
「高専カンファレンス in 長岡 Come back」に参加&登壇してきました! #kosenconf188nagaoka
2025/9/2(火)に「高専カンファレンス in 長岡」が11年ぶりに開催されました。開催することを知ったのはつい1週間半ほど前でしたが、母校の長岡高専生が主催とのことで、応援の意味も込めて勢いで参加と登壇をしてきましたので、レポートです。
会場
イベント会場は「ミライエ長岡」にある「ミライエステップ」です。その名の通り階段(ステップ)状になっており、どでかいスクリーンがあるのが特徴です。
会場の雰囲気がわかるXの投稿がこちら
参加者
「高専カンファレンス」という名の通り、東北、関東、北陸中心に現役の高専生の1-4年生くらいが30名以上参加していて、非常に賑わっていました。中でも2年生(24年度入学生で、高専カンファレンス界隈では「24s」と表現するらしい)の横のつながりが結構あるようで、内輪ネタも含めて非常に沢山のやり取りがなされていたのが印象的でした。
セッション
多岐に渡ったテーマでかなり楽しめました。それぞれ簡単に感想を書いていきますね。
スポンサー登壇: INPEX様
今回のイベントのスポンサーである、「株式会社INPEX」様による、企業紹介です。私が住んでいる新潟県長岡市の越路地域にある大規模な天然ガス田の運営と、長岡花火でも毎年大きなスターマインを上げていることで有名な企業です。
具体の企業紹介では「国内営業利益ランキング4位」「国産天然ガスの5割を生産」「生産した天然ガスはパイプラインで関東甲信越一帯に輸送」など、かなりパワーのある内容を知ることができました。身近な企業にも関わらず、これまで寡聞にして存じませんでした……
しょう: 大学生になっても「高専」が忘れられない!
長岡技術科学大学(以下技大)生である「しょう」さんによる発表です。長岡高専→長岡技大とのことで、完全に私の後輩にあたります。
高専に対する熱い思いや、高専で経験してよかったこと、現役生へのメッセージなど、すごくいい話でした。
中でも「結局 高専が好き」
については、結構分かるなぁと。なんだかんだで、「高専」というアイデンティティを自分も持っていることを、たまに自覚しているので。
個人的に好きなお酒として「越乃景虎」「お福正宗」を挙げていたところで、仲良く慣れそうな気がしました(私も大好きな酒造)。
ゆずらす: ゆずらす的お米の食べ方
お米が大好きという「ゆずらす」さんによる発表です。
お米を炊くのは圧力鍋が最高(早炊きと同じ早さで炊ける、好みに合わせて調整ができる、などの理由)とかもありつつ、美味しいご飯の食べ方を画像付きで紹介し、お昼ごはん手前のお腹が空いた若者たちには、かなりの飯テロになったようです。
あと、高専生らしく(?)「冷めたご飯が何故美味しくないのか」の解説もあり、非常に興味深かったです。
今回が初登壇とのことでしたが、しっかりと練られたネタにこだわったスライドなど、凄いなーと見てました。
お昼
ここで昼休憩です。先程の飯テロもあり、みんな近間のごはん処に散って、長岡の美味しいご飯を堪能したようです。
なお、私はラーメンでした。
りっとりお: 人生鬱クワガタ
限界旅行(?)が大好きな「りっとりお」さんによる発表です。
「鬱クワガタ」というネットミームを知らず、途中で調べました……
内容については、高専に入って勇気を出して一歩踏み出したら、沢山の仲間と出会えて超良かった、現実がつらくてもSNSなどで別の世界とつながるのは大事だよ、みたいなすごくいい話でした。
「そうだよね、若いときはそういう感じのときもあるよね」みたいな部分含め、最終的にはこんな感じでした。
Win: シャノンの情報理論序説
数学が大好きな「Win」さんによる発表です。
私が大学時代に所属していた研究室でも情報理論を扱っていたこともあり、当時学んだことを思い返しながら見ていました。
中でも、「熱力学の第2法則(エントロピー増大則)」は「熱力学」だけでなく「情報」といった領域でも当てはまる、といった一見異なる分野のつながりを見せてくれたのは、すごく面白かったです。
とはいえ、まだその分野に触れていない学生たちの頭の上には「?」が浮かび続けていて、これも良かったです。
やっぱり、カンファレンスなどではこういう「置いてきぼり系」の発表が一番面白いとは個人的に思っていて、その意味でもこの発表はすごく良かったです。
トークセッション: 24sとーく
24年度入学(24s)の4名が、ホワイトボードを片手に質問に答えてトークするという形式のセッションです。
登壇者はすでに他の発表をした人も含め、以下の4名です。
高専に入って一番頑張ったこと、一番の失敗などなど、赤裸々に語ってくれる内容は、本当に等身大の若者という感じで、ちょっと眩しすぎました……
ぺんぎん20号: 私が3年間費やした音楽
音楽大好き「ペンギン20号」さんによる発表です。
中学生時代に取り組んでいたマーチングと、今取り組んでいる吹奏楽のについての紹介でした。マーチングと吹奏楽は、楽器は同じような感じだけど管轄団体が違うとか、元々吹奏楽経験者の私も実は知らなくて、「へー」ってなってました。
んで、早めに終わりそうなった途端にアイドルマスターのおすすめ曲紹介に移行しましたw
アイドルマスターは詳しくは知らないのですが、紹介された曲はどれも面白そうで、どっかで聞いてみようかと思います
なお、本当は先に私の発表のはずでしたが、プロジェクターとの接続トラブルで前後交代してもらいました。ホントありがとう!
