「IoT @ Loft #1 実証実験(PoC)から抜け出せ!商品化にむけた開発のすすめ方 」に参加してきました #AWSLoft
こんにちはAIソリューション部のさかじです。 2019/6/5に行われた「IoT @ Loft #1 実証実験(PoC)から抜け出せ!商品化にむけた開発のすすめ方」のレポートになります。
IoT@Loftとは
IoT@Loftは、IoT関連ビジネスで開発を担当するデベロッパーのためのイベントです。
IoTの分野は、「総合格闘技」と呼ばれるほど、必要な技術分野が非常に多岐に渡ること、ビジネスモデルが複雑なケースが多く、全体を理解することは難しいと言われています。その結果、実証実験(Proof of Concept : PoC)から商品への導入が進まないケースや、PoCでさえ十分に実現できていないケースも多々あります。
IoT@Loftは、そういったIoT特有の課題と向き合い、情報共有・意見交換を行う場として、参加者の事業や製品開発を成功に近づけることができれば幸いです。
この勉強会では、膨大なIoT関連の情報の見通しを良くするために、各回ごとにテーマを定め、それに沿った形で登壇者に事例や技術のご紹介を頂きます。テーマは、インダストリー、ソリューション、テクノロジー、開発フェーズなどを軸に決めていきます。
第一回目のテーマは、「実証実験(PoC)から抜け出せ!商品化にむけた開発のすすめ方」としまして、PoCから商品化のハードルはソフトウェア、ハードウェア、ビジネスなど多岐にわたる課題に対してのアプローチを中心にソニー株式会社、株式会社アットマークテクノ、エヌビディア合同会社、株式会社エスト・ルージュよりお話頂きます。(順不同・敬省略)
LT1 - AWSのIoTソリューション本番導入にむけた取り組み
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 シニアソリューションアーキテクト 小梁川 貴史
- そのPoC誰のどんな課題を解決しますか?
- 何かできるかもからスタートするとうまくいかないことが多いのでは?
- データを可視化まではすんなり行く
- 現場の人と課題を探して、IoTで解決できるのではないか?
- 効果測定が重要
- クラウドを活用すること享受できること
-
IoTによってもたらせるビジネス効果
- 成果定義が重要
- 収益の向上
- 運用効率の向上
- IoTのユースケース
- 生産状況の見える化
- 分析による業務改善
- 予兆保全・品質予想
- AI/MLで急増している要求
- 人の作業の分析
- AI/MLで急増している要求
- IoTと機械学習によるデータ価値想像のライフサイクル
- アジャイルのようになんども回す
- 求められる機能要件
- モニタリング
- 遠隔制御
- モバイル/API連携
- 予測・分析 (すでにデータがある場合にはここから始めるパターンもある)
- AWS IoTの説明
-
可視化だけでは解決しない
- IoTと機械学習で予防保全
- データが無いといきなり機械学習へ持っていけないのでまずはデータを貯める
- まとめ
- クラウド活用、収集、解析、学習の基盤はできるが物理的に問題は残る
- ネットワーク、電源の確保
- センサ、カメラの長期運用
- 設置場所によるセンサの感度、機械学習の学習用データの収集
- PoCのうちは簡単に実現できる方法を見つける
- さいごに
- PoCを脱出できないお客様
- PoCがシステム観点のみ ビジネスにどう繋げるのか?
- コストが高い カスタマイズなのでの人件費
AWS summit TOKYOでは初心者向けやデザインパターンなどのセミナーを3コマ、IoT関連の展示も行なっているそうですAWS summitへ参加される方はセミナーや展示会場へ足を運んではいかがでしょうか。
LT2 - 開発する前にPoCしよう!お手軽IoTが試せるMESHとは?
ソニー株式会社 MESHプロジェクト プロジェクトリーダー 萩原 丈博 氏
- MESHとは
- ブロック状のIoTデバイス
- 全て無線で繋がる
- プログラミングせずに組み立てられる
- 文房具のように使える
- 何のために作るのか早く知るためにMESHを使って素早くPoC
-
出かける時に「今日は雨だよ」って言ってくれるシステム
- いきなり喋り始めると気持ち悪い
- 音声の前に音を鳴らすことで解決
- これが簡単にできる。これを色々作り始めてからこの情報がわかると遅い
- MESHの簡単な使い方をライブ
- 日本能率化協会でMESHを使って改善セミナーを開催している
- 早めに要件を決めるための最初のツールとして使ってほしい
- 事例
- MESHの仕組み
- いろんなセンサと接続して情報を収集(アナログなど)
- ソフト(カスタムブロック)を作成することもできる(AWS IoTへデータを送信するなど)
センサを新たに購入せず全くコードを書かず、google スプレッドシートへ情報を書き込んだり、アプリに通知をしたりと連携が簡単にできることが簡単にできることがわかりました。 まずは欲しい機能の一部をまずは作ってみるそこからフィードバックを得てそれを元に開発を加速することを提案されていました。
LT3 - PoCだけで終わらせない!量産対応・Pythonで作れるIoTセンサー「Degu」
株式会社アットマークテクノ Deguプロジェクト 中井 真大 氏
- IoTの世界でなにが起きているか?
- データを集めて、価値を作る
- しかしどうやってデータ収集するのか?
- なぜデータ収集できないのか?
