変更契約書における収入印紙

こんにちは。
結婚することになり、浮かれポンチのクニ吉です(*´ェ`*)
最後のブログ投稿からかなり間が空いてしまいました。。。
来年から技術系チームに異動することになっているため、後輩のためにも今までの知識や経験をまとめておこうと思った次第です。
異動したら「しがない元事務員の◯◯◯」的なものを書いていきたい。。。

それはともかく、意外と好評で実は地味にPV稼いでる収入印紙シリーズの続編です。
これまでのバックナンバーはこちら

第一弾:「収入印紙って何ぞ?
第二弾:「受発注書類の収入印紙
第三弾:「収入印紙代の節約法
第四弾:「間違えて貼った収入印紙を返金してもらう方法

変更契約書とは

変更契約書」とは、既に存在している契約のことを「原契約」と言い、原契約の同一性を失わせずに、その契約内容を変更するための契約書のことです。
個別契約においては「納期の変更」や「契約金額の変更」などに利用されることが多く、「覚書」や「変更契約書」といった名称の契約書であることが多いようです。
変更契約書は個別契約のみならず、「継続的取引の基本となる契約」等の変更にも利用されます。

変更契約に該当しない例

契約書の「債務の要素」を変更する場合は「変更契約」ではなく「更改(こうかい)」として契約の同一性は失われ、新しい契約を結ぶ必要があります。
新しい契約を結んだ場合には、既存の債権は消滅すると同時に、新しい契約によって新しい債権が成立します。(民法513条)

「債権の要素」とは、下記3つが挙げられます。

  • 債権者の変更
  • 債務者の変更
  • 給与の内容(目的)の変更

更に「給与の内容(目的)の変更」とは、下記3つが挙げられます。

  • 条件付債務を無条件債務にした時
  • 無条件債務に条件を付した時
  • 債務の条件を変更した時

変更契約書における課税の判定

まず、変更契約書に「重要な事項」が含まれているかどうかにより課税の判定をします。
つまり、「重要な事項」が含まれていない場合には課税対象とはなりません。

重要な事項とは

「重要な事項」とは、印紙税法基本通達別表第2「重要な事項の一覧表」にて各区分毎に定められた内容が基となります。
今回は、2号文書と7号文書のみ抜粋して一覧にしましたのでご覧ください。

2号文書 請負の内容(方法を含む。)
請負の期日又は期限
契約金額
取扱数量
単価
取扱数量
契約金額の支払方法又は支払期日
割戻金等の計算方法又は支払方法
契約期間
契約に付される停止条件又は解除条件
債務不履行の場合の損害賠償の方法
7号文書 7号文書となる5要件
※バックナンバー「収入印紙って何ぞ?」をご参照ください
契約期間(上記に該当する文書を引用して契約期間を延長するものに限るもの)
※延長期間が3か月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く。)

例えば、契約金額を変更する場合は、2号文書の重要な事項「契約金額」に該当するため、課税対象であると判定されます。
この時、原契約からの変更金額や記載方法により、収入印紙の金額が変更になります。

課税区分の混在について

変更契約書も課税区分が混在する場合があります。
基本的に原契約書が課税物件表の1つの号のみに該当し、変更契約書に「重要な事項」を含む場合は、原契約書と同一の号の文書として扱います。
つまり、原契約書が2号文書のみに該当し、変更契約書に「重要な事項」を変更する記載があった場合は、変更契約書も「2号文書」として扱います。
しかし、原契約書が2号文書と7号文書など2つ以上の号に該当する場合、記載内容によりいずれかの号に所属を決定します。

