SAM で node_modules のファイルを編集したものをデプロイしてみた

SAM で node_modules のファイルを編集したものをデプロイしてみた

SAM で Node.js の node_modules 内のファイルを編集してデプロイする方法を紹介します。
Clock Icon2022.10.11

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こんにちは。アノテーションの中村(誠)です。
今回は SAM で Node.js の node_modules 内のファイルを編集してデプロイする方法を紹介します。

結論

以下の方法で実現しました。

・編集したモジュールに対して、npx patch-package を実行する
・package.json の scripts に、"postinstall": "npx patch-package" を記載する

きっかけ

興味本位で「node_modules のファイルを編集したらデプロイ時にどうなるのか」ということを思いつきました。
とりあえずやってみるということで、SAM のチュートリアルレベルのアプリを作成してデプロイしてみました。

しかし、デフォルトの設定では、ローカル環境で編集した node_modules のファイルの内容は、デプロイ後の Lambda のデプロイパッケージには反映されていませんでした。

そこで、実現方法について調査したところ、以下の外部サイトがヒットしました。

上記のサイトで紹介されていた方法が、冒頭の結論で書いた方法でした。
ただし、検証しないと真偽が不明だったので、実際にサイト内の方法で実現可能かを検証しました。

検証環境

・OS: Windows 10
・SAM CLI バージョン: 1.53.0
・Node.js バージョン: 16.15.0

やってみた

実際にやってみた手順を紹介します。

1.サンプルアプリケーション作成

まずは SAM のサンプルアプリケーションを作成します。

特に変わった設定はせずに、サンプルアプリケーションを作成するだけです。

sam init

You can preselect a particular runtime or package type when using the `sam init` experience.
Call `sam init --help` to learn more.

Which template source would you like to use?
        1 - AWS Quick Start Templates       
        2 - Custom Template Location        
Choice: 1

Choose an AWS Quick Start application template
        1 - Hello World Example
        2 - Multi-step workflow
        3 - Serverless API
        4 - Scheduled task
        5 - Standalone function
        6 - Data processing
        7 - Infrastructure event management
        8 - Machine Learning
Template: 1

Use the most popular runtime and package type? (Python and zip) [y/N]: N

Which runtime would you like to use?
        1 - dotnet6
        2 - dotnet5.0
        3 - dotnetcore3.1
        4 - go1.x
        5 - graalvm.java11 (provided.al2)
        6 - graalvm.java17 (provided.al2)
        7 - java11
        8 - java8.al2
        9 - java8
        10 - nodejs16.x
        11 - nodejs14.x
        12 - nodejs12.x
        13 - python3.9
        14 - python3.8
        15 - python3.7
        16 - python3.6
        17 - ruby2.7
        18 - rust (provided.al2)
Runtime: 10

What package type would you like to use?
        1 - Zip
        2 - Image
Package type: 1

Select your starter template
        1 - Hello World Example
        2 - Hello World Example TypeScript
Template: 1

Would you like to enable X-Ray tracing on the function(s) in your application?  [y/N]: N

Project name [sam-app]:

Cloning from https://github.com/aws/aws-sam-cli-app-templates (process may take a moment)

    -----------------------
    Generating application:
    -----------------------
    Name: sam-app
    Runtime: nodejs16.x
    Architectures: x86_64
    Dependency Manager: npm
    Application Template: hello-world
    Output Directory: .

    Next steps can be found in the README file at ./sam-app/README.md


    Commands you can use next
    =========================
    [*] Create pipeline: cd sam-app && sam pipeline init --bootstrap
    [*] Validate SAM template: sam validate
    [*] Test Function in the Cloud: sam sync --stack-name {stack-name} --watch

もし、Windows 環境で、最後のクローンで失敗する場合には、GitHub Issue を参考に、以下のコマンドを Powershell の管理者権限で実行してください。

New-ItemProperty -Path "HKLM:\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FileSystem" `
-Name "LongPathsEnabled" -Value 1 -PropertyType DWORD -Force

