スクラムフェス仙台2023のキーノートで登壇してきた
はじめに
こんにちは、モダンオフショア事業推進担当兼Classmethod Vietnamの藤村です。2023年8月25日〜8月26日に仙台で開催されたスクラムフェス仙台2023のキーノートとして「厄介な現実に向かって一歩踏み出そう」という登壇をしてきました。
今までもアジャイルやスクラムのカンファレンスで何度か登壇してきましたが、キーノートとしての登壇は今回が初めてでした。実行委員の方から最初にお声がけ頂いた時は、そんな大役を私が務められるんだろうか、期待に応えることができるんだろうかと一瞬躊躇しましたが、「迷ったら危険な方を選ぶ!」をモットーに生きてきたこともあり、「ぜひやらせてください!」と伝え、今回キーノートで登壇させて頂けることになりました。
登壇資料
登壇資料は以下となります。
今回の登壇で書籍から引用した内容をいくつかピックアップしてお伝えします。
迷ったら危険な方を選べ!
私が尊敬する岡本太郎氏の言葉です。人生の選択で迷った時は、いつもこの言葉を思い出し、家の近所の岡本太郎美術館を訪れ、覚悟を決め、危険な方を選択してきました。その決断が正しかったのかは分かりませんが、少なくとも後悔はしないで生きてこれているかと思います。プレゼンの一番最後でも改めて話したのですが、何か意思決定が必要な際に、前もって自分なりのルールを決めておくことが一歩を踏み出す(行動を起こす)ことに繋がります。「迷ったら危険な方を選ぶ!」というシンプルなルールを決めておくことをぜひ皆さんにもオススメしたいと思い、紹介しました。
今日がどんな日になるか分かるなら、ちょっと死んでいる
『ブラック・スワン』の著者としても有名なタレブ氏の箴言集。今日一日が、朝のうちに正確に分かるような毎日、送ってないですか?この箴言集は、他にも以下のような箴言が392個も並んでいて、かなりグサグサ来るのでオススメです。
読みの鋭いカール・マルクスは、自分は会社員だと思い込ませたほうが奴隷はずっと飼いやすいのに気がついた。
サラリーマンとは制度化された奴隷のことだとわからない人は、目が見えないか、さもなければサラリーマンかのどちらかだ
中毒になったら一番ひどいことになるもの三つ。ヘロイン、炭水化物、そして月給。
テクノロジーと奴隷制の違いとは、奴隷のほうは自分が自由でないのを完全にわかっていることだ。
一番の下手くそでいよう
こちらは有名な言葉ですね。あえてラーニングゾーンに身を置き、そこで「一番の下手くそ」でいることが、個人のスキルアップ方法としては有用です。一点重要なのは、次のラーニングゾーンに進む前に、自分が得られたもの以上のものをその環境に返しておくことが重要です。環境(会社)を自分のスキルアップの道具としか考えない人には、徐々にラーニングゾーンの機会が与えられなくなっていくでしょう。
この国には希望だけがない
私が大好きな小説です。この国には希望がない、だから諦めるのではなく、自ら行動し始める。これが重要だと考えてます。
(後付)と書いてるように、最初から大層なことを考えていたわけではありません。けれども、徐々に希望が薄れていく(と感じている)この国を何とかしたい、今目の前の仕事がその"日本を何とかしたい"に繋がっているという思いを強く持って、仕事に取り組んでいきたいと考えています。
ウミガメが日本にも必要
私の登壇スライドで何度も何度も引用している、『若者よ、アジアのウミガメとなれ』。私の人生のバイブルです。本当は私自身がアジアのウミガメとなって活躍したかったのですが、最近は現実を受け入れ、私が所属しているClassmethod Vietnamなどを使って、アジアのウミガメを目指す若者を支援していきたいと考えています。
人はポジティブな夢を見るだけでは行動しない
私自身、今までポジティブな登壇を聞いたり、本を読んだりしても、それが行動につながるケースと繋がらないケースがあり、その違いはなんだろうと思っていたのですが、その答えがこの本に書かれていました。単にポジティブな気持ちになるだけだと、それで夢が叶ったと脳が認識し、エネルギーとやる気を低下させてしまっていたとのこと。これは、特にポジティブな雰囲気が強いコミュニティ、カンファレンスでも気をつけなければいけないことだという危機感を持ったため、登壇の最後にお話ししました。人のポジティブな挑戦話を聞いているのは心地よく、それを聞いている間はワクワクした気持ちになれて気分が良いです。ただし、それだけだと逆にやる気を削ぐことになってしまうというのは衝撃の研究結果でした。
ではどうすれば良いのか。そこで鍵となるのが、メンタル・コントラスティング、事前に具体的な行動を決めておく、そして「自分は成功する」という思いを持てるかどうかです。メンタル・コントラスティングは、簡単に言うと、ポジティブな夢に立ちはだかる障害(ネガティブ要因)を思い浮かべ、現実と対決させることです。
具体的なステップは以下の通りです。
皆さんもポジティブな話を聞いたり読んだりした時は、「アゲアゲな気持ちになった!」だけで終わらせず、すぐに自分の現実世界で実行した場合の障害とその対策を頭のなかで対決させる、それをやってみると、行動するエネルギーが湧いてくると思います。ぜひ試してみてください。
さいごに
今回のスクラムフェス仙台では、自分なんかがキーノートで話して良いんだろうか、誰かのためになることを話すことなんてできるのだろうかということを、一ヶ月ぐらい悩み続け、土日も平日の夜もコワーキングスペースに通い、スライドを作っては消しを繰り返してきました。今となってもこの登壇内容で良かったのかは確信が持てていません。
けれど、キーノートで話したことがきっかけで、初日の懇親会、その後の飲み会、二日目の日中、夜の飲み会、帰りの新幹線などで、今まで話したこと無かった沢山の人たちと話すことができたので、その成果には大満足です。
このような素晴らしい機会を提供してくれた運営の皆さん、セッションを聞いてくれた皆さん、セッション後にお話ししてくれた皆さんに感謝しています。ありがとうございました。