リザーブドインスタンスは実際に「インスタンス」を購入していない件について
こんにちは、chicca です。SAA 勉強中です。
タイトルをみて誤解をしているかも…と、思った方いませんか?
今回は EC2 リザーブドインスタンスについてお話をします。
リザーブドインスタンス is 何?
リザーブドインスタンス は物理インスタンスではありませんが、請求の割引はアカウントでの オンデマンドインスタンス の使用に適用されます。これらの オンデマンドインスタンス は、請求の割引のメリットを得るために特定の属性に一致する必要があります。
大事なのでもう一度書きます。
リザーブドインスタンス は物理インスタンスではありません
リザーブドインスタンスは、一定の期間(1年もしくは3年)分の予約金を払うことで、オンデマンドインスタンス利用費を削減できる購入オプションです。利用費の削減以外に「予約したリージョンもしくはアベイラビリティゾーンで起動するキャパシティー(インスタンス数)の確保」もできます。
オンデマンドインスタンスを携帯電話に例えると、リザーブドインスタンス(以下、RI)は使用料「2年契約割引プラン」の契約にあたります。
AWS 公式ドキュメントAmazon EC2 リザーブドインスタンス から抜粋して基本となる部分を解説をして行きます。
RI の仕組み
EC2 の RI では、時間単位の料金に割引が適用され、EC2 インスタンスのキャパシティーを予約できます。EC2 インスタンス使用の属性がアクティブな RI の属性に一致すれば、RI の割引料金が自動的に AWS 請求書に適用されます。
上記の属性は4つあります。
- インスタンスタイプ:たとえば、m4.large など
- スコープ:リージョン単位か特定のアベイラビリティゾーン単位(キャパシティ予約)か
- テナンシー:共有(デフォルト)か専有(dedicated)か
- プラットフォーム:OS 種別(Linux/UNIX や Window など)
オンデマンドインスタンスと RI の属性が一致すれば、自動的に料金が割り引かれます。RI 購入後にインスタンスを再起動させる必要はありません。一方で、属性が一致するオンデマンドインスタンス数 > RI 数のときはどのオンデマンドインスタンスに割引が適用されるかを選べません。
アベイラビリティゾーン単位での予約をキャパシティ予約といいます。DR(災害復旧)要件に応じてオンデマンドインスタンスを複数のアベイラビリティゾーンで起動させている場合はこちらを選択します。どちらのスコープを選んでも予約金額は同じです。
Amazon EC2 の RI タイプ
RI では、アプリケーションニーズに最適なタイプを選択できます。
- Standard RI: 割引率が最も高く (最大でオンデマンド料金の 75% 割引)、定常状態の使用に最適です。
- Convertible RI: 割引 (最大でオンデマンド料金の 54% 割引) が適用され、RI の属性を変更できます。ただし、交換できるのは、RI の作成時の価格と同等以上のリザーブドインスタンスに限ります。Standard RI と同様に、Convertible RI は定常状態の使用に最適です。
Convertible RI は RI 購入時のインスタンス属性を変更できます。予約期間中に割引料金適用先となるオンデマンドインスタンスの属性を別のインスタンスファミリー、OS、またはテナンシーに変更できる柔軟性が必要な場合は、こちらの RI を購入することが推奨されます。しかし、RI 作成時の価格か同等以上の交換しかできないので注意が必要です。キャパシティ予約をしていると RI の交換自体できません。
Standard RI は Convertible RI ほど自由に属性を変更することはできません。その分割引率が高く設定されています。OS が Linux/UNIX の場合は「インスタンスサイズの柔軟性」が提供される場合があります。各インスタンスサイズ(nano や smallなど)にはサイズを表す正規化係数があります。同じリージョンとファミリーであれば、インスタンスサイズを変更しても正規化係数の範囲内で割引を受けることができます。(参考:リザーブドインスタンス の変更)
支払いオプション
「全額前払い」、「一部前払い」、「前払いなし」の 3 つの種類の支払いオプションから選択できます。支払いオプションとして「一部前払い」または「前払いなし」を選択した場合、残額は期間を通じて毎月お支払いいただきます。
RI の割引率は「全額前払い」>「一部前払い」>「前払いなし」の順です。「一部前払い」と「前払いなし」は初期費用を抑えつつ、キャパシティの確保ができます。支払いオプション別の料金は Amazon EC2 リザーブドインスタンス料金表で確認できます。OS種別と購入したいリージョンを選択します。毎月の支払金額は AWS が提供している簡易見積ツールでも算出することができます。
気を付けるポイント①
- 一度購入した RI は原則としてキャンセルできません。契約期間中に割引の適用先となるオンデマンドインスタンスを休止、削除した場合でも支払いオプション「一部前払い」と「前払いなし」は毎月支払いがあります。RI の割引料金とキャパシティの確保は魅力的ですが、購入時にはお気をつけください。
- RI は契約期間が終了しても自動的に「更新」はされません。新たに RI を購入する必要があります。EC2 のリソースは常に進化し続けています。このタイミングで購入する RI を再検討されるのもいいと思います。
気を付けるポイント②
弊社メンバーズへご加入いただいているお客様向けのご案内となります。弊社ではボリュームディスカウントによる割引価格で RI をご提供させていただいております。そのため、仕組み上ご利用いただけない部分がございます。
- 弊社メンバーズにご加入後に購入された RI はマーケットプレイスで販売いただけません。こちらは、「割引されたリザーブドインスタンスは販売できない」というマーケットプレイスのルールによるものです。
- RI は AWS アカウント毎にご購入をお願いします。AWS アカウント間で RI の共有はできない仕様となっております。
さいごに
今回のブログを書いていて一点気づいたことがあります。AWS のドキュメントを読んでみるとリザーブドインスタンスの魅力はコストメリットとキャパシティの確保の両方だということです。EC2 インスタンスをメールサーバーや web サーバーとして利用しているときには、需要な点だと思います。
また、リザーブドインスタンスは RDS や ElastiCache 等でも提供されています。こちらも今回紹介した EC2 と同様に「インスタンス(ノード)」自体の購入ではなく、購入オプションとなります。
今回は以上です。