本好きによる本好きのためのイベント!社内で「#ビブリオバトル」を開催してみた

本好きによる本好きのためのイベント!社内で「#ビブリオバトル」を開催してみた

社内でオンラインのビブリオバトルを開催してみたレポートです。本好きにとって、たまらなく楽しいイベントになりました! #bibliobattle #ビブリオバトル
Clock Icon2021.02.11

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おはこんばんちは!オペレーション部のもっさんです。
皆様は「ビブリオバトル」をご存知でしょうか?ビブリオバトルとは、自分の好きな本をプレゼンし「一番読みたくなった本」を競う、本好きのためのゲームです。

弊社クラスメソッドには、筆者を含め本好きの社員が多数在籍しています。そんな同僚のみなさんと本について語り合いたいと思い、社内でビブリオバトルを主催してみました。
今回はそのビブリオバトルについて紹介します。オンラインで開催するにあたり調整したルールについても書きますので、ビブリオバトルをやってみたいと考えている方の参考になれば幸いです。

ビブリオバトルとは

ビブリオバトルの公式ウェブサイトによると、以下のルールに従って開催される書評イベントを「ビブリオバトル」と呼称します。

1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる. 2.順番に一人5分間で本を紹介する. 3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う. 4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.

引用元:公式ルール - 知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト
今回の開催にあたり、ルールを追加したり、ガイドラインを明示した項目もあります。詳細は「開催方式とルール」で後述します。

きっかけ

「オンライン・ビブリオバトル」というイベントにバトラー(紹介者)として参加したことがきっかけでした。


とても楽しく参加できたイベントで、バトラーも審査員も、参加している全員が本のことが好きであることが伝わってきました。
クラスメソッドの仲間とも、こんなふうに楽しく本について語り合いたい!という思いを社内Slackの分報に呟いたところ、
「楽しそう!」「開催するなら参加するよー」
と好意的な反応をもらえたので、思い切って開催してみることにしました。

開催方式とルール

今回はビデオチャットツールとSlackを利用し、オンラインでの開催としました。ただし、オンラインで開催するにあたり、開催方式やルールの解釈に関して、いくつか明示しておく必要があるように感じました。具体的には以下のような課題です。

ディスカッションの方式および時間

  • 口頭でディスカッションする形式にするのか、テキストチャットでの意見・質問もOKにするのか
  • テキストチャットも可にした場合、ディスカッション時間外に投稿された意見をどのように拾っていくか
  • オンラインでのコミュニケーション前提の場合、ディスカッションの時間は過不足ないか
    (オンライン会議だと対面よりもゆっくり話すことが多く、発言したい内容を文章に起こす必要もあるため時間がかかる?)

紹介する対象の「本」の定義や発表内容

  • 電子書籍や同人誌、個人出版の書籍の扱い
  • 作品を未読の人への配慮をどこまで求めるか(いわゆる「ネタバレ」対策の要不要)
  • プレゼンテーション資料作成の要否
  • ネタ被り対策として、バトラーが紹介予定の作品を把握・告知しておくべきか

すべての問題がきれいに解消しているとは言い難いのですが、今回はひとまず以下のルールで実践してみました。

  • イベントを盛り上げるため、開催中のすべての時間において、Slackでの意見・質問の投稿をOKとする
  • ディスカッションの時間は口頭での質問・意見の発言をOKとする
  • Slackに投稿された質問は、ディスカッション時間に進行役が代理で読み上げる
  • ディスカッション時間は1人最大5分とする
  • 紹介する本は物理本・電子書籍・同人誌・個人出版書籍どれでもOKとする
      ただし、開催回ごとに別途テーマが定められている場合はテーマに従う
  • イベント内での発言内容に、明確な制限は行わない
      ネタバレも、本の魅力を語るために必要な場合があるため制限しない
      ただし、公式ウェブサイトの「詳細ルール」にもあるように、全員が楽しく参加できるように発言内容に配慮すること
      謎解きがキモのミステリ作品のタネあかしや、作者や作品のディスリスペクトは「全員が楽しく参加できる」条件を満たさないのでNG
  • プレゼンテーション資料を作成するかどうかは、バトラーの判断に任せる
      ライブ感を楽しむため、資料を作成した場合でも投票結果が発表されるまでは資料の共有を行わない
  • バトラーが紹介する書籍は、当日自分の発表順が来るまで内緒にしておく
      進行役(私)も一緒にわくわくしたいため、ネタ被り対策としての事前のヒアリングはしない

