クラウド移行後も期待するビジネス価値が得られないのはなぜか。成功の鍵を解き明かす。CT300 #GoogleCloudNext
概要
セッションの要約
今回のセッションは、クラウドへの移行に伴って生じる一般的な問題や課題について解説し、それらに対する効果的な対応策の事例などを紹介するものでした。
特に重要なポイントとして、クラウド移行を機に過去の技術的な課題を全て解消しようとせず、クラウドがもたらす新たな運用モデルや機能を理解しないことを否定し、そして組織内にクラウドの変革がもたらす可能性を明確に伝えることが必要だと主張されていました。
また、運用モデルを全面的に見直すことにより、テクノロジーとビジネスの新しい相乗効果を創出し、AIを活用して生産性と効率性を高めることが可能です。
Dave Chapman氏は、クラウド移行のメリットを最大限に引き出すためには、多くの組織にとってクラウドネイティブなアプローチを採用し、必要な組織変革を実施することが重要であると強調しました。
セッション内容
このセッションでは、「クラウドの現実」と題し、クラウド導入とその移行の過程で直面する課題にスポットを当てた話が展開されました。
クラウド移行に伴う予想外なコストや、データセンターとクラウドの併用による管理の難しさなど、クラウド変革に対する業界内の懐疑的な見解が紹介され、企業がクラウド変革を進めるべきか、それとも従来の手法に固執すべきかという問いがなされました。
また、クラウド変革が期待通りの成果を上げない複数の理由を6つのカテゴリーに分けて説明し、技術的負債の解消やビジネスケースにおける誤った期待が問題点として挙げられました。
クラウド移行成功のためには、組織自体がクラウドネイティブの考え方にシフトする必要があると強調していました。
また、クラウド変革を単に「データセンターからの脱却」や「アプリケーションのモダナイゼーション」とみなすだけの認識の誤解も指摘され、これは技術だけでなくビジネスプロセスや組織文化への全面的なアプローチを必要とすると述べられました。
クラウドネイティブへの移行が製品開発や市場への投入方法に大きな変化をもたらす可能性があるため、組織全体の理解と受容が重要だと説明されました。
この中でクラウド変革がIT組織に及ぼす影響と、事業全体の運営モデルの変容に注目しました。
クラウドの自動化とソフトウェア指向の進化は、従来のIT運用とは一線を画す速度で変革をもたらすため、クラウド移行は組織の根本的な運営方法を見直す契機となると説明されていました。
初期のクラウド導入がその他の部門に影響を及ぼす過程で問題が生じることもありますが、これは将来的に求められるスピード感を象徴しているといいます。
変革を前向きに進めるには、運用モデルの変更、スキルセットの再構築、そして変革への準備が不可欠だと強く主張されていました。
コストや運用の問題が浮上するのは、根本的な運用方法が変わっていないためと指摘されています。
プラットフォーム運用に関しては、クラウド時代の運用が従来のインフラ管理よりも開発寄りであるため、組織の垣根を越えた新しいモデルを築く必要があるとされました。
コスト管理では、財務面での変革にCFOとの連携が必要であり、財務と技術の知識を持つ新たなチーム形成が鍵となります。
AIの利用については、人間の能力を拡張し、より生産的で効率的な作業を可能にすると説明されましたが、これを実現するためには従来のやり方を大きく変える必要があると強調されました。
セッションの締めくくりとして、提供された洞察が役立つことを願い、ポッドキャスト「クラウドの現実」への参加でさらに詳しい情報を聞けるとのことでした。(QRコードを読み取れるかも?)
まとめ
生成AI関連のセッションは大半を占める中、根本に立ち返り、クラウド移行がもたらす課題とその解決策に焦点を当てたセッションは貴重だと感じました。
ただ技術を導入するだけでなく、クラウドネイティブな思考で組織文化やビジネスプロセスまで変える必要性が強調されたことがとても印象的でした。
少し余談にはなりますが、AIによる効率化や、製品開発の新たなアプローチなど、未来指向の変革が期待される中、詳しい話はポッドキャスト「クラウドの現実」で話を聞けるそうなので、興味のある方はぜひ。(クラウド変革に興味がある方は必聴ですね!!)
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