状況 区分 具体例
原契約書が2号文書に該当し、2号文書に掲げる「重要な事項」を変更する場合 2号文書 原契約書の「業務委託契約書」に定めた取引条件のうち「代金支払方法の変更」をするために変更契約書を作成した場合、2号文書の重要な事項「契約金額の支払方法又は支払期日」に該当するため、変更契約書は「2号文書」として扱う。
原契約書が2号文書と7号文書に該当し、変更契約書では2号文書に掲げる「重要な事項」のみ変更する場合 2号文書 原契約書の「ソフトウェア開発基本契約書」で2号文書と7号文書の両方に該当し、契約金額の記載がないことから原契約書は7号文書に所属を決定されたものとする。
原契約書に定めた取引条件のうち「納期の変更」をするために変更契約書を作成した場合、2号文書の重要な事項「請負の期日又は期限」に該当するが、7号文書の重要な事項に「期日・期限」は定められていないため、変更契約書は「2号文書」の重要な事項を変更するものとして、「2号文書」として扱う。
2号文書と7号文書に該当し、2号文書と7号文書に掲げる「重要な事項」を変更する場合 印紙税法別表第一「課税物件表の適用に関する通則」3の規定に基づいて決定 原契約書の「保守業務委託基本契約書」で2号文書と7号文書の両方に該当し、契約金額の記載があったことから原契約書は2号文書に所属を決定されたものとする。
原契約書に定めた取引条件のうち「作業範囲の変更」をするために変更契約書を作成した場合、2号文書の重要な事項「請負の内容」と、7号文書の重要な事項「目的物の種類」に該当するため、変更契約書は一旦2号文書と7号文書の両方に該当することになるが、契約金額の記載のないことから最終的に「7号文書」として扱う。

※印紙税法別表第一「課税物件表の適用に関する通則」3の規定とは、バックナンバー「収入印紙って何ぞ?」の「課税区分の混在について」に記載した内容です。

変更契約書における記載金額の判定

変更契約書が2号文書と判定された場合、「受発注書類の収入印紙」で書いたとおり、契約書の記載金額により貼付する収入印紙の金額が変わります。
変更契約書の場合、
「変更前の契約金額等の記載されている文書が作成されていることが明らかである」
「変更の事実を証すべき文書により変更金額が記載されている」
という2点を前提として、

  • 契約前の契約金額から増額する場合には、当該変更金額を記載金額とする。
  • 変更前の契約金額から減少する場合には、記載金額はないものとする。

となります。
「変更前の契約金額等の記載されている文書が作成されていることが明らかである」とは、変更契約書に変更前の契約書の名称、文書番号又は契約年月日など原契約書を特定できる事項の記載があるような場合を言います。

前提条件を満たした場合の記載金額の判定

記載内容の例 変更契約書における記載金額 印紙税額
1 平成○年○月○日の原契約書の契約金額500万円を200万円増額する 200万円 400円
2 平成○年○月○日の原契約書の契約金額500万円を700万円に変更する 200万円 400円
3 平成○年○月○日の原契約書の契約金額を50万円減額する 記載金額なし 200円
4 平成○年○月○日の原契約書の契約金額を500万円から450万円に変更する 記載金額なし 200円

前提条件を満たしていない場合の記載金額の判定

記載内容の例 変更契約書における記載金額 印紙税額
1 当初の契約金額500万円を200万円増額する 700万円 1万円
2 当初の契約金額を700万円に変更する 700万円 1万円
3 当初の契約金額を200万円増額する 200万円 400円
4 当初の契約金額を500万円から50万円減額する 450万円 2千円
5 当初の契約金額を450万円に変更する 450万円 2千円
6 当初の契約金額を50万円減額する 50万円 200円

これは、「平成○年○月○日の原契約書の契約金額」等の記載がなく、「変更前の契約金額等の記載されている文書が作成されていることが明らかである」という前提条件が満たされていないため、変更契約書に記載されている「契約金額」をそのまま記載金額としています。

契約書の書き方でこれだけの金額差が出てきますので、ご注意ください。

◎おさらい

  • 変更契約書とは、原契約書の同一性を失わせずに内容を変更するための契約書のことを言う。
  • 債務の要素を変更する場合は、更改として扱うため変更契約とはならない。
  • 変更契約書の課税判定は、各号の「重要な事項」が含まれているかどうかで決定する。
  • 変更契約書は、記載内容によっては原契約書とは異なる課税区分に所属する場合がある。
  • 変更契約書の記載金額は、原契約書についての記述や金額の記載方法によって異なる。

変更契約書についてはこの辺を押さえておけば問題ないかと思います。
本ブログがみなさんのお役に立てると幸いです。

ではまた。