能が、RAG Knowledge Base ページでも使えるようになりました。

ブラウザ拡張機能でのモデル切り替え

https://github.com/aws-samples/generative-ai-use-cases/pull/1588

ブラウザ拡張機能内でもモデルを切り替えられるようになりました。

セキュリティ・内部改善

今回のリリースにはセキュリティ面の改善も含まれています。

  • CSP(Content Security Policy)の script-src から unsafe-eval が削除された
  • GitHub Actions ワークフローのスクリプトインジェクション対策
  • Cognito のプライベートネットワーク対応が VPC Endpoints(PrivateLink)に置き換えられた(cognito-proxy の廃止)
  • Lambda モノリス化へのリファクタリング
  • IAM プリンシパルタグへの置き換え(AIP からの移行)

閉域網モードのユーザーにとっては、Cognito VPC Endpoints 化により構成がシンプルになっています。

さいごに

本日は GenU v5.5.0 をデプロイして新機能を確認してみました。

v5.4 からのアップデート量がかなり多く、特に ECharts によるグラフ描画や SVG プレビューはデフォルトデプロイですぐに使えるので体感しやすい機能です。
リサーチエージェントや AgentCore 一覧画面など、オプション機能も着実に拡充されており、GenU を社内ツールとして活用しているケースでは恩恵が大きそうです。

久しぶりのリリースでしたが、半年分の PR が一気にマージされておりボリューム満点でした。

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