私の環境では、上記コマンドを実行することで、エラーが解消され、サンプルアプリケーションのクローンをすることができました。

2.サンプルアプリケーションディレクトリ内でモジュールをインストール

サンプルアプリケーションディレクトリの、hello-world ディレクトリに移動し、aws-sdk をインストールします。

cd sam-app/hello-world

npm i aws-sdk

aws-sdk をインストールすると、hello-world ディレクトリ内に、node_modules が作成されます。

3.node_modules/aws-sdk/index.js を編集する

node_modules/aws-sdk/index.js は、デフォルトでは以下の内容です。

// Convenience file to require the SDK from the root of the repository
module.exports = require('./lib/aws');

今回は追加処理として、ログ出力処理を追記しました。

// Convenience file to require the SDK from the root of the repository
console.log("test")
module.exports = require('./lib/aws');

この追記した処理が、デプロイ後の Lambda のデプロイパッケージにも反映されていれば、目的は達成されます。

4.npx patch-package aws-sdk を実行

hello-world ディレクトリで、以下のコマンドを実行します。

npx patch-package aws-sdk

どうやらこのコマンドで、変更を加えたモジュールの内容を保持できるようになるようです。

5.package.json の scripts を編集する

hello-world ディレクトリ内の package.json の scripts に、以下の内容を追記します。

"postinstall": "npx patch-package"

追記後の scripts は以下のようになります。

"scripts": {
  "test": "mocha tests/unit/",
  "postinstall": "npx patch-package"
},

上記のスクリプトで、ビルド時に変更を加えたモジュールがインストールされるようになります。

6.ビルドを実行

サンプルアプリケーションのルートディレクトリに移動して、ビルドを実行します。

cd ../

sam build

ビルド後に、ルートディレクトリ配下の ./aws-sam/build/HelloWorldFunction/node_modules/aws-sdk/index.js の内容に、3 で追記した処理が反映されていることを確認します。

7.デプロイを実行

サンプルアプリケーションのルートディレクトリで、デプロイを実行します。
ほとんどデフォルト設定ですが、必要な場合には適宜変更してください。

sam deploy --guided --profile my-profile

Configuring SAM deploy
======================

        Looking for config file [samconfig.toml] :  Not found

        Setting default arguments for 'sam deploy'
        =========================================
        Stack Name [sam-app]:
        AWS Region [ap-northeast-1]: 
        #Shows you resources changes to be deployed and require a 'Y' to initiate deploy
        Confirm changes before deploy [y/N]: 
        #SAM needs permission to be able to create roles to connect to the resources in your template
        Allow SAM CLI IAM role creation [Y/n]:
        #Preserves the state of previously provisioned resources when an operation fails
        Disable rollback [y/N]:
        HelloWorldFunction may not have authorization defined, Is this okay? [y/N]: y
        Save arguments to configuration file [Y/n]: 
        SAM configuration file [samconfig.toml]: 
        SAM configuration environment [default]: 

        Looking for resources needed for deployment:
Enter MFA code for arn:aws:iam::{account-id}:mfa/{user-name}: 
        Creating the required resources...

~ 以下、CloudFormation スタックの作成状況などは省略 ~

8.デプロイパッケージの確認

デプロイ完了後、Lambda コンソールからデプロイパッケージをダウンロードして、編集した node_modules/aws-sdk/index.js の内容が反映されているかを確認します。

反映されていることが確認できました。
以上が SAM で node_modules のファイルを編集したものをデプロイする手順です。

まとめ

今回は SAM で Node.js の node_modules 内のファイルを編集してデプロイする方法を紹介しました。 node_modules 内のファイルを編集する機会はあまりないかもしれませんが、参考になれば幸いです。

参考資料

アノテーション株式会社について

アノテーション株式会社は、クラスメソッド社のグループ企業として「オペレーション・エクセレンス」を担える企業を目指してチャレンジを続けています。「らしく働く、らしく生きる」のスローガンを掲げ、様々な背景をもつ多様なメンバーが自由度の高い働き方を通してお客様へサービスを提供し続けてきました。現在当社では一緒に会社を盛り上げていただけるメンバーを募集中です。少しでもご興味あれば、アノテーション株式会社 WEB サイトをご覧ください。

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