新しいEC2インスタンスファミリーR5, R5d, Z1dが利用可能になりました。

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大栗です。

先日のAWS Summit 2018 New Yorkでアナウンスされていた新しいEC2のインスタンスファミリーであるR5、R5d、Z1dが利用可能になったので、実際に動かして試してみます。

【速報】Amazon EC2にメモリ最適化のR5とコンピュート/メモリ集中のZ1dが登場!

新しいインスタンスファミリー

AWS Summit 2018 New Yorkで発表があったため細かい説明は省きますが、Nitro世代1のメモリ最適化インスタンス(ディスク無しがR5、ディスク付きがR5d)と高クロックCPUのインスタンス(Z1d)が利用可能になりました。

R5

各インスタンスタイプのスペックは以下の様になっています。

インスタンス名 vCPU Memory ローカルストレージ EBS最適化帯域 ネットワーク帯域
r5.large 2 16 GiB 無し 最大 3.5 Gbps 最大 10 Gbps
r5.xlarge 4 32 GiB 無し 最大 3.5 Gbps 最大 10 Gbps
r5.2xlarge 8 64 GiB 無し 最大 3.5 Gbps 最大 10 Gbps
r5.4xlarge 16 128 GiB 無し 3.5 Gbps 最大 10 Gbps
r5.12xlarge 48 384 GiB 無し 7.0 Gbps 10 Gbps
r5.24xlarge 96 768 GiB 無し 14.0 Gbps 25 Gbps

現在利用可能なリージョンは以下の通りです。残念ながら東京はまだ入っていません。

  • 米国東部 (バージニア北部)
  • 米国東部 (オハイオ)
  • 米国西部 (オレゴン)
  • EU (アイルランド)

R5d

各インスタンスタイプのスペックは以下の様になっています。R5にローカルストレージが追加されています。

インスタンス名 vCPU Memory ローカルストレージ EBS最適化帯域 ネットワーク帯域
r5d.large 2 16 GiB 1 x 75 GB NVMe SSD 最大 3.5 Gbps 最大 10 Gbps
r5d.xlarge 4 32 GiB 1 x 150 GB NVMe SSD 最大 3.5 Gbps 最大 10 Gbps
r5d.2xlarge 8 64 GiB 1×300 GB NVMe SSD 最大 3.5 Gbps 最大 10 Gbps
r5d.4xlarge 16 128 GiB 2 x 300 GB NVMe SSD 3.5 Gbps 最大 10 Gbps
r5d.12xlarge 48 384 GiB 2 x 900 GB NVMe SSD 7.0 Gbps 10 Gbps
r5d.24xlarge 96 768 GiB 4 x 900 GB NVMe SSD 14.0 Gbps 25 Gbps

現在利用可能なリージョンは以下の通りです。残念ながら東京はまだ入っていません。

  • 米国東部 (バージニア北部)
  • 米国東部 (オハイオ)
  • 米国西部 (オレゴン)

Z1d

各インスタンスタイプのスペックは以下の様になっています。

インスタンス名 vCPU Memory ローカルストレージ EBS最適化帯域 ネットワーク帯域
z1d.large 2 16 GiB 1 x 75 GB NVMe SSD 最大 2.333 Gbps 最大 10 Gbps
z1d.xlarge 4 32 GiB 1 x 150 GB NVMe SSD 最大 2.333 Gbps 最大 10 Gbps
z1d.2xlarge 8 64 GiB 1×300 GB NVMe SSD 2.333 Gbps 最大 10 Gbps
z1d.3xlarge 12 96 GiB 1 x 450 GB NVMe SSD 3.5 Gbps 最大 10 Gbps
z1d.6xlarge 24 192 GiB 1×900GB NVMe SSD 7.0 Gbps 10 Gbps
z1d.12xlarge 48 384 GiB 2 x 900 GB NVMe SSD 14.0 Gbps 25 Gbps

