ムームードメインで取得した独自ドメインを Google Cloud DNS でホストしてみた

ムームードメインで取得した独自ドメインを Google Cloud DNS でホストしてみた

Clock Icon2025.07.05

アノテーション、Google Cloud 大好き村上です。
Google Cloud でアプリケーションを公開するなら、やはり独自のドメインを使いたい方が多いと思います。今回の記事は、そんな方に向けての「外部サービスで取得したドメイン」を Google Cloud 上の DNS ネームサーバで利用する方法になります。

はじめに

Google Cloud上でアプリケーションやウェブサイトを公開する際、多くの方が独自ドメインの利用を検討されるのではないでしょうか。しかし、「ドメインは外部のサービスで取得したけれど、Google Cloud上でどうやって使えばいいのだろう?」 「DNSやネームサーバといった言葉は聞くけれど、設定方法がよく分からない」といったお問い合わせをいただくことも少なくありません。

そこで今回は、サードパーティのドメイン登録事業者(今回は「ムームードメイン」 )で取得した独自ドメインを、Google CloudのマネージドDNSサービスである「Cloud DNS」で管理するための手順を、ご紹介します。

今回のゴール:ドメインの名前解決をCloud DNSに任せる

通常、ドメインを取得したサービス(ムームードメインなど)が、デフォルトのネームサーバを提供しています。今回の作業で、このネームサーバの管理を、ムームードメインから Google の Cloud DNS へ変更します。これにより、ドメインに関する様々な設定(各種レコードの登録や修正)を Google Cloud コンソールから一元的に管理できるようになり、保守性やパフォーマンスの向上が期待できます。

Step1: ムームードメインで独自ドメインを取得する

まずはじめに、管理対象となる独自ドメインを取得します。すでにお持ちの方は、このステップは読み飛ばして「Step2」へお進みください。

2025-07-05_08h40_21
ムームードメインのウェブサイトで希望のドメインを検索し、画面の指示に従ってお客様情報などを入力して取得手続きを進めます。
2025-07-05_08h41_50

2025-07-05_08h50_34

手続きが完了すると、以下の画面が表示されます。次のステップに進むため、「コントロールパネル」ボタンをクリックして管理画面へ移動しましょう。

2025-07-05_08h55_08

Step2: Cloud DNSで公開ゾーンを作成する

次に、Google Cloud側でドメイン情報を受け入れる準備をします。
Google Cloudコンソールにログインし、画面上部の検索窓で「Cloud DNS」と検索します。

2025-07-05_09h46_31

「ゾーンを作成」ボタンをクリックします。
表示された「DNS ゾーンの作成」画面で、以下の項目を入力します。

項目 説明
ゾーンのタイプ 「公開」を選択します。
ゾーン名 任意の分かりやすい名前を入力します(例: Example)。
DNS名 取得した独自ドメイン名(例: example.com)を正確に入力します。
説明 (任意)後から見て分かりやすいように「ムームードメインで取得したドメイン」などのメモを残しておくと親切です。
DNSSEC 今回は「オフ」のままで進めますが、本番環境ではセキュリティを強化するために有効化を検討してください。

2025-07-05_09h48_30

入力が完了したら「作成」をクリックします。
ゾーンが作成されると、詳細画面に遷移します。「NSレコード」と「SOAレコード」が自動的に作成されています。

4つある NS タイプのレコードが、Google Cloud のネームサーバのレコードになります。次のステップで利用するため、この4つのFQDN(完全修飾ドメイン名)をテキストエディタなどにコピーしてください。

Step3: ムームードメインのネームサーバ設定を変更する

ドメインを管理するネームサーバを、ムームードメインのネームサーバから Google Cloud マネージドゾーンへ変更します。
ムームードメインのコントロールパネルにログインし、左側のメニューから「ドメイン操作」>「ネームサーバ設定変更」をクリックします。
ドメインが表示されたら、ドメインの右側にある「ネームサーバ設定変更」ボタンをクリックします。
2025-07-05_10h08_50

ネームサーバ設定変更画面が表示されたら、画面を下にスクロールし、「GMOペパボ以外のネームサーバを使用する」を選択します。
2025-07-05_10h10_29

入力欄が表示されたら、先ほど Step2 でコピーしたCloud DNSのNSレコード(4つの FQDN )を、それぞれ「ネームサーバ1」から「ネームサーバ4」に貼り付けます。
注意: 末尾にドット(.)が付いている場合は、それを取り除いて入力してください。(例: ns-cloud-e1.googledomains.com. → ns-cloud-e1.googledomains.com)末尾のドットが残ったままだとエラーが発生します。

2025-07-05_10h10_52

入力後、ページ下部にある「ネームサーバ設定変更」ボタンをクリックして設定を保存します。

2025-07-05_10h15_38

これで、設定作業は完了です。ただし、ネームサーバの変更情報がインターネット全体に浸透(プロパゲーション)するまでに時間がかかる場合があります。

Step4: 設定が反映されたか確認する

設定変更が正しく反映されたかを確認してみましょう。お使いのPCから dig または nslookup コマンドで NS レコードを確認します。

$ dig example.com NS +short
ns-cloud-a4.googledomains.com.
ns-cloud-a3.googledomains.com.
ns-cloud-a1.googledomains.com.
ns-cloud-a2.googledomains.com.

実行結果に、Cloud DNS の NSレコード(ns-cloud-e1.googledomains.com. など)が表示されれば、設定は正常に反映されています。もし変更前のネームサーバが表示される場合は、もう少し時間を置いてから再度試してみてください。

まとめ

今回は、ムームードメインで取得した独自ドメインを、Google Cloud DNS で管理するための手順を解説しました。

  1. サードパーティのドメイン登録事業者でドメインを購入する
  2. Cloud DNSで公開ゾーンを作成する
  3. 払い出されたNSレコードを控える
  4. ムームードメイン側でネームサーバを Cloud DNS のマネージドゾーンに変更する
  5. digコマンドで設定反映を確認する

以上のステップで、ドメインの名前解決の管理を Google Cloud へ変更することができました。
これにより、ドメインに関する様々な設定(AレコードやMXレコードなど)を、Compute Engine や Cloud Load Balancer といった他の Google Cloud サービスと同じコンソール上で一元管理できるようになります。結果として、設定の変更が迅速に行え、管理の手間も大幅に削減できます。

次回は、今回取得したドメインを利用してCloud Identity の設定を行っていきます。

この記事がどなたかのお役に立てば幸いです。

参考資料

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.