Amazon Quick Suite のサブスクリプション登録フローが旧 Amazon QuickSight からどのように変わっているのか確認してみた
いわさです。
先日のアップデートで Amazon QuickSight が Amazon Quick Suite になったのですが、ユーザー管理やサブスクリプションなどは旧 Amazon QuickSight がベースになっています。
そこで、本日はこれまで Amazon QuickSight を使っていた無かった環境で、新しく Amazon Quick Suite のサインアップを行ってみました。
サインアッププロセスなど変わった点があるのか確認したいと思います。
Amazon Quick Suite にサインアップ
では AWS マネジメントコンソールから Amazon QuickSight あるいは Amazon Quick Suite のメニューを選択しましょう。
まだ Amazon Quick Suite のアカウントが存在していなければ次の画面に遷移すると思います。サインアップ画面のデザインも Amazon Quick Suite のものに変わっていますね。
「Amazon Quick Suite にサインアップ」ボタンを押すと、必要情報を入力する画面に遷移します。
入力項目としては旧 Amazon QuickSight のサインアップ画面と同じですね。アカウント名と通知先を入力し、デフォルトリージョンを選択します。
本日時点で Amazon Quick Suite の新しい AI 機能は東京リージョンでは使うことは出来ないのですが、Amazon QuickSight 相当の機能であれば利用できるので東京リージョンも選択できます。
認証方法も旧 Amazon QuickSight と同じですね。Quick Suite でのユーザー管理か、IAM Identity Center、Active Directory、シングルサインオンから選択できます。
旧 Amazon QuickSight ではロールや個別の権限の設定もサインアップ画面でしていたと思いますが、そのあたりはなくなったみたいですね。
あとは暗号化については覚えていないのですが、今回のタイミングでデフォルトで設定できるようになったのかもしれません。
「アカウント作成」ボタンを押すとこのまま Amazon Quick Suite サブスクリプションの作成が始まりました。
旧 Amazon QuickSight の時はピクセルパーフェクトレポートという 500 USD/月のオプションがデフォルトで有効になる状態であまり良くなかったのですが、新しいサインアップフローでは選択項目として存在していないですね。
そして少し待つと完了しました。
作成された環境にアクセスしてみるとピクセルパーフェクトレポートは無効化された状態で作成されていますね。良いですね!
CloudTrail ログを確認してみる
このサインアップ時の CloudTrail ログを確認してみましょう。
CreateAccount
アクションが実行されています。イベントソースはquicksight.amazonaws.com
なので、やはりガワは Amazon Quick Suite なのですがベースは Amazon QuickSight なのですね。
ログの内容は以下でした。明示的な指定はしていませんがエンタープライズで作成されていますね。
{
"eventVersion": "1.09",
:
"eventTime": "2025-10-12T20:36:07Z",
"eventSource": "quicksight.amazonaws.com",
"eventName": "CreateAccount",
"awsRegion": "ap-northeast-1",
"sourceIPAddress": "14.9.148.128",
"requestParameters": null,
"responseElements": null,
"eventID": "2191d8b3-2e1e-4618-b9ee-c68c2c19ba4f",
"readOnly": false,
"eventType": "AwsServiceEvent",
"managementEvent": true,
"recipientAccountId": "123456789012",
"serviceEventDetails": {
"eventRequestDetails": {
"accountName": "hoge1013quicksuite",
"accountType": "Enterprise"
}
},
"eventCategory": "Management"
}
スタンダードエディションで作成してみる
先程 CloudTrail ログを見てみる限りでは Enterprise のアカウントタイプの指定がありますね。
サインアップ UI 上は Standard / Enterprise を選択する画面はありませんでしたが、旧 Amazon QuickSight では AWS API を使うことでスタンダードエディションでのサインアップを行うことが出来ていました。
今回の Amazon Quick Suite への変更に伴って、このあたりがどうなっているのかも確認してみましょう。
% cat hoge.json
{
"Edition": "STANDARD",
"AuthenticationMethod": "IAM_AND_QUICKSIGHT",
"AwsAccountId": "123456789012",
"AccountName": "hoge1013standard",
"NotificationEmail": "hoge@example.com"
}
% aws quicksight create-account-subscription --cli-input-json file://hoge.json --profile account2
{
"Status": 200,
"SignupResponse": {
"IAMUser": true,
"userLoginName": "account2",
"accountName": "hoge1013standard",
"directoryType": "IDENTITY_POOL"
},
"RequestId": "ea012915-cde6-4c8a-9826-fce96c53ba7c"
}
上記タイミングで IAM ユーザによって管理者も自動で作成されるのでログインしてみましょう。
管理画面を見てみると、この時はスタンダードエディション利用中であることが確認出来ました、なるほど!
管理者プロが作成される!?
今回気がついたのですが、AdministratorAccess マネージドポリシーを持っている IAM ユーザーで QuickSight ユーザーのセルフサインアップを行いました。
旧 Amazon QuickSight の時はこの場合は「管理者」ロールでユーザーが作成されていたと思うのですが、 なんと「管理者プロ」ロールのユーザーが自動作成されていました。
以下はマネジメントコンソールから Amazon Quick Suite を新規サインアップした環境です。
以下は AWS CLI 経由で Amazon Quick Suite のスタンダードエディションをサインアップした環境です。
上記の結果から、おそらく Quick Suite アカウントの初期サインアップユーザーは管理者プロロールで作成されてしまうようです。なんてこったい。
サインアップ直後は Amazon Q in Quick Suite が無効化だったのですが、少し時間を置いて再確認してみると次のように有効化されていることを確認しました。
ただし、「現在、毎月の有効化料金は免除されています。」と表示されていますね。
Amazon Quick Suite の料金ページに記載されているのですが、Quick Suite には 30 日間の無料トライアル期間が設定されており、無料トライアル中はアカウントあたり最大 25 ユーザーと、月 250 ドルの AI インフラストラクチャ料金が無料となります。無料トライアル中はこのように表示されるっぽいですね。
さいごに
本日は Amazon Quick Suite のサブスクリプション登録フローが旧 Amazon QuickSight からどのように変わっているのか確認してみました。
大きくサインアップの流れは Amazon QuickSight から変わっていないことが確認出来ました。
以前のサインアップ時のピクセルパーフェクトレポートオプションデフォルト有効化の罠は、私の周辺だとちょっと評判が悪かったので改善されてとても良いですね。
一方で初期管理者がプロロールで作成される点は注意したいですね。不要な場合は無料トライアル中にプロロールから変更するとか追加の手順が必要そうです。