現在利用可能なリージョンは以下の通りです。東京にも来ています。

  • 米国東部 (バージニア北部)
  • 米国西部 (オレゴン)
  • 米国西部 (北カリフォルニア)
  • EU (アイルランド)
  • アジアパシフィック (東京)
  • アジアパシフィック (シンガポール)

補足

あと2,3ヶ月でRDSやElastiCache、Amazon AuroraでもR5のインスタンスを使用できるそうです。また、ベアメタルインスタンスであるr5.metal、r5d.metal、z1d.metalも短期的なロードマップに乗っているとのことです。

実際に起動してみる

各リージョンが起動できるオレゴンリージョンで起動してみます。また、AMIはAmazon Linux 2を使用します。

インスタンスタイプの選択

インスタンスタイプの選択では以下のようにインスタンスが並びます。

r5.largeの場合

r5d.largeの場合

z1d.largeの場合

ストレージの追加

ストレージの追加でローカルストレージがあるものの状態を確認してみます。

r5.largeの場合

r5d.largeの場合

z1d.largeの場合

CPU情報の確認

実際に起動してSSHでログインしてCPU情報を確認してみます。

r5.largeの場合

r5ではCPUとしてXeon(R) Platinum 8175Mが使用されています。

$ lscpu
アーキテクチャ:                      x86_64
CPU 操作モード:                      32-bit, 64-bit
バイト順序:                          Little Endian
CPU:                                 2
オンラインになっている CPU のリスト: 0,1
コアあたりのスレッド数:              2
ソケットあたりのコア数:              1
ソケット数:                          1
NUMA ノード数:                       1
ベンダー ID:                         GenuineIntel
CPU ファミリー:                      6
モデル:                              85
モデル名:                            Intel(R) Xeon(R) Platinum 8175M CPU @ 2.50GHz
ステッピング:                        4
CPU MHz:                             2501.920
BogoMIPS:                            5000.00
ハイパーバイザのベンダー:            KVM
仮想化タイプ:                        完全仮想化
L1d キャッシュ:                      32K
L1i キャッシュ:                      32K
L2 キャッシュ:                       1024K
L3 キャッシュ:                       33792K
NUMA ノード 0 CPU:                   0,1
フラグ:                              fpu vme de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 ss ht syscall nx pdpe1gb rdtscp lm constant_tsc rep_good nopl xtopology nonstop_tsc cpuid aperfmperf pni pclmulqdq ssse3 fma cx16 pcid sse4_1 sse4_2 x2apic movbe popcnt tsc_deadline_timer aes xsave avx f16c rdrand hypervisor lahf_lm abm 3dnowprefetch invpcid_single pti fsgsbase tsc_adjust bmi1 hle avx2 smep bmi2 erms invpcid rtm mpx avx512f avx512dq rdseed adx smap clflushopt clwb avx512cd avx512bw avx512vl xsaveopt xsavec xgetbv1 xsaves ida arat pku ospke

r5d.largeの場合

r5dではCPUとしてXeon(R) Platinum 8175Mが使用されています。

$ lscpu
アーキテクチャ:                      x86_64
CPU 操作モード:                      32-bit, 64-bit
バイト順序:                          Little Endian
CPU:                                 2
オンラインになっている CPU のリスト: 0,1
コアあたりのスレッド数:              2
ソケットあたりのコア数:              1
ソケット数:                          1
NUMA ノード数:                       1
ベンダー ID:                         GenuineIntel
CPU ファミリー:                      6
モデル:                              85
モデル名:                            Intel(R) Xeon(R) Platinum 8175M CPU @ 2.50GHz
ステッピング:                        4
CPU MHz:                             2530.122
BogoMIPS:                            5000.00
ハイパーバイザのベンダー:            KVM
仮想化タイプ:                        完全仮想化
L1d キャッシュ:                      32K
L1i キャッシュ:                      32K
L2 キャッシュ:                       1024K
L3 キャッシュ:                       33792K
NUMA ノード 0 CPU:                   0,1
フラグ:                              fpu vme de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 ss ht syscall nx pdpe1gb rdtscp lm constant_tsc rep_good nopl xtopology nonstop_tsc cpuid aperfmperf pni pclmulqdq ssse3 fma cx16 pcid sse4_1 sse4_2 x2apic movbe popcnt tsc_deadline_timer aes xsave avx f16c rdrand hypervisor lahf_lm abm 3dnowprefetch invpcid_single pti fsgsbase tsc_adjust bmi1 hle avx2 smep bmi2 erms invpcid rtm mpx avx512f avx512dq rdseed adx smap clflushopt clwb avx512cd avx512bw avx512vl xsaveopt xsavec xgetbv1 xsaves ida arat pku ospke

