【レポート】Growth Hack Talks by Repro #1に参加して来ました!

2016.08.05

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こんにちは。アプリの運用を担当していますkobayashiです。 アプリのグロースハックについて楽しく語り合うMeetup、Growth Hack Talks by Repro #1に参加してきましたので、その様子をレポートします。

イベントの概要

Growth Hack Talks とは?

「Growth Hack Talks」は、アプリのディレクター・マーケター・エンジニアなど、アプリの成長をミッションとする人たちがグロースハックのノウハウをシェアし合うイベントです。モバイルアプリのグロースハックツール「Repro」が主催しています。

モバイルアプリ市場の拡大に伴いアプリの分析やマーケティング手法に関する情報への需要も高まっていますが、アプリの改善ノウハウはWebサービスのそれと比べるとまだまだ少ないのが現状です。このイベントで自社アプリで取り組んだ施策やその成果を共有し合い、アプリマーケティング業界全体を盛り上げることにつながればと思っております!

第一回目のテーマは「アプリの立ち上げ〜リリース初期のグロースハックあれこれ」です。

アプリの新規リリースや大規模リニューアルに携わった方々をLTの登壇者に迎え、立ち上げ前からリリース直後のフェーズでどういった施策を行い初期ユーザー獲得に繋げたか、そしてその後どうユーザー数を伸ばしていったかというお話をしていただく予定です!

*詳しくは以下をご確認下さい。

http://repro.connpass.com/event/35297/

当日の様子

会場は、21cafeさんでした。エンジニアの勉強会などに無料で貸し出しをしているそうです。 綺麗なcafeでした。 IMG_5226

受付をして、イベント開始です。 まずはReproの代表の方の挨拶がありました。 エンジニア的なオープンソースの考え方、すごく好きだそうで、 ビジネス寄りの人たちは、自分で持っているノウハウをあまり外に出さないのでこう言ったノウハウを共有する会を主催したとのこと。エンジニアの勉強会ほどライトに自社のノウハウを発信する文化がないというところは確かに・・・と思いました。それだけに、こういったノウハウを共有会はとてもありがたいことです。

タイムテーブルは以下の通りです。

時刻 詳細
19:00-19:30 受付、オープン
19:30-19:40 会場案内、注意事項など
19:40-19:45 イントロ & 乾杯
19:45-20:15 LT
20:15-20:20 休憩
20:20-20:50 LT
20:50-21:45 交流会
21:45-22:00 撤収

イベント詳細

早速LT開始です。 LTの概要と、その時に出たQA、Reproさんのコメントを分けて記載します。

株式会社ペロリ 有川鴻哉 さん 500万DL達成!MERYアプリの3つのKPI キュレーションアプリの『MERY』を運営されています。

  • 重要視している3つのKPI
    • DAU(Daily Active Users)→最重要KPIとして考えている
      • 社外的に見せる資料はDL数を強調することがあるかもしれないが、社内的にはDAUに着目すべき
      • DL数が多くても、アクティブでないと意味がない
    • RR( Retuen Rate)→DAUを支える数字として重要に思っている
      • 1日、1週間、1か月単位でチェックする
      • 突然数字が落ちたら議題に挙げるようにしている
      • DAUを伸ばす手段はDL数を増やすかRRを上げるかの2通り
      • DAUを伸ばす直接的な施策を考えるのは難しいので、RRを伸ばすにはどうしたら良いかを考えている
      • アプリの機能評価は定性的になりがちだが、RRを追うことで定量的な評価をしている
    • CPI(Cost Per Install)→DL数を増やすに当たっての最重要KPI
      • CPIがLTV(Life Time Value)を下回っている限りは事実上無限に広告が打てる
      • 基本的に広告は全チャネル見ている
  • 初期フェースのアプリに関しては、リリース後には現状のアプリのブラッシュアップをすべきだと考えている
  • セカンドリリースから新機能を考えるべきだと考えている
  • 低CPIで広告を回し、DL数を増やす
  • 徹底的にアプリを改善して、RRを高水準に保つ
  • DL数も大事だが、DAUの方が大事

