新たなMacをGetした際のおすすめ設定
はじめに
皆様こんにちは、
クラウド事業本部コンサルティング部のあかいけです。
突然ですが、弊社では業務用PCとしてMac or Windows が支給されます。
私は前職でMacを使っていたので、なんとなくMacを選びましたが、
過去設定した際の手順を残しておらず、今回も検索しながら丸々設定する羽目になりました...。(自業自得)
というわけで今後新しいMacをGetした方の手間を軽減するために、
個人的におすすめの設定をまとめておきます。
※筆者の環境は以下の通りです
- 機種 - MacBook Pro
- OS -macOS Sequoia 15.3
基本設定
画面の表示やキーボード、マウスの挙動などMacを使うにあたり、
ちょっとだけ便利になる設定達です。
なおmacOSのバージョンによって設定画面が若干変わることがあるので、
今回はできる限りコマンドで設定してみます。
ソフトウェア アップデート
まずアップデートがあるか確認して、
softwareupdate -l
以下でまとめてアップデートできます。
softwareupdate -ia
なおmacOS自体のメジャーバージョンアップ(Sonoma 14.7.3 → Sequoia 15.3など)も以下のコマンドでできます。
ただし、Mac上のアプリの対応状況により、最新版へのアップデートが予期せぬ動作につながる場合があります。
そのためアップデート前に各アプリの対応状況をご確認いただくと安心です。
sudo softwareupdate -i -a -R
これは20分ぐらいかかるので気長に待ちましょう。
起動時の「ドゥーン♪」無効化
静かなオフィスに響き渡ると地味に恥ずかしいので、無効化しておきましょう。
sudo nvram StartupMute=%01
指紋認証
MacではTouch IDという機能があり、指紋認証でのログインを設定できます。
これを使うとログインの度にパスワードを入力する苦痛から解放されます。
Dock
各コマンドの説明はコメントアウトに書いているので、設定したいものを実行してください。
defaults write com.apple.dock tilesize -int 64 # Dockのアイコンサイズを1〜128の範囲で指定
defaults write com.apple.dock mineffect -string scale # ウィンドウをしまう時のアニメーションをシンプルに
defaults write com.apple.dock launchanim -bool false # 起動中のアプリのアニメーション無効化
defaults write com.apple.dock autohide -bool true # Dockの自動表示/非表示機能を有効化
defaults write com.apple.dock autohide-delay -int 0 # Dock表示速度 最速化
defaults write com.apple.dock autohide-time-modifier -int 0 # Dock表示アニメーション速度 最速化
コマンド実行後にDockを再起動して設定を反映します。
killall Dock
設定を戻したくなった場合は、
defaults delete アプリ名 設定項目名
の形式のコマンドで戻せます。
※以降のコマンドでも同様です
以下は例としてDockのアイコンサイズをデフォルトに戻しています。
defaults delete com.apple.dock tilesize
何も指定しない場合は、Dockの全ての設定値をデフォルトに戻します。
defaults delete com.apple.dock
Finder
各コマンドの説明はコメントアウトに書いているので、設定したいものを実行してください。
また反映はログアウト or 再起動する必要があります。
defaults write NSGlobalDomain AppleShowAllExtensions -bool true # 拡張子まで表示する設定
defaults write com.apple.Finder AppleShowAllFiles -bool true # 隠しファイルを表示する設定
defaults write com.apple.finder ShowPathbar -bool true # Finderウィンドウ下部のパスバーを表示する設定
defaults write com.apple.LaunchServices LSQuarantine -bool false # 未確認ファイルを開く際の警告を無効化する設定
defaults write com.apple.finder WarnOnEmptyTrash -bool false # ゴミ箱を空にする際の確認警告を無効化する設定
マウス
各コマンドの説明はコメントアウトに書いているので、設定したいものを実行してください。
また反映はログアウト or 再起動する必要があります。
defaults write com.apple.mouse.doubleClickThreshold -float 0.5 # ダブルクリックの反応速度(間隔)を設定する
defaults write com.apple.mouse.scaling -int 8 # マウスカーソルの移動速度(加速度)を設定する
defaults write com.apple.scrollwheel.scaling -int 4 # マウスホイールによるスクロール速度を設定する
defaults write com.apple.springing.delay -float 0 # スプリングローディングの起動遅延を無効化して高速化する
キーボード
各コマンドの説明はコメントアウトに書いているので、設定したいものを実行してください。
また反映はログアウト or 再起動する必要があります。
defaults write NSGlobalDomain KeyRepeat -int 3 # キーリピートの速度(押し続けたときの反復間隔)を高速に設定する
defaults write NSGlobalDomain InitialKeyRepeat -int 20 # キーリピート開始までの待機時間を短く設定する
defaults write NSAutomaticSpellingCorrectionEnabled -bool false # 入力時の自動スペル修正を無効化する
defaults write WebAutomaticSpellingCorrectionEnabled -bool false # Web入力エリアでの自動スペル修正を無効化する
defaults write NSAutomaticCapitalizationEnabled -bool false # 自動大文字変換(文頭などの大文字化)を無効化する
defaults write NSAutomaticPeriodSubstitutionEnabled -bool false # ダブルスペースでピリオド変換する機能を無効化する
defaults write NSAutomaticDashSubstitutionEnabled -bool false # 入力時のダッシュへの自動変換を無効化する
defaults write NSAutomaticQuoteSubstitutionEnabled -bool false # 入力時のクォート(引用符)の自動変換を無効化する
Screenshots
各コマンドの説明はコメントアウトに書いているので、設定したいものを実行してください。
defaults write com.apple.screencapture show-thumbnail -bool false # スクリーンショット撮影時のサムネイル表示を無効化する設定
defaults write com.apple.screencapture disable-shadow -bool true # ウィンドウキャプチャ時の影(ドロップシャドウ)を無効化する設定
