
【FinOps X Day Tokyo 】参加レポート
先日、ご紹介した FinOps X Day Tokyo へ参加してきましたので、その様子をレポートしていきます。都合が合わなかった方に少しでも雰囲気がお伝えできれば幸いです。
イベント概要
改めてイベント概要です。
やはり特筆すべきは 国内初の FinOps Foundation が開催するカンファレンス という点です。
- 概要:FinOps を実践する人々のネットワーキングを最大限に高めるために設計された、厳選された参加基準を備えたイベント
- 日時:2025/6/18(水)10:00 - 18:30
- X(旧 Twitter)ハッシュタグ
- #JapanFinOps
- #FinOpsXDayTokyo
- #FinOps
X で会場の様子やスライド写真を投稿してくれている方がいるので、上記のハッシュタグで検索するとよりイベントの様子が感じられるかもしれません。
また FinOps Foundation の YouTube に直近で開催された London の動画が公開されているので、もしかしたら Tokyo も公開されるかもしれないですね。
セッションレポート
当日のアジェンダは以下となっています。
途中で Practitioner Session と Interactive Chalk Talk に分かれる時間がありましたが、私は Practitioner Session へ参加しました。
Keynote Presentations
基調講演は FinOps Foundation の Executive Director である J.R.Storment さんがメインで各登壇者へバトンタッチする形式でした。
J.R.Storment (FinOps Foundation)
FinOps の変遷から始まり、直近での FinOps Framework アップデートや AI, FOCUS 1.2 が紹介されました。パブリッククラウドからスタートして今では Cloud+ と定義されているように SaaS やオンプレミス、そして AI までスコープが広がり、クラウドとテクノロジーによるビジネス価値の最大化へ更新されています。
より企業における活動やあらゆるレイヤーでの戦略に寄与するものとなってきているとのことです。一方で組織によってビジネス戦略や技術スタック、FinOps 成熟度などは異なるため、画一的なアプローチではなく組織にあった戦略・対象を定めることを話されていました。
個人的には FinOps が組織のビジネスやテクノロジー戦略において重要性が高まる中で、横の関係(ビジネスとエンジニアサイド)は想像がつきますが、縦の関係(経営層とサービスオーナー、担当)で FinOps がどのように用いられているのかが気になりました。
それにしても非常に速いスピードで進化していますね。
セッションメモ
- FinOps 変遷
- 2010年はクラウド以前でCapEXとして扱われていた
- 2019年に FinOps Foundation が設立
- 2024年は Cloud + の時代へ
- 2025年は AI の支出が課題に
- FinOps Framework
- 直近の更新について(2025)
- 定義、原則などの更新
- スコープの追加
- FinOps Enables Executive Decisions
- Business Strategy <-> FinOps <-> Technology Strategy
- ビジネス(経営)戦略とテクノロジー戦略(選択)によって FinOps が定義・推進される
- 直近の更新について(2025)
- FinOps feeds cost and value data to drive decisions across the organization
- 組織内の各レイヤーにおける観点、FinOpsが判断のためのデータを提供する
- Scopes allow you to differentiate your FinOps Practice
- Business Strategy -> Set the Scope -> Define the FinOps practice
- ビジネス戦略のために技術成果や領域を決める
- 組織によってスコープは異なる
- 現状の成熟度からどのペルソナや機能が必要かを定義する
- Business Strategy -> Set the Scope -> Define the FinOps practice
- FinOps for SaaS & Software
- ワーキングループによる成果
- Introduction to FinOps for SaaS
- Applying the FinOps Framework to SaaS
- ITAM Forum collaboration
- FinOps for SaaS Training & Certification
- ワーキングループによる成果
- The community pattern of Cloud+ FinOps adoption
- Cloud FinOps -> SaaS Spend Management -> On-Premise Optimization -> Application Footprint Mapping -> Cloud+ FinOps Across All Environments
- FinOps for AI & AI for FinOps
- AI 支出を管理する・・・FinOps for AI
- AI を FinOps に活用する・・・AI For FinOps
- AIML に関して、「モデルの利用状況の追跡」「支出の透明性や最適化の機会」「モデル選択やプロンプトエンジニアリングのガイド」などを提供する
- FinOps for AI Working Group Assets
- FinOps for AI Overview
- Cost Estimation of AI Workloads
- Choosing an AI Approach & Infrastructure Strategy
