新卒研修 チーム開発のふりかえり(2022年度版)

2022.07.07

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はじめに

2022年の新卒研修の4週間でチーム開発の講師として研修を行いました。提供者チームとしてのふりかえりを抜粋してお届けします。

研修の内容は例年同様、お題をクラスメソッド社員が日常的に使うアプリケーションとして価値提供を目的としたソフトウエア開発を行い、スクラムの1週間スプリントと1日スプリントを併用した形としました。

今回の新卒対象者はエンジニアの6名。タイムラインとしては4月の前半で学習やクラスメソッドのカルチャーについて等のソフトスキル、4月後半から5月後半にかけてLinuxやリーダブルなコードや設計、AWS等についてなどのハードスキル、そして最後6月にチーム開発の研修でした。また常にエルダー(精神的なサポーター)との朝会がありました。

そんなお膳立てもあってか、新卒メンバー同士の関係性ができていたり、自分たちでファシリテートする文化があったり、ある程度健全に議論する素地ができていたりと特に関係性の練度が高いチームに見えました。また技術的にも今回のアプリで使う技術スタックに強いメンバーが数名居た状況です。

結果、1スプリント(週)目から成果物にフィードバックを得られたり、研修修了時点でも役に立つ可能性の高いプロダクトになりました。途中のチーム自身のタックマンモデルの評価によると混乱期か統一期という意見で、実際熱い意見のぶつかりあいがあったり、自分たちのゴールのすり合わせを行ったりする場面が何度かありました。

うまくいったこと

研修の目的を最初に提示した

研修の目的を提示しました。そのため、新卒メンバーのみならず提供者間でも目的が共有された上で認識のズレの少ない会話ができたと思います。

ただ上手く行かなかった点もあるのでもっとうまくできるのセクションで紹介します。

予め関係者の稼働を確保した

今までは元気玉方式(漫画ドラゴンボールより:エネルギーを少しずつ分けてもらう事)で多くの人を募って、その時々で関われる人が関わる方式で運営していました。その結果、質問されたても文脈が分からないのでどう答えてよいのか分からない、などの問題がありました。

そのため、一つの解決策として少数でも予め研修のために安定して稼働を確保してもらうようにしたところ、質問されても文脈が分からないことはなく、提供者のミーティングの中でも新卒チームの状況を共有してる前提で会話することができました。

研修提供者の定例ミーティングで認識を合わせた

研修提供者として、講師/ファシリテーターとオブザーバーが居ました。

  • 講師/ファシリテーター(2名)
    • コンテンツを考えて提供する
    • 必要に応じてイベントをファシリテートする
    • 主に進め方の質問に答える
  • オブザーバー(2名)
    • 主に技術的な質問に答える

(どちらも実際は新卒チームに対してフィードバックする機会の方が多かった)
2ヶ月前にざっくりやることと期待する事を共有、1週間前のMTGで改めて目的、やること、期待の認識合わせをし、その中で研修提供者チームの定期ミーティングを設ける事がアイデアとして出ました。4週間の研修中で最初は週2回その後は週1回でミーティングを設定し、その中で新卒チームの状況を見つつ、問題はあるのか、私達はどう振る舞うと良さそうか、等の認識を合わせました。

これは、提供者のチーム作りとしても上手く働き、提供者として一貫した意思を持って新卒メンバーと接することができました。

資料を書き直した

基本的に前年度の資料と内容をベースにしました。ただ自分にとってもっと良く説明できそうな箇所や例もあったため、資料をUpdateして自分の言葉で説明できるようにしました。

これは昔、はじめて研修を提供する際、著名な方の資料をフル引用して腹落ちしきれてない箇所がありながらも説明した時よりも、自分の言葉で説明できるようにした方がより伝わる、とフィードバックを貰ったのが影響しています。

どれだけ伝わったかは計測が難しいですが、少なくとも自分が腹落ちしてる内容を提供できたと思います。

Gatherでオフィスをシミュレーションした

Gatherというオフィスをシミュレーションしたようなオンラインミーティングツールがあります。ドラクエ風のドット絵で実際のオフィスに居るように誰がどこにいるか分かり、同じ会議室にいると話が聞こえる、離れると聞こえない等の機能が提供されています。

「技術的に分からない事はオブザーバーに聞いてね」とは言われても特にオンラインではハードルがあるのが常です。今回はオブザーバーがGather上で席の隅っこに佇んでたり、たまにテーブルに参加することで、”いつでも聞いて良いですよ”というメッセージになったのか、気軽に話しかけてもらえました。

また、新卒同士も6名のチームで例えば3名x2で別のタスクを行い、必要になったら歩いて聞きに行くなど、バーチャルオフィスを上手く活用していたようでした。

会社のワーケーション提供を研修初期で使った

会社としてCOVID-19の影響もあり、ワーケーションの補助がありました。新卒メンバーはそれを上手く使ってチーム開発研修二週目に北海道にワーケーションに行きました。(自分も行きたかったですが、色々と乗り遅れて調整できなかったので諦めました)結果、今まで基本オンラインでの研修でしたが、ちょっとしたことが話しかけやすく解決が早いなど、オフラインのメリットも感じたようでした。

ワーケーション補助の仕組みをこのタイミングで使うなんて天才か!と。

楽しかったという声があった

色々書きましたが、これが一番です!チーム開発を含む研修全体の目的としても掲げていました。とにかく4週間の中で少しでも楽しい時間を過ごせてもらえたのが何よりでした。

もっとうまくできる

研修の目的の優先順位を明確にする

研修の目的を掲げましたが、割と優先順位をどうにでも取れるような目的でもあったため、研修初期に利用者に価値を提供すること(というよりも価値提供のスピード)を最優先にして、学んだりチームで協力する事が二の次になるような傾向がありました。

そのため、研修の途中で優先順位を共有しました。途中で提供するのも良かったですが、最初に目的の優先順位を提供するか、もっと分かりやすく一つの目的にするのも良さそうです。

研修が上手くいってるのか、不安要素が無いのかなどが途中で把握できてなかったので、途中で研修に対するフィードバックをもらう

思えば、こういう進め方してるけど、本当に伝わってるのかや、不安に思うことのフォローは出来てるかなど思う部分もありました。なので、途中でフィードバックを貰って軌道修正していればもっと良い体験を提供できた可能性があります。

失敗してもらうことを提供者のポリシーとして持っておく

これは、今回は提供者でポリシーとして認識を合わせられたところです。来年も引き続き新卒研修という、すっころんでも安全な場なので、大いに失敗してそこから学んでもらうことをポリシーにしようということです。

研修が始まってから出てきたコンセプトですが、引き続き行いたいことです。

まとめ

今回自分自身が初めて新卒研修に携わるにあたって、前年からの引き継ぎやふりかえりの共有がより良い研修を提供するためにとても役立ちました。来年のクラスメソッドや各社の研修のヒントになれば幸いです。

Special Thanks!