リソースベースの確約利用割引の契約開始日を 4 月 1 日にする方法

リソースベースの確約利用割引の契約開始日を 4 月 1 日にする方法

時差の計算は間違えやすいので、このまま覚えましょう!
2025.08.05

質問

Google Cloud のコスト最適化のため、リソースベースの確約利用割引(以下 CUD)の購入を検討しています。

契約開始日を日本の会計年度に合わせ、ちょうど 4 月 1 日からにしたいのですが、購入タイミングの計算に少し悩んでいます。

公式ドキュメントによると、CUD が有効になるのは「購入日の翌日午前 0 時(米国太平洋時間)」とのこと。4 月 1 日時点の太平洋時間はサマータイム(UTC-7)が適用されると理解しています。

この仕様に基づき、日本時間(UTC+9)に換算したところ、「日本時間の 3 月 31 日 16:00 ~ 4 月 1 日 15:59」に購入すれば良い、という計算になりました。

この解釈で正しいか、ご確認いただけますでしょうか。

回答

CUD の契約開始日を 4 月 1 日にしたい場合、購入手続きを行うべき日時はこちらです。

日本時間(JST): 3 月 31 日 16:00 〜 4 月 1 日 15:59

この期間内に購入手続きを完了すれば、狙い通り 4 月 1 日から CUD の割引が適用されます。

なぜこの時間? CUD の「有効化ルール」を理解しよう

この購入タイミングの鍵を握るのが、Google Cloud の公式ドキュメントに記載されている CUD の有効化に関するルールです。

確約利用割引は、購入手続きを行った日の翌日の午前 0 時(米国およびカナダの太平洋時間)に有効になります。

リソースベースの確約利用割引  |  Compute Engine Documentation  |  Google Cloud

コミットメントを購入すると、米国およびカナダの太平洋時間(UTC-8 または夏時間の UTC-7)で翌日の午前 0 時にコミットメントが有効になります。

つまり、「日本時間の 4 月 1 日」ではなく、「太平洋時間の 4 月 1 日 午前 0 時」に有効になるように購入日を調整する必要がある、ということです。ここが一番大事なポイントなので、しっかり押さえておきましょう。

少し厄介な「太平洋時間」と「サマータイム」の話

次に考えなければいけないのが、少し厄介な「太平洋時間」です。
太平洋時間には、実は2種類あります。

太平洋標準時(PST): UTC-8(冬時間)
太平洋夏時間(PDT): UTC-7(夏時間、いわゆるサマータイム)

そして、私たちがターゲットにしている 4 月 1 日は、サマータイムの期間中です。そのため、今回の計算で使うべきは 太平洋夏時間(PDT: UTC-7) となります。

日本のタイムゾーンはご存知の通り 日本標準時(JST: UTC+9) です。この 2 つのタイムゾーンの時差を計算すると、9 - (-7) = 16 時間 となり、日本の方が 16 時間進んでいることが分かります。

具体的に計算してみた

ここまでくれば、あとは簡単です。
「太平洋時間の 4 月 1 日 午前0時」に CUD を有効にするために、逆算していきましょう。

目標: CUD の有効化日時を 4 月 1 日 00:00 (PDT) に設定する。
ルール適用: ルールは「購入日の翌日午前0時に有効」なので、購入手続きは 3 月 31 日中 (00:00 〜 23:59 PDT) に完了させる必要がある。

JSTへ換算: この「3 月 31 日 (PDT)」を、16 時間の時差を使って日本時間(JST)に変換します。
購入開始日時: 3 月 31 日 00:00 (PDT) + 16 時間 = 3 月 31 日 16:00 (JST)
購入終了日時: 3 月 31 日 23:59 (PDT) + 16 時間 = 4 月 1 日 15:59 (JST)

この計算によって、冒頭でご紹介した「日本時間の 3 月 31 日 16:00 から 4 月 1 日 15:59まで」という結論が導き出されるわけです。実際に計算してみると、意外とシンプルです。

まとめ

今回は、Google Cloud の CUD を日本の年度に合わせて 4 月 1 日から開始するための、具体的な購入タイミングについて解説しました。

  • CUD の有効化は「購入日の翌日午前 0 時(太平洋時間)」
  • 4 月 1 日はサマータイム(PDT: UTC-7)が適用される
  • JST との時差は 16 時間

結論:4 月 1 日を CUD の契約開始日にしたいなら、日本時間の「 3 月 31 日 16:00 〜 4月1日 15:59」に購入する!

これで、年度末の CUD 購入も迷うことはありません。
一点だけ注意点として、年度末ギリギリの購入は予期せぬ決済エラーなどが起きる可能性もゼロではありません。可能であれば、少し余裕を持って日本時間の 3 月 31 日中など、早めにお手続きを済ませておくことをお勧めします。

この記事がどなたかのお役に立てば幸いです。

参考

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