モダンデータスタック カテゴリ紹介 #9 『No code automation(ノーコード自動化)』 – Modern Data Stack Categories Overview Advent Calendar 2023

2023.12.09

当エントリは『Modern Data Stack Categories Overview Advent Calendar 2023』 9日目のエントリです。

データ分析、データを扱う世界では昨今『モダンデータスタック(Modern Data Stack/MDS)』という考え方、サービス構成が大きな注目を浴びています。データの収集、処理、保存、分析に使用されるツールとクラウドデータサービスを集めたソリューションを指す言葉です。クラスメソッドとしてもこのモダンデータスタック(Modern Data Stack/MDS)を推しており、下記の内容でお客様にサービスとして提供しています。

このモダンデータスタックという考え方、現在では構成するサービス群のジャンルが非常に多岐に渡ってきています。このカテゴリ分けも正直企業や個人によって定義が分かれていたりするのですが、『Modern Data Stack - Everything that you need to know !』というサイトではこのカテゴリ分類がシンプルかつ分かりやすく展開されています。このアドベントカレンダー企画では、このサイトで展開されているカテゴリ毎について内容を理解することで見識を広め、今後のサービス展開・サービス選択を検討する足掛かりとして行きたいと思います。

当エントリでは、Modern Data Stack(MDS)におけるカテゴリ『No code automation(ノーコード自動化)』の内容について紹介します。

目次

 

モダンデータスタック(Modern Data Stack/MDS)における『ノーコード自動化』とは

アドベントカレンダー企画の趣旨については1日目のエントリ内『当アドベントカレンダー企画について』をご参照ください。

ノーコード自動化とは、主に技術者ではないユーザーが、スケジュールされた、あるいはトリガーされたベースで、アプリケーション間でデータを共有する斬新な方法を作り出すプロセスの総称です。

  • ここでの「技術者ではないユーザー」とは、SQLやPython、その他スクリプト言語に不慣れなユーザーの事を指します。
  • 自動化される部分は一般的に低レベルのデータ入力、転送、操作タスクを実行するために費やされる手作業時間の量が相当します。

ノーコード自動化の内容や特徴については以下の通り。

  • ノーコード自動化の「2つのアプローチ」
    • イベントドリブン:特定のイベントからのデータが、任意のアクションを作成実行する別のアプリケーションへの情報転送をトリガーする。
    • データの自動化:データクレンジングや変換などを、任意のアプリケーションに送信する前に行う部分の自動化。
  • 企業がノーコード自動化を行う理由
    • アドホックなスクリプト作成要求に対応できるエンジニアの数に限界がある(ために自動化を行う)
    • 非技術者に確実に情報を伝えるには文書化では負担が大きい(ので自動化を選択する)
  • エンジニアリングチームにとっての「ノーコード自動化」のメリット
    • シンプルなタスクに対するアドホックなリクエストを削減出来る
    • インフラストラクチャの複雑さを軽減出来る
  • 非技術者ユーザーにとっての「ノーコード自動化」のメリット
    • ノーコード自動化されたビルドプロセスを通じてシステムに対する深い理解が得られる
    • ビジネス変革の速度を早めることが出来る
    • レポーティング以外のプロセスとしてデータを組み込むことが出来る
  • ビジネスチームにとっての一般的なノーコード自動化のユースケース(例)
    • イベントアラート
    • カスタムデータ分析の構築
    • オンデマンドデーデータを充実させる

MDSにおける主なノーコード自動化系サービス

ここではモダンデータスタックにおける『ノーコード自動化』のカテゴリで主だったサービスについて幾つか言及していきたいと思います。(ここでの評価はユーザーによるサイト内でのLIKEの数が多いものを中心に見ていきます。

 

Make(旧:Integromat)

Integromatは、手作業を自動化するためのツールです。アプリ、サービス、デバイスを機能的なシナリオに接続し、繰り返し作業をなくすことができます。

Integromatには、すぐに使える定義済みのシナリオが多数用意されており、様々なサードパーティアプリケーションとの統合が可能となっています。

...という触れ込みでサービスサイトを見てみたところ、発展的解消(?)の形でIntegromatは解散している模様。

現在では「Make」というサービスで展開が為されているようです。(サービス名のググラビリティ...

Makeは、タスクやワークフローからアプリやシステムに至るまで、コーディングスキルを必要とせずにあらゆるものを設計、構築、自動化できる最先端のビジュアルプラットフォームです。Makeを利用することで、あらゆる業種の個人、チーム、企業が強力なカスタムソリューションを作成し、これまで以上に迅速にビジネスを拡大することができます。

その他Makeに関する基本的(初歩的)な情報は以下の通り。

 

n8n

n8nは拡張可能な無料のオープンワークフロー自動化ツールです。フェアコードモデル(Fair Code Model)を介してあらゆるものをあらゆるものに接続することができます。提供されるツールはセルフホスト、拡張が可能で、サードパーティのウェブアプリケーションや、繰り返しのタスクを自動化するカスタムインハウスツールと一緒に使用することができます。

フェアコードモデルについては下記をご参照ください。

その他n8nに関する基本的(初歩的)な情報は以下の通り。

 

Tray.io

Tray.ioは、毎日使うツールをつなぐクラウドベースのAPI統合ソリューションです。以下のような特徴を兼ね備えています。

  • APIを通じてデータとアプリケーションを接続するクラウド統合ソリューションを企業に提供
  • 必要なアプリケーション間でワークフローを作成するためのウェブベースのドラッグ&ドロップインターフェースをユーザーに提供
  • ツールや社内データ間のカスタム統合も可能

その他Tray.ioに関する基本的(初歩的)な情報は以下の通り。

 

まとめ

という訳で『Modern Data Stack Categories Overview Advent Calendar 2023』9日目の記事、ノーコード自動化に関する紹介エントリでした。

プログラミング要素が必要な領域に関しては無理に「ローコード」「ノーコード」を推し進めてしまうとそれはそれでアレではありますが、そうでない分野に関しては関わるメンバーによっては十分に(ノーコード化の)高い効果が見込めてくると思うので積極的に取り入れてみたいところではありますね。

明日10日目は『Augmented Analytics(拡張分析)』に関する内容となります。お楽しみに!