[アップデート] Amazon QuickSight の KPI ビジュアルに、レイアウトテンプレート・スパークライン・個別の条件付き書式設定など様々なオプション機能が追加されました
いわさです。
QuickSight のビジュアルタイプのひとつに「主要業務指標 (KPI)」というビジュアルがあります。
値とターゲット(あるいはトレンドグループ)を指定して集計結果に対する達成状況を可視化出来るシンプルなビジュアルです。
本日のアップデートでこの KPI ビジュアルにいくつか追加のオプション機能が提供されるようになりました。
従来は進行状況バーだったり、プライマリ値に依存した書式設定しか出来なかったものが柔軟に設定出来るようになったり、あるいは簡単に使用を開始出来るようなレイアウト設定のテンプレート適用機能も提供されるようになっていて便利そうです。
AWS SDK としては 10 日近く前からこのアップデートが追加されていたのですが、ようやくコンソールからも使えるようになったので早速試してみました。
変更点などを解説したいと思います。
変更前
アップデート前の KPI ビジュアルのフォーマットオプション画面は次のようなものでした。
ターゲット値とトレンドグループどちらかを設定することが可能なのですが、どちらを設定するかで若干内容が異なっています。
変更後
ここからは変更後のビジュアルフォーマットを確認してみます。
ビジュアル表現方法にスパークラインが選択出来るように
変更前はビジュアルフォーマットオプションの上部にあった、「傾向方向の表示」「進行状況バー」のオプションが下部に移動されています。
また、ビジュアルについてはドロップダウンに変更されています。
このドロップダウンでは従来の「進行状況バー」に加えて「スパークライン」と「エリアスパークライン」が選択出来るようになっています。
スパークライン
スパークラインを使うことで単純な進行状況のみではなく、例えばトレンドグループに日付を設定することで、時系列に伴う変化を表現することが出来るようになりました。
スパークラインモードの時はツールチップオプションを有効化することが出来ます。
有効化するとビジュアル上でツールチップが表示されるので、特定時点の詳細な値を確認することが出来ます。
エリアスパークライン
スパークラインでは線での表示でしたが、エリアスパークラインを選択すると面で表示することが出来ます。
色の変更
スパークラインもエリアスパークラインも色をこのオプション上からあわせて変更することが出来ます。
なお、進行状況バーの場合は後述の条件付き書式設定画面から色を変更する形になり、設定箇所が違うのでご注意ください。
ターゲットの場合は従来どおり進行状況バーのみ
なお、トレンドグループではなくターゲット値を設定している場合は、従来どおりの進行状況バーのみ利用可能でした。
レイアウトテンプレート
KPI ビジュアルでは表示や比較のオプション設定や書式など細かい表現を調整することが出来ます。
設定出来る項目が色々あって何を設定すれば良いのかちょっと迷うのですが、新しく登場したレイアウトテンプレート機能を使うことで、事前に AWS 側で準備された各設定のプリセットみたいなものをすぐに適用することが出来ます。
使用を開始するには、ビジュアルに次の新しいアイコンが追加されていますのでこちらを選択します。
そうすると左側の KPI レイアウトペインに選択可能なレイアウトテンプレートが表示されるのでこちらから選択します。
本日時点では次の 2 パターンのテンプレートを確認することが出来ました。ちょっとまだ少ないですね。
1 つめのテンプレートは次のようなものでした。
2 つめのテンプレートは次のようなものでした。どちらもデフォルトとは若干違っていますね。
私のような可視化になれていない方は、まずはこういったテンプレートから使い始めると良さそうですね。
個別の条件付き書式設定
条件付き書式設定機能自体は以前から存在していました。
ビジュアルメニューから「条件付き書式設定」を選択することで設定を開始することが出来ます。
この機能を使うと、例えば KPI の状況によってフォントに色を設定したりといった使い方をすることが出来ます。
KPI では中心に表示するプライマリ値を選択します。
従来はプライマリ値に対する書式を設定出来たのですが、今回のアップデートでプライマリ値に何が選択されているかに関わらず、比較値と実際の値個別に書式を設定出来るようになりました。
ここでは、比較値と実際の値に別の書式を設定して、表示するプライマリ値を切り替えてみました。
個別の値に設定された書式が表示されていますね。
今回は両方設定しましたが、どちらかのみ設定することも可能です。
さいごに
本日は Amazon QuickSight の KPI ビジュアルに、レイアウトテンプレート・スパークライン・個別の条件付き書式設定など様々なオプション機能が追加されたので確認してみました。
私は KPI ではシンプルに集計した結果だけをサマリ表示するのに使うことが多かったのですが、予実管理とかシステムのメトリクス管理のように時系列のサマリも知りたい時にはスパークラインも有効活用出来そうですね。
また、条件付き書式設定はあまり使いこなせていなかったので、今後活用していきたいと思います。