- How to Forecast AI Services in Cloud
- Effect of Optimization on AI Forecasting
- How to Build a Generative AI Cost and Usage Tracker
- FinOps for AI Certification
- Optimizing GenAI Usage
- FOCUS
- 1.2 へアップデート
- 連携プロバイダーも増加
関連情報:
Natalie Daley (HSBC)
(タイトルをメモし忘れてしまいました... 非常に申し訳ないです)
ロンドンに本社がある金融機関 HSBC の Natalie Daleyさんから FinOps の取り組みが紹介されました。2019年から取り組まれていて、先に紹介された Cloud+ 実践されており、パブリッククラウドでの取り組みやオンプレミスや SaaS への展開をどのように進めたのかなど、とても先進的な事例でした。
FinOps 版ハッカソンを実施したと紹介されていて、その内容も気になるところですが、こういった取り組みが組織内でコスト意識を醸成する上で重要な点であることを改めて認識しました。
セッションメモ
- Evolution of FinOps Capability
- 2019年からの FinOps ジャーニー
- Team Size
- Public Cloud Spend Growth YoY
- Cumulative Gross Benefit Growth YoY
- Marketplace Spend Growth YoY
- FinOps Foundation
- Awards & Key Milestones
- Capability Enhancement
- Public Cloud Tactics Maturity view
- パブリッククラウドにおける成熟度ごとのプラクティス
- Crawl
- BigQuery Slots
- 1Yr Reservations
- Gen5-Gen7 Upgrade
- Cutom Machine Type
- Idle & Rightsizing
- Walk
- Licensing - BYOL
- 3Yr Pricing Reservations
- Autoscaling
- Storage Lifecycle Management
- Enterprise Contract re-negotiation
- Run
- BigQuery Storage
- Spot Instances
- EC2 to Graviton
- Re-platforming
- Re-architecting Serverless, Containerization
- Power Scheduling
- MS Keys
- Automated Rightsizing
- Cloud Hackathon: FinOps Edtion
- 推奨事項だけでエンジニアの行動を促すのは難しい
- ハッカソンを実施することで得られるもの
- 現場で役立つスキルを身に付けられる
- サポートやアイデアを発見できる
- 楽しみながらスキルを身に付けられる
- 学習や共有のためのモチベーションが出る
- Expansion on Scope
- 各スコープをどのように進めてきたのか
- FinOps Shift Left
- Automation has to be within risk appetite, sensible and appropriate and within the overall mix of optimization strategies
- Identify usage reduction initiatives for automation. Across Compute, Storage & Network services
- We write code to enforce activation in Dev environments
- Leveraging in-house enforcement policies. Production raised as compliance violations.
- Automation policies will result in a higher implementation rate of cost saving tactics and reduction in costs.
- FinOps Data Centers & On-Prem
- Effectivr communication of On-Premise optimization outcomes.i.e. long-term benefit realization but immediate offset of growth
- Tactics validation with wider personas and establishing correct data sources & defining tactic rules
- Data extracts, Report building/MI & Tactic distribution
- Benefits Realization & Tracking to show correlation between tactic and outcome and redeployment of kit
- SaaS & Licensing Optimization
- FinOps approach to cost transparency and effective data alignment for entitlements and usage
- Identify key SaaS contracts for consolidation and licensing agreements with diarized renewals
