「ふりかえりカンファレンス2022」に参加してみた #ふりかえりカンファレンス

2022.04.09

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんばんは。CX事業本部MAD事業部のYui(@MayForBlue)です。
本日オンラインで開催された「ふりかえりカンファレンス2022」に参加したので、学んだことや感想をブログにしました。

登壇資料が公開されていることを確認できたものはリンクを記載させていただいています。

視聴したセッションと感想

「場づくり」から始めるふりかえり/高柳 謙さん

前半はふりかえりの場づくりの話、後半は「今日の自分のあり方を考える時間」としてのワークの時間でした。

学んだこと

  • 場の設計がとても大事
  • (特にオンラインで)どのツールを使うかも場やコミュニケーションに影響する
    • 例えばミーティングツールは何を選ぶ? Zoom? Gather? oVice? 他のツール?
  • ふりかえりの目的がしっかりしていても場づくりの意識がないとうまくいかない可能性がある
    • 例えばいつやるか
    • 疲れた状態でやってもネガティブな意見が多くなってしまう
  • そのときのチームの状態によってもやり方は変わる
    • チームのスタート期?立ち上げからしばらく経っている?

感想

場づくりには考慮すべき重要な要素がたくさんあり、そのときのチームの状況やその場に何を求めているのかをきちんと考え、場の目的を達成するためにしっかり設計することが重要なのだと知りました。また、ただふりかえりやミーティングを設定するだけでなく 、場づくりができていることで初めてその会の効果が最大限発揮され、価値あるものになるんだなと感じました。
がおりゅーさん が普段どのようなことを考えて場づくりをされているのかを知ることができて興味深かったです・・・!

はじめて『ふりかえり』やってみた!しかも毎回異なる手法で! / CHIKA YOKOKURAさん・Takumi Suzukiさん

登壇者のお二人が初めてふりかえりをやってみたところから、よかったポイントや気づきを得たというセッションでした。

学んだこと

  • ふりかえりをうまく使うことでチームメンバーのことをより知ることができる
  • 自分とは違う発想を得られる
  • 人によってやりやすいふりかえり手法は違う
  • そのときのチームが持っていきたい方向性によってもマッチする手法は違う
  • その場や人にマッチする手法を見つける・使うことでよりよいふりかえりができるようになる

感想

お二人がとても楽しみながらふりかえりを実践されている様子が伝わり、聞いていて楽しかったです。
また、ふりかえり初心者ほどいろんな手法を試してみるといいというアドバイスが心強かったです。

アジャイルコーチのファシリテートから分かる、チーム立ち上げ期ふりかえりのポイント / Aiko Satakeさん ・ Hiromi Takahashiさん・Masashi Arinoさん

スプリント期間が長いプロジェクトやスクラムがうまくいっていないチームで改善を続けた事例を聞くことができるセッションでした。

学んだこと

  • スプリント期間を短くすることで結果を早く知ることができる
    • スプリントの数だけふりかえりができる→スプリントを短くたくさん回すことでふりかえりの量も増える
  • スクラムマスターはしがらみのない人にお願いするのがよさそう
    • 上下関係があると発言しにくくなってしまう

感想

立ち上げ期にスクラムがうまくいかないというのはあるあるだと思うのですが、そこからどのように改善していったかの過程を知ることができ、勉強になりました。 外部のアジャイルコーチやスクラムマスターに入ってもらうことも選択肢の一つとして持っておきたいと思いました。

Retrospectiveの原点から考えるふりかえりの意義とコツ / aki matsunoさん

Project Retrospectives の本をもとに、Retrospective にまつわるトピックの講義を Lean Coffee 形式で行うセッションでした。

登壇資料

学んだこと

  • Retrospective でネガティブなことをふりかえるときには気をつけるべきポイントがある
    • 参加者に身体的・精神的にダメージがないタイミングを選ぶ
    • 時間をかける
    • 安全な場をつくる etc...
  • Retrospective にファシリテーターが必要な理由
  • ふりかえりはチームのかたちに合わせるのがとても大事
  • Lean Coffee はファシリテーターがいなくても進めやすいので、ファシリテーターをつくるのがむずかしい場合はこの手法をとってみるのも◎
  • ふりかえりチートシートでいろいろなふりかえり手法を知ることができる
    ふりかえりを拡張する「ふりかえりチートシート」

感想

セッション自体を Lean Coffee 形式でやるというのがおもしろかったです。聞きたいトピックに対して自分で投票できるのでイベントに参加している感が強くなりました。
そして投票したテーマが話されると嬉しい・・・!
「チームの形にふりかえりを合わせる」というのが特に印象的でした。

