iOSアプリ開発の気になる変更まとめ(2026/10/17):Xcode 27.1正式リリース、App Review Guidelines改定ほか

iOSアプリ開発の気になる変更まとめ(2026/10/17):Xcode 27.1正式リリース、App Review Guidelines改定ほか

Xcode 27.1の正式リリースとApp Review Guidelinesの改定、iOS 27.2 Beta 4・Xcode 27.2 Beta 3の変更点を整理した。日本でのiPhone Duo予約開始、App Store Connectの更新、日本語で読めるようになったHello Developer 10月号にも触れた。
2026.10.17

iPhone Duoの発売を10月23日に控え、Xcode 27.1の正式リリースやApp Review Guidelinesの改定など、Apple周りで保守に関わる動きがいくつかあった。気になったトピックをまとめておく。

Apple

Xcode 27.1 リリース

https://developer.apple.com/documentation/xcode-release-notes/xcode-27_1-release-notes

2026年10月15日にXcode 27.1が正式リリースされた。ビルド番号はRCと同じ27A9275で、SDKはiOS 27.1と、iPadOS・tvOS・watchOS・macOS・visionOSの27となっている。iOS 27.1はiPhone Duo向けのバージョンなので、これでiPhone Duo対応アプリを正式版のXcodeで申請できるようになった。

RCのリリースノートと比べると、正式版で増えたのはKnown Issuesの1件だけで、RCのリリースノートにあったKnown Issuesはすべて残ったままだ。追加されたのは以下の問題。

  • iPhone Duoシミュレータで、CameraCaptureAccessoryを使うアプリがカメラのキャプチャセッションなしで両方のディスプレイを同時に使えてしまう

RCから記載されている以下の問題は、正式版でも解消していない。

  • iOS 27.1固有のAPIを使うと、Mac Catalystでコンパイルエラーになる
  • iOS 27.1をターゲットにしたプロジェクトで、Mac Catalystの実行先が表示されない(ターゲット設定でMac Catalyst 27.0の最小デプロイメントを追加するのが回避策)
  • 初回のSimulator起動に数分かかることがある
  • iPhone DuoシミュレータでStandByが使えず、大半のApp Extensionの実行・デバッグもできない

Mac Catalystに対応しているアプリは、#if !targetEnvironment(macCatalyst)での切り分けが引き続き必要になる。

App Review Guidelines 改定

https://developer.apple.com/news/?id=92th7e5i

2026年10月16日にApp Review Guidelinesが改定された。主な変更点は以下のとおり。

  • 1.2:対象となるコンテンツやアプリの種類を明確化した。適切な安全対策を実装しない場合や、通知後に違反を是正しない場合は、Developer Code of Conduct違反になり得ると明記された
  • 2.3.14:クリエイティブアセットに関するガイドラインが新設された
  • 2.5.19:隠し機能・休眠機能・文書化されていない機能に関するガイドラインが新設された。これまで2.3.1で扱われていた内容を独立させたもので、方針自体は従来どおり
  • 3.1.1(a):Music Streaming Services Entitlementの項目がStoreKit External Purchase Link Entitlementの項目に統合され、許可されたリンク先へのリンクを提供できることが明確化された
  • 5:人身取引や児童搾取を助長するアプリは、App Storeから削除され、代替配信もブロックされることが明確化された

保守の観点で気になるのは2.5.19だ。リモート設定やFeature Flagで、審査後に機能を有効にする運用をしているアプリは少なくない。方針が変わったわけではないが、独立した項目になったことで指摘されやすくなる可能性はある。審査メモでの説明も含めて確認しておきたい。

iOS & iPadOS 27.2 Beta 4 リリース

https://developer.apple.com/documentation/ios-ipados-release-notes/ios-ipados-27_2-release-notes

2026年10月13日にiOS & iPadOS 27.2 Beta 4(24B5110a)がリリースされた。これまでの記事で触れていなかった項目も含め、以下が目についた。

  • ヘルスケアでは、Beta 3で試せた刷新版のアプリがBeta 4から外れた。前のベータで記録したデータは端末に残り、設定アプリから参照できる。刷新版は今後のベータで再び提供される予定
  • StoreKit Testing in Xcodeで、SKTestSession.clearTransactions()を呼んでも導入オファーの適格性がすぐにリセットされない問題や、dialogsDisabledをtrueにしても購入失敗時にエラーダイアログが出る問題などが修正された
  • 前回の記事で取り上げた、iOS 27.1以降でUIViewのデフォルトのlayout marginsがゼロになるUIKitの変更は、Beta 4のリリースノートにも残っている

Xcode 27.2 Beta 3 リリース

https://developer.apple.com/documentation/xcode-release-notes/xcode-27_2-release-notes