開発環境 整備
以降はエンジニア向けの設定なので、必要に応じて実施してください。
パッケージ管理
兎にも角にもこれがないと始まりません。
Macでは一般的にHomebrewが使われているので、こだわりがなければこれを使いましょう。
公式手順の通り、以下のコマンドでインストールできます。
% /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
またbundleコマンドを利用すれば、
他端末でbrewでインストールしているソフトを新規端末で一括インストールができます。
元々Macユーザーの方はご利用ください。
まず元のMacで以下コマンドを実行して、.Brewfile
というファイルを出力します。
% brew bundle dump --global
tap "homebrew/bundle"
brew "git"
brew "gh"
brew "tmux"
brew "peco"
brew "jq"
brew "make"
brew "zsh-completions"
brew "mise"
cask "gimp"
cask "visual-studio-code"
あとは出力した.Brewfile
を新しい端末のホームディレクトリへ移して、
以下のコマンドでインストールできます。
% brew bundle --global
シェル設定
Macではzshが標準のシェルが標準なので、こだわりがなければこれを使いましょう。
以下はzshの個人的におすすめの設定です。
## lang
export LANG=ja_JP.UTF-8
## zsh-completions
if [ -e /usr/local/share/zsh-completions ]; then
fpath=(/usr/local/share/zsh-completions $fpath)
fi
autoload -Uz compinit
compinit -u
## history
HISTFILE=~/.zsh_history
HISTSIZE=1000000
SAVEHIST=1000000
# ctrl-pでそのコマンドから始まる履歴検索
autoload history-search-end
zle -N history-beginning-search-backward-end history-search-end
zle -N history-beginning-search-forward-end history-search-end
bindkey "^p" history-beginning-search-backward-end
bindkey "^n" history-beginning-search-forward-end
# 色を使用出来るようにする
autoload -Uz colors
colors
# プロンプト
PROMPT="%{${fg[green]}%}[%n@%m]%{${reset_color}%} %~ %# "
# オプション
setopt share_history # 履歴を他のシェルとリアルタイム共有する
setopt hist_ignore_all_dups # 同じコマンドをhistoryに残さない
setopt hist_ignore_space # historyに保存するときに余分なスペースを削除する
setopt hist_reduce_blanks # historyに保存するときに余分なスペースを削除する
setopt hist_save_no_dups # 重複するコマンドが保存されるとき、古い方を削除する
setopt inc_append_history # 実行時に履歴をファイルにに追加していく
# 日本語ファイル名を表示可能にする
setopt print_eight_bit
# beep を無効にする
setopt no_beep
# フローコントロールを無効にする
setopt no_flow_control
# Ctrl+Dでzshを終了しない
setopt ignore_eof
# '#' 以降をコメントとして扱う
setopt interactive_comments
# ディレクトリ名だけでcdする
setopt auto_cd
# cd したら自動的にpushdする
setopt auto_pushd
# 重複したディレクトリを追加しない
setopt pushd_ignore_dups
# 高機能なワイルドカード展開を使用する
setopt extended_glob
# エイリアス
alias la='ls -a'
alias ll='ls -l'
alias rm='rm -i'
alias cp='cp -i'
alias mv='mv -i'
alias mkdir='mkdir -p'
alias sudo='sudo '
alias L='| less'
alias G='| grep'
alias CP='| pbcopy'
alias ..='cd ../'
alias ...='cd ../../'
エディター/IDE
各自お気に入りのものを使ってください。
特にこだわりがなければVSCodeがおすすめです。
ダウンロードは公式サイトからしてもいいですが、せっかくなのでbrewを利用しましょう。
% brew install --cask visual-studio-code
また拡張機能の一括インストールもできるので、
他端末のVSCodeの拡張機能を以下の手順でまとめてインストールできます。
% code --list-extensions > extensions.txt
hashicorp.terraform
ms-ceintl.vscode-language-pack-ja
あとは出力したファイルを移して、以下コマンドを実行します。
% cat extensions.txt | xargs -L 1 code --install-extension
またGithubやMicroSoftアカウントを連携して問題ない場合は、
settings-syncが便利なので使ってみてください。
バージョン管理
各自お気に入りのものを使ってください、
特にこだわりがなければmiseがおすすめです。
miseはasdfというツールの後継として開発されており、
各種ツールやプログラミング言語のバージョンを一括管理できるためとても便利です。
これによりバージョン管理ツール地獄から解放されます。 (nvm, pyenv, rbenv, goenv, tenv ... etc)
なおasdfとmiseのコマンドの比較は以下記事にまとめているので、
これを機にmiseに切り替える方は、よければご参照ください。
ダウンロードは公式サイトからでもいいですが、
せっかくなのでbrewを利用しましょう。
% brew install mise
あとは以下コマンドでプラグインをインストールできます。
mise use プラグイン名@バージョン
mise use terraform@latest
対応しているツールは以下の通りなので、お好みのものをインストールしてください。
また設定ファイル(mise.toml)を利用すれば一括でインストールできます。
既にmiseを利用している方は設定ファイルをコピー、
新規でmiseを使う場合は、以下パスにファイルを作成してください。
[tools]
aws-cli = '2.23.13'
gcloud = '509.0.0'
terraform = '1.10.5'
kubectl = '1.32.1'
kubectx = '0.9.5'
go = '1.23.6'
rust = '1.84.1'
deno = '2.1.9'
あとは以下コマンドでまとめてインストールできます。
% mise i
さいごに
以上、新たなMacをGetした際のおすすめ設定でした。
本記事を見た方のセットアップが少しでも早く終わり、仕事を始められる状態になれば幸いです。