Q. LTVはどうみている? A. アプリのDAUを見ている。LTVの期間は、作る機能によって半年や一年など変えている。 ある機能を使っている人だけを切り出して分析するとバイアスかかりすぎてしまうので、個別ユーザーごとの課金を見ずに全体の平均値を見ている。

Q. どんなデータを取っている? A. とにかくデータは取れるだけ取っている。数値をもとに、ダメそうな機能はなくした方が良いなど考えている。

Reproさん:動画のラストトラクション分析(どんなことが原因で離脱したのか)をすると、読み込みが遅いことが原因となった離脱が圧倒的に高い

 

株式会社マスカチ  池田純平 さん アプリ「100億人の俺の嫁」で効果のあった施策 開発規模が小さくて運用がほとんどないタイプのカジュアルゲームアプリを開発されています。90%以上が海外ユーザーだそうです。『100億人の俺の嫁』『超ヒモ理論 ~働きたくないでござる~』などをリリースされています。

  • お金をかけずにどれだけDLしてもらえるか(どれくらいシェアしてもらえるか)を重視
  • 『100億人の俺の嫁』リリース前に準備していた施策
    • 突っ込みやすいゲームのテーマを設定
    • シェアされるテキストを用意
      • 『100億人の俺の嫁』では、シェア時の文言を「190万人を嫁にしました」といったものにし、見た人がリアクションをしたくなるものに工夫
    • レビュー依頼を工夫
      • 「★5の数だけ運営がスクワットします」という内容にし、レビューへの意欲を喚起
    • 結果的に、リリース時からコストをかけずに毎月10万DLを達成している
  • 『100億人の俺の嫁』リリース後の施策
    • 広告をまず出してみて、自然に伸びた国で出稿
      • 伸びた国ではfacebook広告を出した
      • CPC(Cost Per Clic)は1円
      • CPI(Cost Per Install)は3円ほど
      • CPCが下がっていったタイミングで出稿を増やすことで韓国のAppsore総合3位に
    • 動画リワード広告
      • 動画を見るとアイテムがもらえる
      • 1ユーザーあたりの売り上げが1.6倍に
      • アプリとの相性はあるが、導入を検討しても良いと思う
  •  『超ヒモ理論 ~働きたくないでござる~』のグロースハック
    •  自社アプリからの送客
      • DL数が4倍に
      • 相性の良いユーザーが多い
    • アイコンのABテスト
      • ストア上で目立つ、端末で絵が潰れないなどを考慮したものが一番良いと考えていたが実際は違った
      • ABテストは本当にやってみないとわからない

Q. どうやってアプリを企画しているか A. 3大欲求を満たす、ということを意識。ネット受けしやすいということも考えている。

 

日本経済新聞社  赤間夏樹 さん 初期フェーズにおけるプロダクト成長戦略 日本経済新聞の『日経電子版アプリ』を運営されています。アプリには、エンジニアとして関っているそうです。

  • アプリのフルリニューアルから1年経っての振り返り
  • フルリニューアルまでは、基本的に小さいバージョンアップをしていた
  • リニューアルしてから4日目にAppstoreでベスト新着Appに
    • 週間DL数は過去最高を記録した
    • 獲得したユーザーに関しては、「うーん・・・」という感じだったそう
  • プロダクトの質を上げてリテンションを頑張ることでユーザーを伸ばせるのでは?→リテンションを向上させる方向に
  • プロトタイプを利用して、細かい単位で検証ができるようにした
  • 継続利用に関わると思ったことはひたすら試し、改善
    • 基礎機能の改善、アプリの高速化、クラッシュのない安定性など
    • 読みやすさを大事にした
      • 新聞社の文化で英数字をすべて全角にしていたところをカーニングなどで文字を調整した
  • プロダクト改善は長期戦なので、愚直な試行錯誤をする強力なモチベーションが必要
  • 技術的に面白いこととユーザーの課題解決はイコールじゃない
  • 自分がやりたいこととプロダクトの成長のバランスをとって、自分もグロースハックさせる
  • 改善の効果は少しづつ出てきており、WAU(Weekly Active Users)はリニューアル当初と比較して約1.9倍
  • レビューの星も増えてきた
  • プロダクトの初期段階ではリテンション向上に集中
  • プロダクト改善はチームの総力戦
  • チーム構成は4人