2026年10月14日にXcode 27.2 Beta 3(27B5038j)がリリースされた。Beta 2からは、主に以下が変わった。

  • Interface Builderのtoolchainコンパイルモードで、standard/systemのUIStackView.spacingが0としてエンコードされる問題と、UIButtonConfiguration.contentInsetsがエンコードされない問題が修正された
  • XCTest UI Automationで、.rotateDigitalCrownを使うテストが失敗することがある問題がKnown Issuesに加わった
  • 27.2のシミュレータを複製すると失敗する問題が「General」から「Simulator Runtimes」の項目に移り、回避策が追記された

StoryboardやXIBをtoolchainモードでコンパイルしているプロジェクトでは、StackViewの間隔やボタンの内側余白が意図どおり反映されていなかった可能性がある。

シミュレータの複製の問題は、原因がファイルのパーミッションの不整合で、複製元デバイスのデータから該当ファイルを消す以下のコマンドが回避策として載っている。iOS & iPadOS 27.2のリリースノートにも同じ記載がある。

find ~/Library/Developer/CoreSimulator/Devices/<SOURCE_UDID>/data -name '*.sb-????????-??????' -delete

シミュレータのランタイムを削除後に再インストールすると利用できない表示になる問題は、Known IssuesからBeta 2の修正済み項目に移った。iPhone Duoでのスクリーンショットの不具合や、Mac CatalystでiOS 27.1のAPIを使うとコンパイルエラーになる問題など、それ以外のKnown Issuesは変わっていない。

日本でもiPhone Duoの予約受付開始

2026年10月16日午後9時(日本時間)に、日本でもiPhone Duoの予約受付が始まった。

初動の動きはよく、出荷予定が2027年1月下旬になっているようだ。実機での検証用に端末を確保したい場合は、早めに手配した方がよさそうだ。

開発者としては、発売日に搭載されるOSがiOS 27.1である点を踏まえておく必要がある。UIViewのlayout marginsがゼロになる変更は「iOS 27.1以降」が対象なので、iOS 27.2の配信を待たず、Duoで先に影響が出ると考えられる。

App Store Connect の更新

https://developer.apple.com/help/app-store-connect/release-notes/

App Store Connectのリリースノートには、10月に入って以下の更新があった。

日付 内容
10/15 Xcode 27.1(iOS 27.1 SDK)でビルドしたアプリを、App StoreとTestFlightにアップロードできるようになった。iPhone Duo最適化アプリの申請受付と、2027年4月からのDuo用スクリーンショット必須化もあらためて告知された
10/14 Xcode 27.2 Beta 3(iOS 27.2 Beta 4 SDK)でビルドしたアプリをTestFlightで配布できるようになった
10/5 クリエイティブアセットとAsset Libraryが追加された。プロダクトページのヘッダーや検索結果、App内イベントに使う画像を、App Previewやスクリーンショットと合わせて一か所で管理・プレビューできる

今回のガイドライン改定で新設された2.3.14は、このクリエイティブアセットに関するものだ。アセットを使う場合は、仕様もあわせて見ておくとよい。

Hello Developer 10月号が日本語でも読めるようになった

https://developer.apple.com/jp/hello/october26/

Apple Developerの月刊ニュースレター「Hello Developer」の10月号が、日本語でも公開されている。今月号では、開発者として以下が気になった。

  • Apple Developerのドキュメントライブラリの全コンテンツが、日本語を含む8言語に対応した(日本語版ドキュメント)
  • iPhone Duo関連のドキュメントが追加された。iPhone Duo向けのアプリの準備や、カメラを向きで選ぶ方法、カメラキャプチャアクセサリの登録方法などで、FigmaとSketchのデザインキットも提供されている
  • iPhone Duoグループラボの第1ラウンドをオンデマンドで視聴できる
  • Xcodeの新しいプロジェクトフォーマット(JSON形式の.xcproj)が紹介され、移行方法のドキュメントも日本語で読める
  • 10月29日に、アプリのパフォーマンスと効率をテーマにした「Appleに相談」イベントがクパティーノで開催される。ライブ配信にも参加できる

ドキュメントが日本語で読めるようになったのは、チームへの共有や新人のオンボーディングで助かりそうだ。

まとめ

Xcode 27.1の正式版が出たことで、RCのまま申請するか正式版を待つかで迷う必要はなくなった。iPhone Duoの発売まで1週間を切ったので、Duo対応を予定しているアプリは急いで申請したい。

App Review Guidelinesの2.5.19は、方針自体は変わっていないものの、Feature Flagで機能を切り替える運用をしているアプリは気にかけておく必要がある。layout marginsの変更は、まずDuoで影響が出る。iOS 27.2の正式リリース日はまだ出ていないが、配信されれば既存のiPhoneにも及ぶ。Duo対応の予定がなくても、ベータで一度見ておきたい。

iOSアプリ開発を取り巻く情報は変化が速いため、また気になる変更がまとまったタイミングで記事にしたいと考えている。

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