Savings Plans 買ってみた
こんにちは、まるとです。
今回は自分で運営しているサービスの一部を AWS に切り替えるため、Savings Plans を買いたいと思います。
Savings Plan とは
一言で説明すれば「1or3年間、1時間にxxxドル使う!」と宣言すると割引を受けられるものです。
オンデマンド価格と比較し、大幅に安く提供されるため、継続的に一定量のリソースを使用する予定がある場合は、とても良いコスト最適化手段です。
同じように割引を受けられるものとして、 Amazon EC2 の リザーブドインスタンスがありますが、インスタンスタイプを細かく決め打ちをしなくても良い、柔軟性が高い割引プランです。
Savings Plans と リザーブドインスタンスの違いについては、千葉さんの記事がわかりやすいため、よろしければこちらもご確認ください。
色々なタイプ
リザーブドインスタンスでは「Amazon EC2 の t4g.micro を1年間利用する...」のように特定のリソースを年間購入する方法でしたが、Savings Plans はサービス特化型以外のプランがあります。
プランは本記事執筆時点で、以下の3種類があります。
Compute Savings Plans
Amazon EC2 や AWS Lambda、AWS Fargate などコンピュート系サービスを横断して割引を受けられるプランです。
リージョンやインスタンスファミリーなど関係なく適用できます。
例えば、以下のユースケースで有効です。
- Amazon EC2 で t4g を使用していたけど、後から m5 にしたい
- Amazon EC2 上でアプリケーションを動かしていたけど、途中からAWS Lambda でサーバーレス化したくなった
- AWS Fargate や AWS Lambda などコンテナやサーバーレスを活用している/しようとしている
- 東京リージョンで運用していたけど、大阪リージョンにリソースを移動する必要が出た
など、途中から使用するサービスやインスタンスファミリー、リージョンなど要件が変わった場合でも、最適な料金を受けたい時に有効です。
EC2 Instance Savings Plans
Amazon EC2 インスタンスを対象とした Savings Plans です。
リージョンやインスタンスファミリーを決めて割引を受けることができます。
以下のユースケースで有効です。
- アプリケーション要件が固定されており、構成変更が”ほぼ"ない場合
- インスタンスファミリーは変更しないけど、インスタンスサイズは変更しながら割引を受けたい場合
Compute Savings Plans と比較して、割引率が高いプランです。
ただし、リージョンやインスタンスファミリーは固定となるため、注意が必要です。
また、インスタンスタイプにもよりますが、インスタンスファミリー・サイズ両方変更予定がない場合、リザーブドインスタンスの方が若干安くなることがあります。
SageMaker Savings Plans
Amazon SageMaker に特化したプランです。
Compute Savings Plans と同様に、リージョンやインスタンスファミリー、インスタンスサイズの変更が可能な、ML 特化型プランです。
買ってみる
それでは、実際に買ってみようと思います。
今回裏で動かしているサービスは都合上、EC2 相当が必要となるため、EC2 Instance Savings Plans を購入します。
1. 試算する
まず、Savings Plans 購入の前に試算を行う必要があります。
最初にも記述した通り、Savings Plans は「1or3年間、1時間にxxxドル使う!」と宣言する必要があります。
要件などを確認しながら、どのタイプを購入するのかを検討し、1時間あたりのコミットメント(金額)を決定します。
Compute Savings Plans / EC2 Instance Savings Plans
Machine Learning Savings Plans
また、すでに AWS でシステムを運用している場合、自動で推奨事項が表示されます。
請求とコスト管理 (Billing and Cost Management) > Savings Plans > 推奨事項 から確認できます。
※ 推奨事項の生成にはオンデマンド料金による、平均支出額の制限などにより表示されない場合があります。
今回、自身のシステム要件は以下の通りです。
- SNS サービス
- VPS 3社 + AWS + 他クラウド 2社 + 自宅オンプレで構成
- AWS 内のリソースはジョブサーバー 1台
- 通常時、処理はあまりなく、1日の内5〜10分ほど CPU 使用率がスパイクする
- t4g.small で十分稼働している
- ただし、年末年始は投稿が増えるため、一時的にインスタンスサイズを上位のものに変更する
- Amazon EC2 を常に利用し、インスタンスファミリーやリージョンの変更はない
- EC2 は24/365で使用するため、割引を最大限受けられるようにしつつ、新しいインスタンスファミリーが出た場合は1年毎に検討したい
上記の要件より、上位のインスタンスサイズに変更する場合はあるものの、数時間単位のため今回は考慮せず、t4g.small 1台分を購入していきます。
以下のページから料金を確認します。
ページより、下記の要件を満たす Savings Plans の料金は USD 0.0127 と確認できました。
- EC2 Instance Savings Plans
- 東京リージョン
- 1年全額前払い
- t4g.small
それでは実際に AWS マネジメントコンソール上で購入していきましょう。
2. 条件の入力
Savings Plans の購入には、請求とコスト管理 (Billing and Cost Management) > Savings Plans > Savings Plans の購入から行います。
購入したい Savings Plans のタイプ、条件を入力すると見積もりが表示されます。
問題ない場合はカートに追加します。
3. 内容の確認
カートに追加した内容に問題ない場合は、「注文書の送信」をクリックします。
前払い有りの場合、注文書を送信すると、登録されている請求先にすぐに課金が行われます。
これで購入完了です。
購入時の注意事項
- 特定の条件を満たす場合に限り、返品が可能です
- 前払い時に AWS プロモーションクレジット等は利用できず、登録されている請求先に請求されます
- AWS サポートプランを利用しており、AWS 利用料に応じて変動する料金体系の場合は、Savings Plans 購入月のサポート料金が高くなります
終わりに
今回は Savings Plans を購入してみました。
リザーブドインスタンスだと構成の変更があるかもしれないし...で購入が難しいケースでも、Savings Plans により柔軟性を持たせながらコストを最適化できます。
長期的に利用する予定がある方はぜひ購入をご検討ください。
参考情報