- Identify opportunities for optimization and cost management through cost transparency and insights
- Reduced under-utilization; more effective use of licenses across business lines
- Technology & Business Value Proposition
- FinOps を実践することで得られている価値
- CSP Price Changes
- Minimum Revenue Commitment Analysis
- Application Placement Strategy
- FinOps Team Organization Placement
- Team Evolution
- 組織が拡大する中で、新しいペルソナの追加や新しいステークホルダーへのアプローチがされてきた
関連記事
国と地方におけるFinOpsへ向けた取組と課題
デジタル庁の楠さんからガバメントクラウドにおけるクラウドコストに関する現状と課題に関して紹介されました。少し前に、このテーマが取り上げられていたことや国の計画文書に FinOps という言葉が記載されていることなどインパクトがあり、会場も盛り上がっていました。その他にもデジタル庁内での AI の活用状況などにも触れられており、非常に興味深い内容でした。
個人的にも、現状や課題もあり民間のようにすぐに始められない部分もあるようでしたが、国の計画文書に FinOps という言葉が記載されていたことには驚きました。これからは「国も始めるみたいですし、FinOps やってみませんか?」と伝えていこうかなと思います。
セッションメモ
- 令和7年度デジタル社会の実現に向けた重点計画(概要)
- 自治体情報システムの標準化・ガバメントクラウド移行後の運用経費に係る総合的な対策<概要>
- https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/c58162cb-92e5-4a43-9ad5-095b7c45100c/dc96d895/20250613_policies_local_governments_doc_02.pdf
- 標準化は進んだが、費用がかかっているじゃないかという指摘が出ている
- 4.総合的な対策
- ここに FinOps という言葉が記載
- 国でも構築したら去っていくパターンが多い
- 優秀な人は次へ連れていかれるし、構築後のモニタリングが不足
- リフト&シフトされただけで、ネイティブやモダン化はできていない
- 6.自治体情報システムの運用経費等の課題と見通し(イメージ)
- 当時のレートと異なっている
- 東京の単価で計算している
- DX 人材やドメイン(役所)の知識が障壁になっている
- 本格的には26年になる見込み、今年が元年
- CSP と連携してクラウド勉強会をしている
- [参考]標準化・ガバクラ移行後の運用経費の増加要因(イメージ)
- マクロの経済環境の変化
- 自治体規模別の現行システムの状況と移行後の運用経費
- 一般市や町村が課題意識が高い、政令指定都市は次フェーズになるしリソースもありはする
- 標準化・ガバクラ移行後に現時点で見積られている運用経費
- ソフトウェア費用は人件費に当たるので読めない(説明が難しい)
- 1-3 のパターン
- ソフトウェア費用は人件費に当たるので読めない(説明が難しい)
- 令和7年度デジタル社会の実現に向けた重点計画(概要)
- (1)と(2) AI 関連
- 令和5年と6年でベンダーが変更
- 令和7年から内製している
- AWS GenU 利用して開発もしている
- 例:源内
- AWS GenU 利用して開発もしている
- デジタル庁でも8割くらいの方が利用している
- MCP も活用している
- Claude Code を試しているメンバーもいる
Yuichi Nakamura (Cloud Native Computing Federation),Noriaki Fukuyasu (Linux Foundation)
Linux Foundation のお二人から FinOps Foundation Japan Chapter が紹介されました。
FinOps Foundation Japan Chapter では各コンテンツの日本語化やイベントを運営されており、よりユーザー企業の方(実践者)にも参加してほしいと呼びかけがありました。
FinOps: the Woven by Toyota Way
トヨタ自動車社のカルチャーとウーブン・バイ・トヨタ社のステージや開発スキルにより、ネイティブサービスも利用しながら、それでは満たせないユースケースやもう一歩踏み込んだ施策の実践など、既に多くの成果が得られているとても参考となる FinOps の実践内容が紹介されました。
個人的にはエンジニアサイドとビジネスサイドでの課題が生まれてきた中で FinOps チームが作られブリッジのような形で両者に必要なリソースを提供されている点がまさに FinOps 原則 「FinOps should be enabled centrally(組織横断の専門チームが中心となりFinOpsを推進する)」や「Teams need to collaborate(組織内の各部門チームが協力をする必要がある)」 を体現されていると感じました。
セッションメモ
- FinOps Scope in Woven by Toyota
- エンジニアチーム内では対応ができていた
- 会社が大きくなるとビジネスサイドの方からの質問が増えた
- 誰に聞けばいいのかわからないという悩みや質問も多様化してきた
- そのため、間に FinOps チームができた
- 最初は両チームから1名ずつ
- FinOps Based on Business Requirements
- まずは現状を整理
- Business Problems -> 優先度や FinOps フレームワークと照らし合わせ -> Workstreams of Outputs を決めた
- まずは現状を整理
