スクラムマスターをしながら、アジャイルコーチにはなれなかった話 #scrumosaka

2020.06.29

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Scrum Fest Osakaとは?

2020年6月26(金)・27日(土)にScrum Fest Osakaがオンラインで開催されました。 Scrum Fest Osaka 2020@ONLINEは以下のようなイベントです。クラスメソッドではシルバースポンサーとして協賛を行いました。

Scrum Fest Osakaはスクラムの初心者からエキスパート、ユーザー企業から開発企業、立場の異なる様々な人々が集まる学びの場です。この2日間を通じ、参加社同士でスクラムやアジャイルプラクティスについての知識やパッションをシェアするだけでなく、ここで出会ったエキスパートに困りごとを相談することもできます。

スクラムマスターをしながら、アジャイルコーチにはなれなかった話

本記事は、セッション「スクラムマスターをしながら、アジャイルコーチにはなれなかった話」をレポートします。

スピーカー

Takamitsu Nakamura

Scrum Master/Agile Coach Yahoo Japan Corpration

Asumi Ametani

Scrum Master / Agile Coach / Engineer Yahoo Japan Corpration

セッション概要

始めは1チームのスクラムマスターでした。

外部のアジャイルコーチについてもらい、学びながら、組織的なスクラムの浸透に関わるようになって、組織内でのコーチ業務もするようになっていきました。

気づいたら、スクラムマスターをしながらコーチ業務もするという状態になっていました。

  • 見るチームが多くて、どこもちゃんと見きれていない。
  • コーチとしても動いているけど、スクラムマスターでもある状態で、優先するチームはどこなのか?
  • 専任スクラムマスターとして複数チームを見るのと、スクラムマスターとコーチを兼任することでは発生する難しさが違う。。
  • コーチとしても動けるようになるには何を変えるべきなのか?
  • スクラムマスターとコーチで必要な行動、マインドセットは違うのか?

そんな直面した課題や、気づいたこと感じたこと学んだことをお話しします。

レポートとまとめ

まずは、雨谷さんから、「スクラムマスター兼コーチは難しい」と言うワークショップがありました。

1つのチームでスクラムマスター、2つのチームでアジャイルコーチの立場で、
複数チームを兼任することで発生した失敗談とそこから得られたものとして、以下の内容の話をされていました。

[スクラムマスター チームでの失敗]

  • 自分のチーム状況を把握し切れなくなる。
  • スクラムチーム感がなくなる。
  • アジャイルコーチの様な一歩引いた立ち位置になってしまった。

[アジャイルコーチ チームでの失敗]

  • チームへの関与はどこまでが良いか。
  • POへのアドバイスはスクラムマスターとアジャイルコーチとどちらがすべきか。
  • 自信が考えるアイデアや成功法を出しすぎてしまい、スクラムマスターの立ち位置がなくなってしまう。

スクラムマスターとして参加しているチームに多めに時間を割きたかったが、同じようにチームを良くしたい気持ちが働き、各チームに同じくらいの時間を使ってしまった。

結果的に3つのチーム全てで、スクラムマスターとアジャイルコーチの中立的な立ち位置になってしまっていた。

スクラムマスターとしてチームの一員として参加し、アジャイルコーチとしてチームの外からスクラムマスターの教育に注力する立ち回りが必要だったのかと話されており、兼任することはやはり大変と言うイメージです。

次に、中村さんから、「アジャイルコーチをしていたチームが、離れた後に解散していた」 と言うワークショップがありました。

アジャイルコーチとして参加していたチームが、チームを離れた後に解散していた事を知り、
アジャイルコーチになりきれなかった、なぜ解散してしまったのかの話をされていました。

[失敗談]

  • 課題しか伝えていなかった。 課題へのアプローチと解決策を提案、コーチにはコンサル的な動きも必要だった。
  • スクラムをやろうとしていた、スクラムをやることが目的になっていた。 課題を解決するためにスクラムがあり、コーチは課題にフォーカスしなければいけなかった。
  •  サーバントに徹していた、チームだけを見ていた。 マネジメントが抱えている課題を解決するなど、コーチはリーダーシップを発揮する画面もあった。

スクラムマスターとアジャイルコーチでは、マインドセットがだいぶ違う。

今後同じ様な局面となった場合は、

  • 距離を上手に取る:入り込みすぎず、他人になりすぎない。
  • コンサル的な動き:課題へのアプローチと解決策も提案する。
  • 課題にフォーカス:改題を解決するためのスクラムをする。
  • リーダーシップを発揮:マネジメントが抱えている課題を解決する。

失敗から気づいたこと・学んだこととして、各役割の根本に立ち返るのが良さそうですが、スクラムマスターとアジャイルコーチと立ち位置が違うポジションで複数チームを兼任することの難しさはイメージ通りでした。