【書評】障害の報告・相談時のお守りとして読んでおきたい「サポートに伝える技術」
こんにちは。書評ブログを頑張りたい、オペレーション部のもっさんです。
本記事は、2020年9月の技術書展9で頒布が開始された、「サポートに伝える技術」の読書レポートです。
本書では、IT関連のサービスデスクに問い合わせる際、円滑なコミュニケーションを行うためのポイントが紹介されています。
ただ、普段サポートデスクに問い合わせる機会がない方にとっても、自分以外の誰か(同僚、先輩、上司、お客様など)に障害・エラーの報告や相談を行う場面はあるでしょう。
「自分以外の誰かに、自分が困っている事柄を正確に伝える」ための水先案内として、一度は読んでおきたい書籍です。
どんな書籍なのか
本書「サポートに伝える技術」は、サポート窓口へ問い合わせるための文章の書き方のノウハウを集めた書籍です。
電子書籍の形態で頒布されているため、「気になる!」と思った時に即入手可能なのも嬉しいですね。
全 42 ページとサクッと読めるボリュームでありながら、各項目の説明は手厚く、読み応えはばっちりです。
例えば、バッド/ベストプラクティスに関しては、「何がダメ/良いのか」を箇条書きで挙げられているだけではなく、解説内に例文がふんだんに織り込まれています。例文のおかげで、普段の自分の文章の書き方と比較しながら読むことができ、より書いてある内容を理解しやすくなっています。
この本をおすすめしたい方
本書はタイトルの通り、サポート業務に従事している方や、普段ベンダー等のサポート窓口に問い合わせる機会がある方におすすめです。
また、普段サポート窓口とはあまり関わりのない方でも、以下のような経験がある方は日頃の業務や技術研鑽に役立つと思います。
- 想定外のエラーが発生すると慌ててしまい、どんな情報をエスカレーションするべきかわからなくなった
- 周囲にわからないことを質問した際、相手に何度も聞き返されてしまい、解決に時間がかかる
- エラーや障害の報告を行う際、「文章量が多すぎて、何が言いたいのかよくわからない」と言われた
- 文章を簡潔に書くためにはどうすればよいか、いまいちよくわからない
- 報告書を書くことに苦手意識がある
- 英語で技術文章をやりとりすることに苦手意識がある
読んで良かった!と思う点
私が「サポートに伝える技術」を読んで良かったと感じたのは以下の点です。
解説内に例文がたくさん使われており、普段自分が書いている文章との比較が簡単
「どんな書籍なのか」でも触れた通り、本書では各項目の解説内にたくさんの例文が記載されています。コツだけ端的に書かれたノウハウは覚えやすく、知識として吸収しやすいのは確かです。しかし、日頃の自分の文章と照らし合わせて改善を行いたい場合、提示された事例があると比較が簡単になって嬉しいですよね。
例文があることで、「あ、この文章どこかで見たことがある。確かに、こんな書き方していたかも」と、解説の内容を自分ごととして捉えることができました。
実践フェーズが設けられており、理解すべきポイントを押さえられているか復習できる
本書では、提示されたシナリオに沿って問い合わせ文を作成する、実践フェーズが設けられていました。学んだポイントをすぐに生かすことができ、実践力と自信を身に付けることができます。
問い合わせ文を作成する必要に迫られる時は、突然訪れます。いざという時に備えて、練習をしておけるのは非常に心強かったです。
英語の技術作文に対しての心理的ハードルが下がる
海外ベンダーに問い合わせる際、場合によっては英語でのコミュニケーションが必要となる場合があります。
本書では、英語での問い合わせを乗り切るための心得やTIPSも紹介されています。
私は英語での作文に自信がなく、それゆえ英語での問い合わせ業務に対する心理的なハードルを非常に高く感じていました。英文作成の心得やコツを知ることで、少しだけ対応に自信が持てるようになりました。
また、「うまく伝わらなかったらその時はその時。とりあえず書いてみよう」とポジティブに考えるきっかけをくれた点で、読んで良かったなと感じています。
最後に
このご時世、リモートワーク機会の増加に伴い、普段の業務におけるテキストベースでの報告・連絡・相談が増えている方も多いことと思います。
テキストベースでの連絡は、自分が困っている事象を相談相手に目視してもらうことが難しいため、対面での連絡に比べ、やりにくさを感じる方もいらっしゃるでしょう。
本書をうまく使って、日々の報告・連絡・相談が、今までよりもちょっとだけ得意な自分になってみませんか?