いろいろ試行錯誤して辿り着いたシンプルがゆえに使い勝手がいいプラス/デルタ / keiichiro kawanoさん

KPTから始めたふりかえりで「プラス/デルタ」を取り入れるに至るまでの過程とそこから得た学びを共有していただけるセッションでした。

登壇資料

学んだこと

  • 紹介されていたKPTに「Concerned(気になったこと)」を含めたKPCTの手法
  • ふりかえりで出てくる付箋はあくまで氷山の一角。きちんと掘り下げて水上に出すことが大事。
  • アクションは無理に引き出さなくてもいい
    • 出てこなかったら出てこなかったでいい
    • 共有できただけでも価値がある
  • ふりかえりの話題にあがらなかったトピックでも「最後にこれだけは話しておきたいことはありませんか?」という問いかけをする
    • 話題にあがらなくても誰かが大切に思っていることをちゃんと拾うことも大事

感想

グランドルールを作るのではなく文化や習慣を作っていくというスタンスがとてもいいなと思いました。 また、ドット投票が効果的だというお話があり、ドット投票をすることでみんなが付箋に一度は目を通し、最低限の共有が行われるということに「たしかに・・・!」という発見がありました。
プラス/デルタという手法をこのセッションで初めて知ったのですが、ぜひやってみたいと思いました。

ぼくらはふりかえりをやらなくなったわけじゃない、ふりかえりが習慣になったんだ/Takao Oyobeさん

最初は毎週KPTをやっていたが、やり方を変えたり改善していく中でだんだんふりかえりをやらなくなったことに気づいたそうです。 実はふりかえりをやらなくなったのではなく「固定枠のふりかえり」をやらなくなったということだったのですが、そこに至るまでの経緯や固定枠でないふりかえりのメリットを知れるセッションでした。

登壇資料

学んだこと

  • 固定枠ではなく、ふりかえりたいときにふりかえってよい
    • ふりかえりとふりかえりの間隔が短い方が思い出しロスやコストも減る
  • チームのコンテキストが揃っているとゴールデンタイム(場のクリエイティビティが最高に高まる時間)が発生しやすい
  • コンテキストを常に同期できていれば何かを生み出す準備もすでにできていて、ふりかえりもいつでも始められる
  • コミュニケーションはむずかしいものなので、コミュニケーションの量を増やすことで質を高めていく
  • 目的・方法(Doing)だけでなく、どうありたいか(Being)も大事

感想

いつでもふりかえりができるのは普段からたくさんコミュニケーションをとっていてコンテキストの同期を実現できているからなんだなと感じました。
「コミュニケーションはむずかしいもの」というところに思わず「うんうん」と頷いてしまいました。
量で質を凌駕するという考え方を実践したいと思いました。

ここからはLTタイム

人生初のふりかえりファシリをオンラインでやりきった時の話

初めてふりかえりのファシリテーターを任されたときに、どのように成功させたかというお話です。

登壇資料

学んだこと

  • 事前準備をしっかりすれば初めてでもふりかえりのファシリを成功させられる!
  • 準備することで、ふりかえりの場では余力ができてメンバーをきちんと観察しながら話題をふったり問いかけることができる

感想

ファシリが好評で定期開催することになった話やMiroのテンプレートと台本を渡して誰でもいつでもふりかえりができるようにした話が素晴らしいなと思いました。 私自身ふりかえりのファシリなどはやったことがないのですが、実践できそうなお話を聞けてとても勉強になりました。

TRPGからふりかえりを学ぶ 〜アジャイル以外のふりかえり文化〜

もともと同じタイトルでCFPに出していた45分の内容を10分で話すというLTでした。
TRPGからふりかえりを学ぶ~アジャイル以外のふりかえり文化~

登壇資料

学んだこと

  • TRPGとは:テーブルトークロールプレイングゲーム
  • ネガティブポイントは目につきやすいけど楽しくない
  • ポジティブにふりかえることが大事

感想

45分の内容を10分にまとめたということで全てをお聞きすることはできなかったのですが、ぜひフルバージョンで聞きたかったです。TRPGという言葉を今回初めて知りました!

ふりかえりツール「RetroCycle」を用いたふりかえり

誰でもふりかえりを実践できる「RetroCycle」というツールのご紹介のLTでした。

学んだこと

  • ファシリテーターはたいへん
    • 準備や手法の説明、心理的負担...
  • 「RetroCycle」を使うことで誰でも簡単に質の高いふりかえりを実践することができる

感想

「すべてのチームを自律的に学習できるツールにしたい」とおっしゃっていたのが印象的でした。 「RetroCycle」はクローズドベータ版のテストユーザーを募集しているそうです。気になる・・・!