発言内容へのちょっとした心がけ

発言内容に関しては、あまりルールで縛りすぎると自由な意見交換が難しくなるため「参加者の良識に任せる」とした部分が多いです。ただし、NGである発言の例はルール説明の際に提示しておき、参加者が自身で発言内容に配慮できるように心がけました。
例えば、

NG : 「この作家、他の作品は面白くなかったけれど、この作品だけは読んでいて楽しかった!」
NG : 「この小説は原作が最高です。映画やドラマはイメージ通りではなかったので嫌いです」

一見作品を褒めているように思えるのですが、「他の作品」や映像化作品に対してのリスペクトが薄いと感じる発言です。以下のように言い換えるだけでも、全体的にポジティブな印象に変わります。

OK : 「この作家が書いた小説の中で、私が一番面白い、楽しいと感じた作品です!」
OK : 「この小説は映画やドラマなど、様々な媒体で映像化されていますが、やっぱり私は原作小説を読んだときの衝撃が忘れられません」

イベントの冒頭で、参加者のみなさんには「『何が嫌いか』ではなく、『何が好きか』を語って、このイベントを楽しんでください」とお願いをしました。好きなものが「最高」であることを語るには、自分の好きである気持ちをアウトプットしていけばよいだけであって、他のものを蹴落とす必要はないと考えています。


今振り返ってみると、参加者のみなさんがルールの趣旨を理解してくれために、ポジティブに盛り上がれるイベントにできたと感じています。

結論:やってよかった

ビブリオバトルを開催すると決めた当初の目的は「本のことについて語り合える時間や仲間がほしい」という自分の楽しさのためでした。開催によって、もちろんこの目的は達成できたのですが、他にも嬉しい影響や効果が見られました。

部署やロールをこえて、社内で「本」という共通の話題をつくることができた

ロングセラーの書籍が紹介されると、幅広い年齢層の人が「これ知ってる!」「名作ですよね」と盛り上がってくれているのが見えました。また、イベントの終了後、「○○さんが紹介していた本、買ったよ!」と、バトラーに報告している人がいました。部門が異なる人同士だったのですが、そこから感想の語り合いに発展したようです。
最近ではリモートワークの機会が増えていた反面、オフィスでしていたような他愛のない雑談をきっかけを拾うことが、少し難しくなっていたように感じます。そんな中で、みんなでワイワイ話せる共通の話題を提供できたように感じて、大変嬉しく思いました。

相手の話を引き出すための質問の仕方を考えるようになった

これは進行役をしていて感じたことです。ディスカッションの時間に参加者からの質問がない場合は、例として進行役の私がバトラーに質問をしていきましたが、徐々に「どんな質問をすれば、バトラーはより魅力的に本を語ることができるか」を考えながら質問を選ぶようになりました。

例えば、バトラーが「この作家の著書で一番好きな作品は他にあるのですが、今回はデビュー作のこの本を紹介します」と話したとします。
この場合、「一番好きな作品を紹介しなかったのはなぜですか?」と他を選ばなかった理由を質問してしまうと、「一番売れ行きが良かったから」など、さっぱりした回答であることが多いです。しかし、より書籍を魅力的に見せるには、バトラーにその本にかける情熱や思い出を深く語ってもらう必要があります。そのためには、質問への回答エピソードの主役が、紹介している本になるように誘導することで、バトラーが話しやすくなるのではないかと考えました。

これに則ると「一番好きな作品ではなく、あえてデビュー作のこの作品を選んだ理由はなんですか?具体的な理由や想いを教えてください」という質問に変わります。体感ではありますが、後者の質問のほうがよりバトラーの反応が良く、たくさん話してくれるように感じました。

相手が気持ちを話しやすい方向に質問の仕方を変えることは、採用面接の場や会議時のアイスブレイク雑談でも、有効な考え方だと思います。

みんなでワイワイ本の話ができて楽しい

前2つの項目では真面目な話をしてみましたが、ビブリオバトルの魅力は「本について語れて、聴けて楽しい」に尽きます。本に対する思いが溢れて、バトラーがプレゼンテーションの持ち時間をオーバーしてしまいそうになる様子や、参加者がそれを見て「うんうん」と楽しそうにうなずいている様子を見て、心から開催してよかったと思いました。

最後に

というわけで、「ビブリオバトルをやってみた」レポート記事でした。

本記事で紹介している調整ルールはあくまで一例です。公式ルールをベースに、適宜開催場所や参加者の属性に合わせて、自分たちなりのビブリオバトルをつくっていくのも楽しいかと思います。
みなさまの楽しい読書ライフの一助になれば幸いです。

参考

知的書評合戦ビブリオバトル公式サイト

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