Savings Plans 買ってみた

Savings Plans 買ってみた

Clock Icon2025.05.29

こんにちは、まるとです。
今回は自分で運営しているサービスの一部を AWS に切り替えるため、Savings Plans を買いたいと思います。

Savings Plan とは

一言で説明すれば「1or3年間、1時間にxxxドル使う!」と宣言すると割引を受けられるものです。
オンデマンド価格と比較し、大幅に安く提供されるため、継続的に一定量のリソースを使用する予定がある場合は、とても良いコスト最適化手段です。

同じように割引を受けられるものとして、 Amazon EC2 の リザーブドインスタンスがありますが、インスタンスタイプを細かく決め打ちをしなくても良い、柔軟性が高い割引プランです。

Savings Plans と リザーブドインスタンスの違いについては、千葉さんの記事がわかりやすいため、よろしければこちらもご確認ください。
https://dev.classmethod.jp/articles/ec2-reserved-instances-savings-plans-comparison/

色々なタイプ

リザーブドインスタンスでは「Amazon EC2 の t4g.micro を1年間利用する...」のように特定のリソースを年間購入する方法でしたが、Savings Plans はサービス特化型以外のプランがあります。
プランは本記事執筆時点で、以下の3種類があります。

Compute Savings Plans

Amazon EC2 や AWS Lambda、AWS Fargate などコンピュート系サービスを横断して割引を受けられるプランです。
リージョンやインスタンスファミリーなど関係なく適用できます。

例えば、以下のユースケースで有効です。

  • Amazon EC2 で t4g を使用していたけど、後から m5 にしたい
  • Amazon EC2 上でアプリケーションを動かしていたけど、途中からAWS Lambda でサーバーレス化したくなった
  • AWS Fargate や AWS Lambda などコンテナやサーバーレスを活用している/しようとしている
  • 東京リージョンで運用していたけど、大阪リージョンにリソースを移動する必要が出た

など、途中から使用するサービスやインスタンスファミリー、リージョンなど要件が変わった場合でも、最適な料金を受けたい時に有効です。

EC2 Instance Savings Plans

Amazon EC2 インスタンスを対象とした Savings Plans です。
リージョンやインスタンスファミリーを決めて割引を受けることができます。

以下のユースケースで有効です。

  • アプリケーション要件が固定されており、構成変更が”ほぼ"ない場合
  • インスタンスファミリーは変更しないけど、インスタンスサイズは変更しながら割引を受けたい場合

Compute Savings Plans と比較して、割引率が高いプランです。
ただし、リージョンやインスタンスファミリーは固定となるため、注意が必要です。
また、インスタンスタイプにもよりますが、インスタンスファミリー・サイズ両方変更予定がない場合、リザーブドインスタンスの方が若干安くなることがあります。

SageMaker Savings Plans

Amazon SageMaker に特化したプランです。
Compute Savings Plans と同様に、リージョンやインスタンスファミリー、インスタンスサイズの変更が可能な、ML 特化型プランです。

買ってみる

それでは、実際に買ってみようと思います。
今回裏で動かしているサービスは都合上、EC2 相当が必要となるため、EC2 Instance Savings Plans を購入します。

1. 試算する

まず、Savings Plans 購入の前に試算を行う必要があります。
最初にも記述した通り、Savings Plans は「1or3年間、1時間にxxxドル使う!」と宣言する必要があります。

要件などを確認しながら、どのタイプを購入するのかを検討し、1時間あたりのコミットメント(金額)を決定します。

Compute Savings Plans / EC2 Instance Savings Plans
https://aws.amazon.com/jp/savingsplans/compute-pricing/

Machine Learning Savings Plans
https://aws.amazon.com/jp/savingsplans/ml-pricing/

また、すでに AWS でシステムを運用している場合、自動で推奨事項が表示されます。
請求とコスト管理 (Billing and Cost Management) > Savings Plans > 推奨事項 から確認できます。
※ 推奨事項の生成にはオンデマンド料金による、平均支出額の制限などにより表示されない場合があります。

1

今回、自身のシステム要件は以下の通りです。

  • SNS サービス
    • VPS 3社 + AWS + 他クラウド 2社 + 自宅オンプレで構成
    • AWS 内のリソースはジョブサーバー 1台
  • 通常時、処理はあまりなく、1日の内5〜10分ほど CPU 使用率がスパイクする
    • t4g.small で十分稼働している
    • ただし、年末年始は投稿が増えるため、一時的にインスタンスサイズを上位のものに変更する
  • Amazon EC2 を常に利用し、インスタンスファミリーやリージョンの変更はない
  • EC2 は24/365で使用するため、割引を最大限受けられるようにしつつ、新しいインスタンスファミリーが出た場合は1年毎に検討したい

上記の要件より、上位のインスタンスサイズに変更する場合はあるものの、数時間単位のため今回は考慮せず、t4g.small 1台分を購入していきます。

以下のページから料金を確認します。
https://aws.amazon.com/jp/savingsplans/compute-pricing/

ページより、下記の要件を満たす Savings Plans の料金は USD 0.0127 と確認できました。

  • EC2 Instance Savings Plans
  • 東京リージョン
  • 1年全額前払い
  • t4g.small

2

それでは実際に AWS マネジメントコンソール上で購入していきましょう。

2. 条件の入力

Savings Plans の購入には、請求とコスト管理 (Billing and Cost Management) > Savings Plans > Savings Plans の購入から行います。
購入したい Savings Plans のタイプ、条件を入力すると見積もりが表示されます。
問題ない場合はカートに追加します。

3

3. 内容の確認

カートに追加した内容に問題ない場合は、「注文書の送信」をクリックします。

4

前払い有りの場合、注文書を送信すると、登録されている請求先にすぐに課金が行われます。

5

これで購入完了です。

購入時の注意事項

終わりに

今回は Savings Plans を購入してみました。
リザーブドインスタンスだと構成の変更があるかもしれないし...で購入が難しいケースでも、Savings Plans により柔軟性を持たせながらコストを最適化できます。
長期的に利用する予定がある方はぜひ購入をご検討ください。

参考情報

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/savingsplans/latest/userguide/what-is-savings-plans.html
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/savingsplans/latest/userguide/plan-types.html
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/savingsplans/latest/userguide/sp-ris.html
https://repost.aws/ja/knowledge-center/savings-plans-considerations

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.