- Woven and FinOps
- トヨタの文化との相性も良かった
- カイゼンなど
- 4つの施策
- Continuouss Improvement
- Waste removal
- Visualization
- Autonomation
- トヨタの文化との相性も良かった
- Continuous Improvement Cloud Account Tag Automation
- 早くからクラウド利用していたため Control Tower のような機能もなく自作して、開発者が簡易に払い出せるようにしていたが、ガバナンスが効かなくなってきた
- 会社が新しいこともあり配賦ルールや項目も未整備だった
- 管理に利用者に紐づけたタグ管理を始めたが、人の出入りもあり難しくなった。利用者ではなくマネージャーに紐づけるように工夫した
- 結果としてタグ管理も上手く行えている
- Waste Workload Optimization
- S3
- Intelligent tiering を活用し一定の効果が得られた
- データ量自体が多かったため、もう一つ試作を実施した
- インベントリを収集し、レコメンド情報を作成する仕組みを開発した
- FinOps チームでは削除はできないので、レコメンドを届けている
- インベントリを収集し、レコメンド情報を作成する仕組みを開発した
- S3
- Visulization Reporting & Analytics
- クラウドプロバイダーのネイティブツールも利用しているが、自社内のユースケースを満たせなかった
- SaaS(サードパーティ製品)も検討したけど、費用対効果が合わず自作した
- 部署レベルや予算も含めて可視化できる
- Autonomation Automated Cloud Governance
- クラウドプロバイダーのサービス(例:SCP)も使っているが Wiz 利用して実施している
- 自動実行は基本的に利用者へ影響が出ない項目を実行している(例:gp2 -> gp3)
- Impact of FinOps
- 取り組みの成果
- Automate allocation
- With 100% of account tagged
- Cost visibility
- Established central dashboard with 6 customised charts
- Reduce waste
- Moved 50% of data to cost effetive storage classes
- Optimize workloads
- Covered 70% of CPU, GPU, Data services with reservations
- クラウドをビジネス開発に利用しているため、リソースの利用が増減するため 70% 程度にしている
- Covered 70% of CPU, GPU, Data services with reservations
- Governance policies
- Released 10 DevEx friendly policies to enable efficient resource provisioning
- Operational efficiency
- Reduce account deployment with compliant tagging to minutes
- Automate allocation
- 取り組みの成果
- FinOps Future
- 可視化
- AWS 以外のクラウド や k8s
- レイヤーを上位に(クラウド以外の部分ということ)
- AWS 以外のクラウド や k8s
- グループ内での横展開もしたい
- 可視化
Q&A
Q. 具体的なガバナンスポリシーの内容について
A. 例えば、「gp2 -> gp3」「s3 intelligent tiering の利用」「サイズが大きなインスタンス起動の制限」 etc
Q. FinOps を推進する際に周囲のチームからの反発はありますか?その対応はどのようにされたのか?
A. 反発はなかった。ただ会社自体が若いことで、ない情報を作成する場合などに、他と比べて優先度が低くなることはあった
Q. AI 利用の予定は?
A. AI も種類がある。既に慣れている領域は始める。生成AIなどは現段階ではスコープ外
Q. ダッシュボード利用の浸透はどうされたのか?
A. プロダクトオーナーにまずは見てもらい、そこからエンジニアに相談してもらうきっかけとして利用してもらっている
Q. 自社の良かった(優位だった)点は?
A. 会社が若かったので始めやすかった。既存で定まっている中で取り入れるのは大変だったかもしれない
分散型と集中型で切り開くクラウドコスト最適化:リクルート横断プロダクトCroisのFinOps実践(株式会社リクルート)
リクルート社内でプラットフォームとして提供されている横断プロダクト Crois に関する FinOps の取り組みが紹介されました。
元々の経営効率やコストパフォーマンスを意識するカルチャーによる土壌もあったとのことでしたが、この取り組みを通じて FinOps 原則でもある 「FinOps data should be accessible, timely, and accurate(FinOpsデータはアクセスしやすくタイムリーであるべき)」と「Everyone takes ownership for their technology usage(すべての人が自分のクラウド使用量に当事者意識を持つ)」 が実践され、より組織へ浸透されている素晴らしい取り組みのお話でした。
本題とは異なるのですが、新しいサービスを取り入れる際のコストデータ変換への影響について質問への回答の中で、アーキテクチャレビューの段階でコスト(処理や配賦)への影響が確認項目にあると話されていました。コスト増の有無は一般的かもしれませんが、コスト管理への影響まで設計の段階で意識されているのが印象的でした。
セッションメモ
- 横断プロダクトの課金ルール
- クラウドコストは請求する
- 請求先は受益者(利用者)
