Microsoft SharePoint Server on AWSのMultiAZをやってみた
SharePoint on AWS
今回もQESさんの協力を得て記事化してます。前回は社内イントラネットにあるSharePointサイトをAWSに移行してみました。 今回は可用性を勘案し、アベイラビリティゾーンをまたいでコンポーネントを構成してみます。
作業手順
- 前回、社内イントラネットのSharePointサイトを移行しましたが、別のアベイラビリティゾーンに、SharePoint認証用にDomain Controllerを作成します。
- VPNによる仮想専用線を使って社内Domain Controllerと同期。
- VPCのVPN接続を使って社内Domain Controllerと同期をします。
- 前回作成したシングル構成のSharePointサイトと同様に、今回作成するアベイラビリティゾーンにWebFront、Application、SQLの各サーバーを1台づつEC2に設定します。
- SQL サーバーについては、前回作成したSQL サーバーと同期を取り、可用性を高めるためにAlwaysOn(複数SQL Serverをクラスタリングにより一つのインスタンスに見せる技術)の設定を行います。
- 前回作成したApplicationサーバーと同様の内容(ディレクトリィ構成やWebパーツ等)を、今回作成したApplicationサーバーに移行します。これによってApplicationサーバーの可用性も高めます。
- ELBを使って前回と今回のアベイラビリティゾーンに作成したWebFrontサーバーに対して負荷分散の設定を行います。
使用したソフトウェア
- Active Directory (Windows Server 2012) x 2台
- ShaarePoint Server 2013 St(Windows Server 2012) × 4台
- SQL Server 2012 st × 2台
以下のAMIを使っています。
- Active Directory (m1.medium)(AMIの「Microsoft Windows Server 2008 R2 Base」を使用)
- SharePoint (m1.large)(AMIの「Microsoft Windows Server 2008 R2 Base」を使用)
- SQL Server (m1.large)(AMIの「Microsoft Windows Server 2008 R2 with SQL Server Standard」を使用)
WebFrontで使っている技術は以下です。
- C#
- ASP.NET(.NET Framework 3.5)
- JavaScript
構成図
構成図を以下に示します。
まとめ
メリットは以下の通りです。
- 新たな物理的データセンターを利用せず、クラウドでSharePointサイトの可用性を高める結果を得られるとともに、物理的なデータセンターを使用するより安価な構成になります。
- SQLサーバーのAlwaysOn機能により、データベースの可用性、データ保護が強固なものになります。
- WebFront、Applicationの各サーバーも2重化することで、可用性が高まります。
注意点もあります。AlwaysOn機能によりSQLサーバーはアベイラビリティゾーン間でパケット通信を行います。この際、AWSに対して通信費用が発生しますので、常時同期ではなく、定期的に同期させるなど、運用設計が必要です。AZ間の通信費用はそんなに高くないですけどね。