z1d.largeの場合

z1dではCPUとしてXeon(R) Processorと表記されていて、モデル名が隠されています。最高クロックが4GHzというスペシャルカスタマイズのCPUであることが影響しているのでしょうか?

$ lscpu
アーキテクチャ:                      x86_64
CPU 操作モード:                      32-bit, 64-bit
バイト順序:                          Little Endian
CPU:                                 2
オンラインになっている CPU のリスト: 0,1
コアあたりのスレッド数:              2
ソケットあたりのコア数:              1
ソケット数:                          1
NUMA ノード数:                       1
ベンダー ID:                         GenuineIntel
CPU ファミリー:                      6
モデル:                              85
モデル名:                            Intel(R) Xeon(R) Processor @ 3.40GHz
ステッピング:                        4
CPU MHz:                             3406.175
BogoMIPS:                            6800.00
ハイパーバイザのベンダー:            KVM
仮想化タイプ:                        完全仮想化
L1d キャッシュ:                      32K
L1i キャッシュ:                      32K
L2 キャッシュ:                       1024K
L3 キャッシュ:                       25344K
NUMA ノード 0 CPU:                   0,1
フラグ:                              fpu vme de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush mmx fxsr sse sse2 ss ht syscall nx pdpe1gb rdtscp lm constant_tsc rep_good nopl xtopology nonstop_tsc cpuid aperfmperf pni pclmulqdq ssse3 fma cx16 pcid sse4_1 sse4_2 x2apic movbe popcnt tsc_deadline_timer aes xsave avx f16c rdrand hypervisor lahf_lm abm 3dnowprefetch invpcid_single pti fsgsbase tsc_adjust bmi1 hle avx2 smep bmi2 erms invpcid rtm mpx avx512f avx512dq rdseed adx smap clflushopt clwb avx512cd avx512bw avx512vl xsaveopt xsavec xgetbv1 xsaves ida arat pku ospke

ディスク情報の確認

実際に起動してSSHでログインしてCPU情報を確認してみます。

r5.largeの場合

$ lsblk
NAME          MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
nvme0n1       259:0    0   8G  0 disk
├─nvme0n1p1   259:1    0   8G  0 part /
└─nvme0n1p128 259:2    0   1M  0 part

r5d.largeの場合

$ lsblk
NAME          MAJ:MIN RM  SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
nvme1n1       259:0    0 69.9G  0 disk
nvme0n1       259:1    0    8G  0 disk
├─nvme0n1p1   259:2    0    8G  0 part /
└─nvme0n1p128 259:3    0    1M  0 part

z1d.largeの場合

$ lsblk
NAME          MAJ:MIN RM  SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
nvme1n1       259:0    0 69.9G  0 disk
nvme0n1       259:1    0    8G  0 disk
├─nvme0n1p1   259:2    0    8G  0 part /
└─nvme0n1p128 259:3    0    1M  0 part

さいごに

Z1dではCPUのモデル名が隠されているのが特徴的です。今までは一般販売を行っていないモデルであってもモデル名を記載していたので、使用しているCPUの詳細がとても気になります。今後何かの発表は無いものでしょうか。

Nitro世代のEC2インスタンスもバリエーションが揃ってきました。R5が東京リージョンに来ればほとんどのワークロードをNitro世代のインスタンスでまかなえると思われます。古いOSをNitro世代のインスタンスで使用するとドライバが不足したり、そのまま移行できない場合があるので注意して使用しましょう。