髙野: とある長岡高専卒のおっさんがIT企業のマネージャーになるまで
私の発表です。
後輩たちに向けて、「これはおっさんの役割だろ」と半ば開き直って、高専時代から今までを振り返りながら、何を大事にしないといけないのか、学生時代のどんな経験が役に立っているのかをお話させてもらいました。
もちろん母校である長岡高専の学生も多いので、当時お世話になった先生のお名前を出したり、ちょこちょこ目があった方に話を振ったりしつつ、私としても楽しめた登壇でした。
一点反省としては、後輩たちの前だと気合が入りすぎて、スライドが67ページもの大作になってしまったことですね……途中結構すっ飛ばし気味になったところもあって、そこは申し訳なかったなと。
福島市民bot: 代表7回経験者がカンファ巡りしてみた(最終日)
高専カンファレンスをはしごしまくっている「福島市民bot」さんによる発表です。
8月の下旬からずーっと毎日のように各地で開かれている高専カンファレンスに全部参加しているという猛者でした。移動が中心になりホテルで寝ずになんとかするみたいなこともよくあるようで、結果こんな感想も出てくることに。
安全面にだけは気をつけてほしいなと、おっさんは心から思うのでした。
運営登壇: Play Back
最後は、運営3人による「高専カンファレンス in 長岡 Come Back」の開催に至るまでのふりかえりのトークセッションです。
話を聞くと、どうも高専カンファレンス界隈(?)では有名な話のようだったのですが、当初長岡での久々の開催が企画されていたところ、ちょっと色々一悶着あってご破算になったらしいのです。
ただ、そこで立ち上がったのが今回の主催の「千葉」さん。高専カンファレンスで付き合いのあった先輩の中野さん、井塚さんに声をかけ、「ながおか・若者・しごと機構」様との共催を取り付けたり、冒頭の発表をしたINPEX様はじめとした企業の協賛をいただいたりと、ものすごい行動力とスピードで開催の道筋をつけたようです。
色々あったようですが、それでも今回高専カンファレンスに集まった仲間からもたくさんの応援と感謝の声があがり、本当に良いコミュニティだなぁと素直に感心してしまいました。
感想
参加申込したときはどんな雰囲気や参加者が集まるのか全然わからず、ちょっと不安がないわけではなかったです。
実際当日会場に行ってみると、参加者のほとんどが自分の息子と同じかそれより下の子達ばかりで、おっさん一人で正直ちょっと場違いだったかな〜と感じたのは事実です。
でも、会が進むに連れ、みんな本当に高専が好きで、面白い話が聞きたい、楽しみたいと思っていることが伝わってきました。また、私のセッションにも素直に反応をしたり、質問もしてくれて、本当にいい子たちでした。
そんな中で、私が一番感じたのは今の時代ならではの「つながりやすさ」でした。
私が学生の頃はちょうどポケベル→PHS→携帯電話へと移り変わるときで、他の学校の学生と交流するといっても年に一度のイベントとか程度で、継続的にコミュニケーションを取り続けるということは、できなくはないですが、結構エネルギーが要るものでした。それが今は、X(旧twitter)をはじめとしたSNSのお陰で、場所と時間を超えて気軽につながりを維持できるというのが、高専カンファレンスのようなイベントを支える一つの力となっているのだろうなと。
特に「高専」というのはそれだけで「高校」とは違う世界のため、他の高専も同じようなものだと当時は思い込んでいました。それが今回、様々な高専の学生の発表やお話を聞いて、同じ「高専」でも多様な文化があるというあたり前のことに気付かされました。
今後また長岡で高専カンファレンスが開催されるようなら、登壇はしないかもしれませんが、また参加してみたいと思えた、本当に良いイベントでした。
この記事を読んだみなさんも、もしお住まいの近くで「高専カンファレンス」が開催されるようなら、興味本位で一度参加してみてはどうでしょうか?「高専」というある種特殊に思える空間の一端や、案外「ふつう」だということが感じられるかもしれませんよ?