[アップデート] Amazon OpenSearch Serverless で最大 OCU および時系列コレクションのインデックスデータサイズ上限が拡張されました

2023.08.17

いわさです。

Amazon OpenSearch Serverless は使用状況に応じて自動でスケーリングを行ってくれます。
ここでのスケーリング対象は OpenSearch Compute Units (OCU) のことで、OpenSearch Serverless ではこの OCU の数値によって処理能力が変わってきます。

こちらの最大 OCU は上限が決まっているのですが、先日のアップデートで一部コレクションタイプで最大 OCU の上限値が拡張されました。
また、その際に時系列コレクションのインデックスサイズの最大も拡張されています。

OCU の最大値の設定はマネジメントコンソールのダッシュボードからすぐに変更することが出来ます。
東京リージョンでも使用出来ますので本日は変更点の整理と、OCU の設定方法を紹介したいと思います。

なお、本日時点では OpenSearch Serverless 自体が大阪リージョンではサポートされていません。

変更内容を整理してみた

OpenSearch Serverless ではいくつかコレクションタイプが存在しており、それぞれ上限が異なっていたりします。
また、今回のアップデートは機能ごとに拡張されたコレクションと拡張されていないコレクションがあってちょっと混乱しそうだったので、まずコレクションタイプごとにどこが変わったのかを整理して紹介しますね。

コレクションタイプというのは OpenSearch Serverless 専用の概念で、コレクションを作成する際にタイプを選択します。
コレクション作成後は変更は出来ず、作成時のみ次の画面で指定が可能です。
本日時点では「時系列」「検索」「ベクトル検索」の 3 つのコレクションタイプが使用可能です。

インデックス作成と検索の最大 OCU が 100 に

前述のとおり OpenSearch Serverless は使用状況に応じて OCU がオートスケーリングされます。
この OCU の実行時間で料金が変わるので期待しないサイズまでスケールアウトされると高額な利用料金が発生する場合はあります。
最大 OCU を設定することでオートスケーリングの上限値を設定することが出来ます。

これまでは時系列コレクションと検索コレクションが最大 50 OCU、ベクトル検索コレクションが 20 OCU が最大でした。

コレクションタイプ 変更前 変更後
時系列 50 OCU 100 OCU
検索 50 OCU 100 OCU
ベクトル検索 20 OCU 20 OCU

今回のアップデートで時系列コレクションと検索コレクションの最大 OCU を 100 まで設定出来るようになりました。
OpenSearch Serverless の OCU はインデックス作成と検索で分離されており、それぞれで上記のような上限値がサポートされています。

なお、ベクトル検索コレクションは変更なしで 20 OCU が上限のままです。

ちなみに 1 OCU あたり 6 GiB のメモリサイズが使用出来るので、100 OCU で 600 GiB まで使用出来るようになっています。

時系列コレクションごとのインデックスデータが最大 6 TiB に

続いて、コレクションごとにインデックスで扱えるデータサイズの上限が決まっています。
これまではコレクションタイプに関わらず 1 TiB が上限でした。

コレクションタイプ 変更前 変更後
時系列 1 TiB 6 TiB
検索 1 TiB 1 TiB
ベクトル検索 1 TiB 1 TiB

今回のアップデートで、時系列コレクションのみですが、6 TiB まで扱えるようになっています。
なお、アカウントごとにもインデックスデータの上限があり、こちらは以前から 6 TiB が上限でしたが、アップデート後もこちらは変更なしです。

最大 OCU は簡単に変更可能

コレクションごとのインデックスサイズは設定の必要はありません。
最大 OCU については個別に設定が必要です。が、設定は簡単なので確認だけしてみましょう。

次のようにダッシュボードのキャパシティ管理から構成が可能です。

次はインデックス作成の OCU 上限の設定です。
100 OCU まで設定出来るようになっていますね。
ちなみに、2 OCU 刻みで設定が可能です。RAM も 600 GB と表記されていますね。

次は検索時の OCU 上限の設定です。こちらも同様に 100 OCU まで設定出来るようになっていました。

さいごに

本日は Amazon OpenSearch Serverless で最大 OCU および時系列コレクションのインデックスデータサイズ上限が拡張されたので、変更前後の情報を整理し、最大 OCU については実際に変更できるところまで確認してみました。

時系列コレクションはやはり使用頻度も多くデータサイズも大きくなりやすいので優先的に拡張された感じでしょうか。
Amazon OpenSearch Serverless は re:Invent で登場してからまだまだ制限事項が多い印象もあると思いますが、少しづつ拡張されていて嬉しいですね。