- 収支は±0
- FinOps が必要になった背景
- 以前は固定費である程度の収支目標が達成できていた
- 急成長に伴ってコスト管理に課題が看過できな状態となってきた
- コスト配賦
- コストデータへのアクセス
- コストデータの仕様変更への対応
- プラットフォームFinOps
- 利用者側での「分散的な使用量最適化」とプラットフォーム側での「集中的な料金最適化」を実施
- どのように進めてきたのか
- コストアロケーションロジックの見直し
- コスト計算の定期バッチ化
- BigQuery/Lookerでのコストデータ公開
- コスト見積りツールの提供
- コスト計算ロジックのdbt化
- コスト差分チェックの自動化
- コストデータパイプライン
- AWS, GCP から請求データを取得
- BigQueryへ
- dbt でデータ変換
- コストデータの品質担保
- 前回のスキーマと比較するチェックを定期実行して差分があると通知する仕組みを導入
- データ提供
- 利用者にとって活用しやすい形で提供
- プラットフォーム側での可視化
- 利用者独自のクエリで探索
- 利用者側のコストダッシュボードと統合
- 利用者にとって活用しやすい形で提供
- コスト見積りツールの提供
- 利用者側でのコスト最適化の文化が醸成
Q&A
Q. 新しいクラウドサービス利用に伴うデータ変換処理の更新はどのようなプロセスで決まるのか?今後、自動化することを検討しているか?
A. 新しいサービスを利用する場合はまずは Crois 側でアーキテクチャなどのレビューが行われます。そのレビュー内にコストに関する項目(コスト処理や配賦)があるため、そのタイミングで必要な対応や判断をしています。
関連情報
FinOps Framework Translator Panel
このセッションでは Cloud FinOps, 2nd Edition を翻訳された方々によるパネルディスカッションでした。今までベンダー等によるウェブ記事などで紹介されていた FinOps に関して、この書籍が翻訳されたことで体系化された学習コンテンツとして提供・紹介が可能となったという点と翻訳に際して、日本ならではの商習慣や組織構造を意識して翻訳されているという点が印象的でした。
(まだ読み終えていないので、夏休みの宿題となりそうです)
FinOps for AI
最後は再度 J.R.Storment さんから FinOps における AI(FinOps for AI) に関するセッションでした。
AI の急激な成長によりコントロールされないままではプロジェクトそのものに影響を及ぼす可能性があります。そのため FinOps for AI は重要です。FinOps for AI を実践するには、全く異なるスキルやプラクティスが必要ではなく、今まで培ってきた FinOps のプラクティスも適用できる。具体的な違いや最適化の観点が紹介されました。
個人的には AI はビジネスの目的ではなく技術の選択(手段)だというメッセージが印象的でした。テクノロジーによって得られた成果や投資対効果を評価するという視点は AI においても同様に重要なことを再認識するセッションでした。
セッションメモ
- Global spending on both Cloud and AI grow, at vastly different rates
- パブリッククラウドも AI も増加傾向
- ただ AI はより急激に成長
- What You Need to Know About AI
- 他スコープ(パブリッククラウドなど)の管理と同じ
- 押さえるべきポイント
- 用語
- プラクティス
- ペルソナとの関係
- 未知なコスト予測の経験
- スピード感
- FinOps Principles...still the same
- FinOps 原則は更新されていて AI にも適用可能
- FinOps Scope for AI
- パブリッククラウドに AI のスコープを追加
- AI 支出に FinOps が適用できるかを分けて考える
- AI はビジネス目的ではなくテクノロジーの選択(手段)
- Practitioners still laying the groudwork for understanding their AI costs before they optimize ...
- FinOps for AI 実践者の注力している機能(Capabilities)
- Build,buy or outsource: impacts your FinOps for AI practice
- AI は様々なプラットフォームや形態で提供される
- AI introduces a lot of optimization levers for you to pull
- 多くの要素で構成されている
- 提供形態によってその範囲も異なる
- Prompt engineering, MCP, and paralleilzation complete the menu
- 多くの最適化のポイントがある
- FinOps for AI Optimization in Action
- 最適化の機会を見つける
- 何ができるかを判断する
- 優先順位を決める
- 関係者が行動を起こせるようにする
- 効果を測定して評価する
関連情報:
さいごに
今回 FinOps X Day へ参加をしてきました。リアルで J.R.Storment さんを見られたことと国内でカンファレンスが開催されるようになったのはとても嬉しいことです。FinOps も FinOps Foundation もまだ知る人ぞ知るという感じな部分もあるため、今回のようなイベントが増えることで広まっていくと良いですね。私も何かしらの形で、微力ながら貢献できればと思います。
余談ですが、今回海外からのスピーカーや参加者もいらっしゃったため、翻訳ツールとして Wordly が提供されていましたが、とても優秀でした。ありがたい。