Q. webとアプリの両媒体持っている会社において、アプリは新興チャネルと扱われることが多い。webとどう戦っているのか? A. webが過去から関わっている人数が多いのはどうしようもない。最近は社内Qiitaに自画自賛記事を入れてみたり、開発者の定例会議で施策の結果を共有したりする。PCとスマホで読み方は違うので同一で扱っていいのかという疑問はあったが、今は一緒になってやっている。草の根活動大事。

Reproさん:Eコマースは、webよりアプリのコンバージョンレートが3倍というのが普通。5倍になると成功しているところ。アプリはDLという手順を踏むが、DLした人はある程度モチベーションが高い、。この圧倒的なコンバージョンレートの高さが、webよりもアプリの方が効率が良いという武器になり得る。社内である程度交渉の材料になるのではないか。

 

株式会社アトラエ  岡利幸 さん MAU率80%のyentaのすべて(UX設計・チーム作り・立ち上げ・グロースなど) 完全審査制AIビジネスマッチングアプリ『yenta』の運営をされています。

  • リリースして半年、17万マッチング、MAUが80%(LINEの次くらいの実績)になっている
  • 立ち上げからアプリがグロースするまで
    • 種選び→企画・検証
    • 土壌作り→プロダクト開発
    • 種まき→リリース
    • 茎が伸びる→グロース
    • 花が咲く→頑張ります!(今まだここまではたどり着いていないとのこと)
  • 種選びフェーズ
    • 社内の評判はイマイチ
    • プロトタイプを作って社内テストしたが、あまり良い結果は出ない
    • そもそもビジネスマンに会いたくない?
    • facebookで300人のイケてるビジネスマンにプロトタイプを使ってもらった
      • 社内の4倍良い結果に
  • 土壌作りフェーズ
    • ペルソナ作成、Prottを使用してUXデザイン、チームビルディングに取り組んだ
    • アプリの開発は初めてだったので、デザインは『ハマるしかけ』という本を参考にした
      • 一番実用的で汎用性があると感じた
  • 種まきフェーズ
    • どうやって広げるのか・・・アプリの開発が初めてなので分からなかった
    • 影響力のあるビジネスマンに利用して広めてもらう作戦
    • 先に影響力のあるビジネスマン300人に使ってもらった後に正式リリース
    • 初期ユーザーを集めて継続的に利用してもらって、人が人を呼びぶ仕組み
    • ユーザーと一緒にサービスを作った
  • 茎が伸びるフェーズ
    • 継続的に利用してもらうために、プロフィールを見られるのは1日に10人に制限
    • プロフィールのスワイプとマッチングのタイミングを分離
      • プロフィールのスワイプとスワイプした結果がくるまでの時間を空けた
    • プッシュは話題にしてもらうことを狙って12時と20時に設定
      • 12時はランチの時間→マッチングした人が社外の人とランチに出かける時に話題になることを期待
      • 20時は飲みに行く時間→飲みの場で話題になることを期待
    • 『yenta』ユーザーじゃないと来られないイベントを主催
      • コミュニティ作りをしている
      • エバンジェリストを5人任命したが、それ以外の人でのコミュニティもできつつある

Q. ユーザー同士がマッチングしてどんな結果だったかはどう吸い上げている? A. イベントを主催しているので、イベントで聞く。ユーザー主催のイベントにも呼ばれるので、そこに参加しユーザーとサービスと作り上げている。

参加してみて

みなさん自社のノウハウをかなりおおっぴらに発表してくださっており、実践的な内容でした。 「プロダクト改善は長期戦なので、愚直な試行錯誤をする強力なモチベーションが必要」という言葉がありましたが、 良いと思う施策を細かく試してPDCAを回していくというのは、確かに粘り強さと協力なモチベーションが必要だと思います。 アプリの運用担当として、アプリの成長は常に意識しているので、今回はとても勉強になりました。 余談ですが、主催者の方が、 「Reproのブログもクラスメソッドさんのブログみたいになりたいんですよね」と言ってくださったのが地味に嬉しかったです。こちらこそReproさんのブログでよく勉強させて頂いております。 これからもブログの会社に居る身として(!?)情報発信を積極的にしていきたいと思います。