- 点在する要素技術を合わせて使える状態になっていない
- IoTシステムの全体仕様を決めてから開発するには遅すぎる
- 解決としてDeguを用意した
-
Deguとは
- IoTセンサを誰でも作れる
- メッシュネットワークを安定した通信
- ゲートウェイを用意
- Deguの4つの特徴
- センシング機能
- Groveモジュール 200種類を超えるラインアップ
- サンプルはGithub
- 通信機能(メッシュネットワーク)
- Thread対応
- 省電力
- 長距離
- 通信の堅牢性
- エッジコンピューティング(micro python)
- Micro Python
- JSONフォーマットでゲートウェイへ転送
- セキュリティ
- セキュアに鍵情報、証明書を保管
- 証明書に夜個体管理
- 3ステップで始めるDegu
- センサ選択
- ネットワーク設定(ペアリング)
- サンプルコードを使ってコーディング
- Deguを使った例
- Deguに照度センサ、リレーをつけて AWS IoTへ、明るさ情報を判定してリレーを制御
- センサの量産
- Degu量産設計サービス
- 初期費用120万円〜
- タカチ製のケースが利用可能
私は組み込みプログラマをやっていましたので、ハードを扱うハードルはこれでグッと下がると思います。ハードが絡むとどうしてもハード購入、設計、組み立てなどの初期投資が発生します。思った通りの情報がセンサから取得できないことも発生します。Deguセンサを使えばその手戻りが最小限に抑えられると思いました。 弊社でもDeguを採用始めましたので、どんどん使ってブログをアップしたいと思います。
クラスメソッド 、AWSを活用したIoT開発支援においてIoTセンサー技術「Degu」を採用 〜「Deguセンサー」の活用で機器の選定やセキュリティ対策の効率化を実現〜
LT4 - エヌビディアのJetson プラットフォームを活用したAIエッジコンピューティングの最新動向
エヌビディア合同会社 自律動作マシン プロダクトマネジメント テクニカル マーケティング マネージャー 橘 幸彦 氏
- Jetsonファミリー説明
-
Jetsonを活用した事例
- 動画紹介
- AIは研究から活用に移行する時代ではないか
- 武蔵精密工業事例紹介動画紹介
武蔵精密工業様の事例ですと、製品の運搬、外観検査の部分をAI化して付加価値を高めたいという明確な命題があり、そのための情報も潤沢にあり、社内でそのフィードバックを用いて改善を行い日々バージョンアップを行なっているそうです。
運搬など単純作業であり、精密な製品を運搬しているため非常に大変な作業を軽減したり、外観検査をAIと人とを協業することで品質アップを目指しているといことでした。
LT5 - IoTを活用した入場管理で現場改革、3ヶ月で実証実験を可能にしたAWS活用術
株式会社エスト・ルージュ 代表取締役 野村 亮之 氏
- 提供しているソリューション
- チケットのバーコードを読み取って正しいものかどうかを確認する端末
- 東京ドーム、音楽フェスなど
- 読み取った場合即座に各端末と同期
- 時間が正確
- 電波の届かない状態でも使える
- シンプルなUI
- 実際使用しているところの動画
- 読み込んだら席の番号を印刷するソリューションも提供し始めた
- 3ヶ月ぐらいで開発
- AWS IoTの基盤を使っている
-
ビジネスの理解・要件をチーム全体で理解する
- 現状よりも遅くならない
- アルバイトが使うので簡単に
- 会場は地下や山奥など
- 入場状態で開始が決まる時がある ちぎったチケットを裏で数えている人がいた
- ファンは熱狂的なのできちんとスキャンできることが重要
- 技術要件に転換する
- 各端末をリアルタイムに同期する
- オフラインでもチケットスキャンを共有
- デバイス管理などの簡素化
- なぜこのプロダクトが必要なのか?
- チケットは紙, デジタルチケットは10%ぐらい
- 人材不足、運営費の高騰
- 入退場の厳密化
- 入場時間が限られているので早くやる必要がある
- AWS IoT Platform + Greengrass
- 要件があってからのスタートなのでIoTありきではなかった
- しかし、3ヶ月の開発でこのサービスを使うことになった
- これが最初の1ヶ月
- UIも並行して開発 1ヶ月程度
-
コアビジネスを作り込むためのアジャイル開発
- オフラインになった時点で同期は諦めて、オンラインになったらすぐ同期できるようようにした
-
実証実験に対して優先度低い実装は行わない(で賠償証明書、セキュリティ周り) 次のフェーズで実装する
-
1500人規模のライブハウスでの実施
- 実証できたこと
- 失敗したこと
- 上記明確になった
IoTありきでスタートせず、最終的に使いやすいAWS IoTに行き着いたという事例でした。こちらも小さく始めるのにAWS IoT関連のソリューションは非常に使いやすく始めやすかったということでした。
参考サイト
最後に
AWSの小梁川さんが言われていた通り、何をIoTで解決したいのかが明確ではなと、結局「バズワードだったね」で終わってしまいます。私が担当しているDevelopers.IO CAFEでもAWS IoT Coreを使っていますが、多くのセンサをより確実にデータをクラウドへアップする方法として選びました。 PoCだけで終わらない方法やエンドユーザに提案できる情報が得られたセミナーでした。2回目もあるということですので、気になった方がいらっしゃいましたらぜひ参加しましょう。
IoT@Loft #2 スマート工場(IIoT)に向けた課題と取り組み〜見える化、予知保全、品質管理〜
もしDevelopers.IO CAFEの仕組みを知りたい方は、ぜひ来店してください。そして一緒にDevelopers.IO CAFEを開発したい方は まずは会社説明会へ。