問題解決会になったふりかえりからの脱却

いつのまにかふりかえりが「問題解決会」になってしまっていたことに気づき、そこからどのように脱却したのかというLTでした。

学んだこと

  • ふりかえりがただの問題解決会になってしまうと、ふりかえりまで問題を持ち越してしまい改善のサイクルが遅くなる
  • ふりかえりを待たなくても問題が起きたら日々の中で解決する
  • 問題に引っ張られにくいふりかえりの手法をつかってみるのも効果的
    • YWT, Fun / Done / Learn ,etc...

感想

「問題解決会」、身に覚えがあり耳が痛かったです。普段から日々の中で問題解決できるチームにするというのはとても大事だなと思いました。

12Kgのダイエットから学んだ、ふりかえりでチームを1mm前進させるマインドセット

12Kg15Kgのダイエットから学んだことがふりかえりやチームにも活かせるというLTでした。
(タイトルは「12Kgのダイエット」でしたが、「15Kgのダイエット」になったそうです。すごい・・・!)

学んだこと

  • 実際の現場では困難な問題から目を背けてかんたんな改善を繰り返しがち
    • 長い目で見たときに期待したほどの成果が出なかったり困難な問題がどんどん大きくなっていったりする
  • 困難な問題にふりかえりできちんと向き合うことが大事
  • 安全な場づくりは大前提
  • 困難な問題に対して1,2スプリントでなんとかしようとしない。小さなステップに分割してコツコツやる
  • 地道なことをコツコツやるのが結果的には近道になる

感想

ダイエットの成功要因として、「ラーメンをやめるという困難な問題を解決した」というところからふりかえりの話になり、冒頭で心を掴まれてしまいました。 困難な問題を解決するためのヒントがたくさん得られてとてもためになりました。

失敗を喜ぶんじゃない!学びを祝うのだ! 〜Celebration Gridのご紹介〜

Management 3.0 というフレームワークのプラクティスの1つである、Celebration Grid についてのLTです。

学んだこと

  • 失敗には種類がある
    • 単なるミスのケース
    • 上手くいくと思ってやってみたけど思った通りにならなかったケース
  • 失敗はしてもいい!
    • 仮説を立てて実験してみること
    • 仮説が立証できた/立証されなかったケースのどちらにも学びがある
  • 失敗を嘆くのではなく学びを祝う
  • 学びをもとにうまくいくことを増やしていく

感想

最近 Celebration Grid のことを知って「失敗したことを祝福する」というメッセージがとてもいいなと思っていたので、他の方のお話が聞けて良かったです。
「失敗を嘆くのではなく学びを祝う」という考え方がもっと広まっていくといいなと思いました。

突如チームのレトロに呼ばれて 〜「時間が合う」のと「いいレトロにできる」のは違う〜

他のチームからレトロスペクティブのファシリを依頼されたら「ほいほい」対応していたが、ある時それは違うということに気づき、そこから得た学びについてのLTでした。

学んだこと

  • いいレトロスペクティブにするために大事なことがいろいろある
    • チームとの関係性
    • チームがふりかえりに何を期待しているのか etc
  • 時間が合う人がファシリをやればいいというわけではない
    • お互いを受け入れられる関係性が構築できていること
    • 期待を明確にすること、チームの背景を知っていること

感想

キーノートでも場づくりの話がありましたが、よい場づくりのためにはきちんとチームと向き合うことが大事なんだと感じました。

未来を語り合うふりかえり

カンファレンスのチームのふりかえりで未来を語るふりかえりができたというLTでした。

登壇資料

学んだこと

  • サンクスボードを使うことで感謝が多いふりかえりの場にできる
  • 未来の理想像を書き出し、現状からどう近づくかを書き出す方法が良かった

感想

未来の理想像を再認識することでワクワクしながらふりかえりができたという経験がとても素敵だなと思いました。 ワクワクできるふりかえりをやっていきたい・・・!

感想・まとめ

最近ふりかえりやふりかえりの手法に興味を持ちはじめたところでふりかえりカンファレンスの存在を知り、とても楽しく参加できました。
いろんな方のお話を聞いて、ふりかえりってこんなに奥が深いんだなと思いました。
それぞれのチームに合う場づくりやふりかえりの手法、やり方があるという学びがあり、いろいろ試してみたくなりました。
場づくりの設計もとても奥が深く、もっと学びたいと思いました。

「ふりかえりカンファレンス2023」は 2023/4/8(土) に開催予定だそうです!
このブログを読んで興味を持たれた方がいれば幸いです。

以上、CX事業本部MAD事業部のYui(@MayForBlue)でした!