QuickSight のダッシュボードでブックマーク機能が使えるようになりました

2022.07.21

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いわさです。

QuickSight のダッシュボードにブックマーク機能が追加されました。

従来までもお気に入りダッシュボードを登録することが出来る機能はありましたが、それとは異なるのでしょうか。
本日は何が変わったのかを実際に使って確認してみました。

ダッシュボードのフィルター機能

新機能確認の前に、一点おさらいを。

QuickSightのダッシュボードでは、閲覧者は提供されたダッシュボードで何かしらのフィルターが実装されていれば表示データのフィルタリングを行うことが可能です。

例えば、以下の場合だと時系列のビジュアルですが、上部のコントロールで開始年月日と終了年月日を操作することが出来ます。
このコントロールを変更すると、選択した期間でビジュアルにロードされるデータがフィルタリングされます。

なお、閲覧者がフィルターを提供するためには、ダッシュボード提供者がパラメータとコントロールを利用して分析を作成する必要があります。
実装方法は以下をご参照ください。

ブックマーク機能でフィルタリング状態を保存できる

従来は必要なフィルタリングを毎回行う必要がありました。
先程の開始日・終了日程度であれば操作するコントロールが少ないのでまだ良いと思いますが、大量のコントロールを様々な条件で組み合わせてフィルタリングする場合はフィルター条件ごとにコントロールを操作する必要がありました。

今回のブックマーク機能で、このフィルタリングした状態をセットとして保存しておくことが出来るようになりました。

基本的な使い方

メニューバーに「ブックマーク」メニューが追加されています。
ダッシュボードをフィルタリングした状態でブックマークを追加してみましょう。

それぞれのブックマークには名前をつけることが出来ます。日本語も使える。

そして、登録したブックマークを使って、ササッとデータを切り替えることが出来ます。
なお、追加したブックマークは作成した閲覧者でのみ有効な状態です。他のユーザーにブックマークが自動で追加されるようなことはありません。

デフォルト表示

QuickSight のダッシュボードのフィルタリング状態は、リーダーごとに最後に表示した状態が保存されています。
セッションが無効化された場合でもです。

そのため、最終操作したフィルタリング状態が次回表示時に常に表示されてしまうのですが、今回作成したブックマークを使って、ダッシュボードを開いたときのデフォルト表示を行うことが出来ますので試してみましょう。

作成したブックマークに対して、コンテキストメニューで「デフォルトとして設定」を選択します。
次回以降開いた際に、デフォルトのブックマークが表示されるようになります。

デフォルト設定は同じ手順で削除することも可能です。

ブックマークの共有

先程、作成したブックマークは自分だけのものであるとお伝えしましたが、共有機能を使ってURLシェアを行うことであれば可能です。
ブックマークを開いた状態で、共有メニューから「このビューの共有」でURLを生成し、別の閲覧者にアクセスしてもらうだけです。

URLにアクセスした閲覧者には「Shared view」という形で対象フィルタリング状態で表示されます。
ただし、アクセスしてもブックマークに登録されるわけではありません。

フィルター以外の状態はどうなる?

展開エリアの展開状態やサイズ変更出来る部分などもブックマーク可能でしょうか?
確認してみました。

ピボットテーブルを全て非展開状態にして列サイズを変更、そして特定列のソート順を昇順にしました。

ブックマークを作成し、もう一度開いてみると...

保存されていませんね!
いくつか確認した限りでは、フィルタリング状態のみ保存されているようです。

ブックマークはいくつまで作成出来るのか?

ブックマークの作成上限はあるのでしょうか。たくさん作ってみました。
まず、ある程度ブックマーク数が多くなるとページャーが使えるようになります。(10件/25件/50件から選択)

その後50件強まで試したところで疲れてやめました。

さいごに

本日は QuickSight のダッシュボードブックマーク機能を試してみました。
結構嬉しい機能なんじゃないでしょうか。特に有効化なども不要ですし、ブックマークを使っても他のユーザーや料金に何も影響しないので、是非使ってみてください。

ダッシュボード作成者から、ブックマークのセットを閲覧者に提供したいというユースケースもある気がしますが、あくまでも閲覧者が主体的に自分用のブックマークを作成するための機能ということですね。
閲覧者から提供したい場合はコントロールで動的フィルタリングを頑張ることになるのではないかなと思います。