【レポート】Amazon EC2 の進化の歴史から学ぶ EC2 入門 2019年版 #AWSsummit
こんにちは。 chicca です。6月12日から14日まで開催された AWS Summit Tokyo 2019 に参加してきました。
出席したセッション「Amazon EC2 の進化の歴史から学ぶ EC2 入門 2019年版」のレポートをお届けします。
セッションのなかでは、今年リリース予定のインスタンスについてもアナウンスがありました。
スピーカー
アマゾン ウェブ サービスジャパン 株式会社
技術統括本部
ソリューションアーキテクト
松尾康博 様
はじめに
- Amazon EC2 は多くの種類や機能があるので初学者は理解をするのが大変
- AWS はMVP(Minimum Valuable Product)の考えで、フィードバックに基づいて新機能を継続して追加
- 進化の歴史をたどると、どのようなフィードバックからどのような機能が出たのか知ることができる
EC2 の概要
EC2 とは?
- クラウド上の仮想サーバー
- ハイパーバイザーの上にあるゲストOSのことをインスタンスと呼んでいる
- 同じ東京リージョンでも地理的に離れている(AZ)
EC2 リソースの概要
- OS をインストールでイメージを作る
- AMI(Amazon Machine Image)からインスタンスを起動
- VPC(Amazon Virtual Private Cloud)の中に作られる
- 2006 年 8 月にベータ版提供開始(当時のブログ)
- EC2当時のコンセプト
- 必要な時に必要なだけインスタンスをAPIで起動
- 従量課金
- 提供インスタンスは「m1.Small」 のみ
- 当時から変更になったもの
- 秒課金
- リザーブドインスタンス(RI)
- スポットインスタンス
- マネジメントコンソール
- 多数のインスタンスタイプ
- 商用OS
- EBS
- マルチリージョン、など
- 2006 年の機能は普遍的・基本的な機能
- 2018 年までお客様のフィードバックをもとに追加
EC2の歴史:インスタンスタイプ変更
インスタンスタイプ、ファミリーの拡充
年代 | リリース理由(お客様からのフィードバック) | 提供されたインスタンスタイプ |
2006 | 初リリース、汎用 | m1.small |
2007 | より大きなサイズ | m1.large, m1.xlarge |
2008 | vCPUをより多く、 ウェブ、フロントエンド用 | C1 ファミリー |
2009 | 大量メモリを搭載 | M2 ファミリー |
負荷状況分布状況からのフィードバック
- 大半は CPU の負荷が低いことが判明(一時的に負荷が高くなる)
- 一方、高負荷のインスタンスもあった
年代 | リリース理由 | 提供されたインスタンスタイプ |
2010 | 高負荷インスタンスは高速計算していた、スパコン用 | cc1.4xlarge |
2010 | m1.small より安く小さい | t1.micro |
2010 | GPU 搭載 | cg1.4xlarge |
2011 | よりスパコンに特化 | cc2.8xlarge |
2012-2013 さらにファミリーを追加
- 5つのカテゴリ(汎用、コンピューティング最適化、ストレージ最適化、メモリ最適化、高速コンピューティング)
- 今のファミリー構成へ
現在まで継続的なインスタンスタイプの追加 → 200+
ハードウェアの変遷
- 最新世代の Intel Xeon を搭載
- HVM(Hardwere-assisted VM)で完全仮想化
- C5n: もっとも帯域の広いN/Wを実現、ビックデータ、インスタンスのレスポンスがいい(2018年リリース)
- ローカルストレージの性能: SAP HANA 向け 18TB 24TB のハイメモリインスタンスを年内にリリース予定
- i3: ベアメタルインスタンス、仮想化されたインスタンスでは利用できないワークロード向け。VMware Cloud on AWS
- プロセッサとアーキテクチャの追加: アプリケーションとワークロードに応じて最適なコンピューティング環境を選択。Intel だけでなく、選択肢を増加
- ARM: AWS Graviton Processor AWSが作ったシンプルなプロセッサ
- A1 インスタンス: スケールアウト型ワークロードのコスト削減。ARM ベースの開発環境(いままでベアメタル環境で対応していたもの)。幅広いソフトウェアや開発ツールをサポート
- アクセラレーター搭載インスタンスの拡充: 開発など日々利用するアプリケーションに応じた選択肢を提供
- GPUインスタンスの変遷
- 2010年 CG1
- 2013年 G2
- 2016年 P2
- 2017年 G3
- 2018年 P3、P3dn
- もうすぐリリース G4dn
EC2の歴史:機能
機能の拡充
- 2006年 CentOS
- 2007年 Red Hat Enterprise Linux
- 2008年 EIP(Amazon Elastic IP)、 マルチAZ、 SLA定義、 Windows Server対応
運用面の強化
- 2009年 マネジメントコンソール、リザーブドインスタンス(RI)、Autoscalling、Elastic Load Balancing(ELB)、Amazon Virtual Cloud(VPC)、Spotインスタンス、CloudWatch
基本機能の強化
- 2010年 HVM 形式の AMI を追加で完全仮想化、Amazon Linux
- 2011年 Dedicated インスタンス、Elastic Network Interface(ENI)
- 2012年 64bit OS起動可能、複数の IP アドレスを設定可能
- 2013年 別リージョンへ AMI コピー可能
- 2014年 管理コンソールで Autoscaling 設定管理
- 2015年 EC2 Dedicated Hosts、SpotBlock
まとめ
EC2 の進化の歴史はお客様からのフィードバック
- 性能
- 運用容易性や耐久性
- セキュリティ
- 価格性能化
の強化を続けている
最後に
EC2 の歴史をたどることで「なんでこんなに種類が多いんだろう?」と、いう素朴な疑問が解けたセッションでした。
また、AWS 認定資格やクラウドについて学習したい方向けのミニセッションのレポートも参考にしていただければ幸いです。