
お客様とつくる「共創」関係──関係性を深めるために実践すること
リテールアプリ共創部マッハチームの後藤です。
「共創」をテーマとしたブログのバトンを受け取りまして、お客様との関係性構築に役立つ取り組みを一部紹介したいと思います。
過去のマッハチーム共創テーマブログはこちら。「共創」の理念のお話なども載っているのでぜひ読んでみてください。
はじめに
私たちの目指す共創とは何かについて(日吉のブログより抜粋)
共創の定義はいろいろありますが、私たちが目指す共創の一つ、それは 受発注の関係を超えて、一緒にエンドユーザーの課題解決に向かうこと です。 契約形態こそ受託開発ですが、ワンチームとしてお客様の向こう側にいるエンドユーザーの困りごとを解決し、喜んでもらう。それがお客様のビジネスを成功させることにもつながる。そのゴールに向かって、お客様と同じ方向を見て進む状態こそが、私たちの定義する「共創」です。
ワンチームで同じ方向を目指して進む、そして長期的に価値を生み出していくためには、お客様との関係構築が非常に重要です。
技術力や実績から得られる信頼はもちろんですが、丁寧なサポートや積極的なコミュニケーションを重ねることで、
「このメンバーと一緒に仕事をしたい」「任せて正解だった」
と互いに思える関係へと成長していくと思います。
個人的にアプリ開発の現場では、技術やプロセス以上に“関係性”がプロジェクトの成否を左右するケースも少なくないと考えています。
問題の発見が遅れてトラブルが肥大化するといったよくある失敗事例、ちょっとしたアイディア交換ができず声の大きな人の意見に偏ってしまう改善機会の損失など、なんでも言い合える関係性が出来ていれば容易に避けられる問題は本当に多くあると思います。
本記事では共創関係を構築していくためのステップとして重要な、お客様との関係構築に役立つ取り組みを大きく分けて2つご紹介させていただきます。
1. お客様と一緒に行う“振り返り”の取り組み**
プロジェクトの節目でお客様と一緒に振り返りを行うことは、プロジェクト改善だけでなく関係性を深めるうえで非常に有効です。手法はよくあるものなので、少し工夫しているポイントを紹介します。
KPT / Fun-Done-Learn を活用した振り返り
普段スクラムをやっている方には馴染みのある手法かと思いますが、お客様にとっては初めてのことも多いです。手法選びはお客様の経験値やプロジェクトの状況にあわせて変えています。
手法についての説明は参考リンクをご参照ください。
工夫しているポイント
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① 「提案〜リリースまでのタイムライン」を事前に用意する
いきなり「KPTを書いてください」と言われても、意外と思い出せないものです。
そこで、プロジェクトの主要イベントが並んだタイムラインを見ながら、「ああ、こんなことあったね」と思い出してもらう時間を設けると、振り返りの質がぐっと上がります。
タイムラインの例)

これくらいの粒度でも十分ですし、トラブルがあったポイントなども追加しても良いと思います。
- ② 振り返りに慣れていない場合は Fun/Done/Learn から初めてみる
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KPTはどうしても“課題の深掘り”に意識が寄りがち。
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一方 Fun/Done/Learn は「何が楽しかった?」 「できたことは?」と、前向きに話しやすい構造のため、
- 振り返りの経験が少ないお客様
- 改善ネクストアクションを深掘りする必要があまりないタイミング(PJ終結MTGなど)
では特に有効だと思います。
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- Fun/Done/Learnの例)文字は見えないようにしていますが実際に実施した例です。Learnが多くて前向きな価値実感があるメンバーが多かったんだというのが見えますね。

感謝・賞賛を伝えるミニワークショップ
プロジェクトで過去に実施してよかったなと思っているのが、「感謝を伝え合うカードワーク」です。
- 「◯◯さん、□□対応をスピーディーにしてくれて助かりました」
- 「△△さんの意見があったから仕様がより良くなりました」
などのメッセージを書き出し、しっかりとその場で言葉にして伝え合います。
Miroなどのボードのツールを利用したり、グループチャットに書くなど形はなんでも良いです。
文字で残るので、お客様側も開発メンバー側も、改めて「このプロジェクトを一緒につくったチームなんだ」という実感と各々の自己効力感の醸成に繋がります。
ちなみにマッハチームでは毎週の内部定例でこのコーナーを設けていて、とても良い取り組みと感じたのでお客様との振り返りにも取り入れてみました。
お客様との振り返りはいつやっても価値がある
スクラム開発だと振り返りはスプリント毎に行なっていたり、そこにお客様が参加されていれば理想的ではあります。
とはいえ時間取るのが現実的に難しい場面もあるので、プロジェクトのフェーズが一段落したタイミングや終結時などにはお客様も交えた振り返りを必須で実施するのが良いと思います。振り返りは関係性づくりに必要な対話の大きなチャンスだからです。
2. 関係性を深める“遊びを”取り入れる
「お客様とゲームをするなんてハードル高くない?」と思われるかもしれません。
……先に白状すると、マッハチームのプロジェクトではまだ実施できていないです(笑)
過去のプロジェクトで実施したことがありいつか提案したいと思っています。。
ちなみにやってみると想像以上に関係性が深まるので、とても価値の高い取り組みだと感じています。
なぜ遊びが効果的なのか?
- 仲良くなることで心理的安全性が高まる
- オンライン中心の時代、お客様は“誰がアプリを作っているのか”見えにくい
- エンジニアの人柄が伝わるとお客様の安心感が高まり、会議での発言も増え、双方にメリットがある
「プロジェクトは人がつくる」と改めて実感できる瞬間です。
個性が伝わる“全員が参加できるゲーム”がおすすめ
過去に実施してよかったゲームを2つ紹介します。
どちらもアカウントのサインアップなど不要でオンライン通話を繋ぎながらワイワイやるのに適しております。
1. Gartic Phone
- お絵描き+伝言ゲームです
- 単純なのにとにかく盛り上がる
- 予想外の“語り継がれる絵”が生まれる
- GIFで結果を保存できで感想戦もできるし、スクショするなどしてSlackやBacklogのアイコンに使ったりしても楽しい
2. fishbowl-game
- 答えとなるワードを各々決められた枚数記載し、出題者だけがワードを見てそのワードを回答者に答えてもらう。(ジェスチャーゲームのワード版のようなイメージです)
- メンバー全員に「出題者のターン」が回ってくるので普段発言の場にあまり出ないメンバーも発言できる
- 説明の仕方でその人の個性や思考の特徴が見える
- 「この伝え方、仕事でも使えそう!」という学びが得られる時もある
- シンプルだけど終わった後の感想戦も盛り上がる
ゲームを通して “一緒に笑う時間をつくる” ことが関係構築には非常に効果的です。
最後に
今回は、共創関係をより強固にするために、私が過去に取り組んだことがある「関係性を深める工夫」を紹介しました。
- 振り返りで一緒にプロセスを見直す
- 感謝を伝え合うワークで相互理解を深める
- ゲーム会で心理的安全性を高める
開発プロジェクトは“単発で終わるもの”ではなく、
「10年続く共創関係」をつくる旅のひとつのステップだと考えています。
今回の記事がどなたかのプロジェクトやチームビルディングのヒントになれば嬉しいです。






