「データを活用する」ことに焦点を当てたデータワークスペースサービス『Morph』を試してみた(Saasアカウント作成&プロジェクト探索)
近年、「データアプリケーション」や「BI as a Code」の文脈でStreamlitが人気を博しています。Pythonを活用して簡単にWebアプリケーションを構築できるStreamlitは、技術者と非技術者の双方にとって革新的なツールとして広がりを見せています。
そんな中、最近SNSで興味深いプロダクトの情報を目にする機会があり、個人的にもちょっと気になっていました。それが『Morph』(モーフ)と呼ばれるサービス/プロダクトです。
(実際に目にしたのは対象サービスのOSS版リリースに関するX投稿でした)
当エントリではMorphってどういうものなのか、実際にどんな見た目やメニュー展開がされているものなのかについて見ていこうと思います。
Morphって何?
Morphについては予め日本語ドキュメントも整備されています(これは嬉しいポイントですね)。詳細はドキュメントをお読み頂くのが良いでしょう、ここではポイントのみ抜粋しておきます。
- データを「貯める」のではなく、「活用する」ことに焦点を当てたデータワークスペースである
- 「データの民主化」「AIとの共同作業」といった体験を行えるツールを目指して開発されている
- 利用者が「本当に大事な作業にフォーカスする」ことを念頭に機能が提供されている
- Morphでできること
- データに接続
- データパイプラインを開発
- パイプラインの運用
- 成果物の共有
- Morphの特徴
- フルマネージドな実行環境の提供
- 標準的なPython・SQLが実行できる
- ブラウザベースの開発環境
- Morph AIによる開発サポート
MorphについてはSaaS形式での提供が為されています。こちらについては現時点で2つのプラン「フリー」と「プロ」が存在し、名前の通りフリープランは無料で利用出来る形となっています。これは嬉しいですね。
また、最近ではMorphのOSS版も展開され始めました。SaaS版同様に要注目です。
Morphアカウント作成
では早速Morphを触ってみたいと思います。利用にはアカウント作成が必要となりますのでまずはそこからやっていきましょう。公式ページ(日本語版)の[無料で始める]を選択。
Googleアカウントまたはメールアドレスによるアカウント作成が選択出来ますのでお好きな方を選んで進めてください。今回私はメールアドレスによるアカウント作成を選びました。
メールアドレスによる作成を進めていくと、途中「指定のアドレスにメールを送ったので確認してね」の旨通知が飛びます。内容を確認し承認しておいてください。
承認が完了するとアカウント作成を求められます。必要な項目(名前とアカウント名)を入力して[Next]を押下。
ワークスペースの作成画面に遷移します。ここでは既に「My First Workspace」というワークスペースが用意されています。その他、テンプレートからワークスペースを作成するメニューが展開されているようです。
Morphワークスペースの構成
参照(Viewer)モードでサンプルプロジェクトを見てみる
既に作成済のワークスペース「My First Workspace」は2つのモードでアクセスができるようです。[Open Viewer]で開いてみます。
すると以下の様に閲覧専用モードでページが展開されました!表示対象のデータを「表形式」及び「埋め込み形式(棒グラフ)」でそれぞれ表示する内容をページとして展開しているようですね。画面右側にはヘルプとしてMorphドキュメントの各種参考ページが併せて展開されています。このコンテンツは後程別エントリで深堀っていこうと思います。
Viewerモードでは[Pages]タブと[Jobs]タブがそれぞれアクセス出来るようです。上記のグラフ描画ページは[Pages]の管理下にあったものでした。[Jobs]タブを開いてみると、現時点では特に何も設定・表示されていませんでした。
この設定はドキュメントによるとSQLやPythonで作成したパイプラインを実行するためのスケジュールを設定することが出来るようです。これも後程試してみたいと思います。
編集(Editor)モードでサンプルプロジェクトを見てみる
次は編集(Editor)モードでこのプロジェクトを開いてみます。先程まで開いていたプロジェクトからメニュー展開すると、そのまま編集(Editor)モードで開けるようです。開く際にCore数を元にした選択肢が用意されています。処理性能に関する内容っぽいですがここではひとまずStandardで進めます。
編集モードで画面が開きました。アクセス制限に関する設定ダイアログが出てきますがここは一旦承認する方向で進めます。
[Code]タブでは作成するデータアプリケーションのコード管理が可能となっています。各種設定ファイルなどの管理を行うエクスプローラメニューの他に、デプロイメントやCanvasの設定が行えるエディタがタブ表示されているのを確認出来ます。[Canvas]ではデータとグラフの紐付け設定もやっているようです。
[Code]タブ配下のエクスプローラーメニューでは、各種アプリケーションを構成する上でのファイルを見ることが出来ます。また、サンプルデータもCSV形式で配置されていることも確認出来ました。この辺設定ファイルについては別途エントリを改めて色々試してみたいと思います。
[Code]タブの隣、[Data]タブではワークスペースがアクセスするデータに関する設定の諸々が管理出来るようです。
[Pages]タブ及び[Jobs]タブについては参照(Viewer)モード同様の展開のため割愛します。
Homeメニューから確認可能な各種設定項目
次いで、冒頭アクセスしていたHOME画面から遷移・確認可能な各種設定項目についてもザッと見ていきます。
ワークスペース(Workspaces)
上記内容でも言及・紹介した「ワークスペース」を管理するメニュー。
接続(Connections)
Morphワークスペースがアクセスする際に使用する各種接続を管理するメニュー。
接続可能なソースは大きく2つに分けられていて、データベースやデータウェアハウスへの接続を管理する「SQL Connections」、
そして各種サービスとの連携を管理する「Integrations」があります。サービス間連携もMorphで扱えるのは嬉しいですね。
また、MorphではCSVやEXCELをプラットフォームにアップロードすることも可能です。『データは手元にあるんだけど何かしらデータベースに格納しないといけないのはちょっとな...』という場合に試せる状況があるのは嬉しいポイントかなと思います。
APIキー(API Keys)
ローカルで構築したデータアプリのデプロイ、ビルトインPostgreSQLへRestAPIでアクセスをしたい場合に利用します。
詳細は下記ドキュメントをご参照ください。
課金情報(Billing)
利用者の課金情報に関するメニュー。ここは現時点ではフリープランを選択しているため、特に変わることは無さそうです。
クレジット(Credit)
ワークスペースで消費する「クレジット」を管理するメニュー。
クレジットについての詳細は下記ドキュメントをご参照ください。
メンバー(Members)
Morphプロジェクト全体で利用するユーザーの情報を管理するメニュー。
まとめ
ということで、データワークスペースサービス『Morph』に関する概要及びワークスペースの紹介でした。手元のデータをサクッと見てみたい、データ自体は存在するけど可視化及び可視化のその先にあるアクションを手っ取り早く試してみたい...という場合に使い勝手が良さそうだなという印象を持ちました。
引き続きMorphについてはサクッと色々試してみたいと思います!