[レポート]SNOWFLAKE WORLD TOUR 2026 - TOKYO:Day1 KEYNOTE #SWTTokyo26

[レポート]SNOWFLAKE WORLD TOUR 2026 - TOKYO:Day1 KEYNOTE #SWTTokyo26

プロダクト責任者クリスチャン・クライナマンが、最新のAI・データビジョンと戦略をデモを交えてご紹介。国内事例として日産自動車がビジネス価値創出に直結するAI・データの実践像を、富士フイルムが全社的なAI-ready基盤構築とガバナンス主導のDX事例を語ります。 さらにスペシャルゲストとしてAnthropic社でAPACのApplied AIを率いるNatalie Meadが来日。対談を通じ、スピードと安全性のバランスや両社の強力なパートナーシップが拓く企業AIの展望など、企業のAI活用に関する最先端のトレンドをお届けします。 ※SNOWFLAKE WORLD TOUR 2026 イベントサイトより抜粋
2026.09.11

かわばたです。

2026年9月10日~2026年9月11日に、「SNOWFLAKE WORLD TOUR 2026 - TOKYO」が開催されました。

https://www.snowflake.com/ja/world-tour/tokyo/

本記事はセッション「Day1 KEYNOTE」のレポートブログとなります。

※一部機能はプレビューまたは近日提供予定のものを含みます。利用可能状況は最新の公式ドキュメントをご確認ください。
※登壇者の発言は筆者のメモをもとに要約しています。英語での講演部分は筆者による意訳です。

登壇者

  • クリスチャン・クライナマン 氏
    • Snowflake プロダクト担当上席副社長 (EVP)
  • 浮田 竜路 氏
    • Snowflake 社長執行役員
  • 平川 静 氏
    • 日産自動車株式会社 執行職
      チーフデジタルインフォメーションオフィサー(CDIO)
  • 杉本 征剛 氏
    • 富士フイルム株式会社 フェロー
  • ナタリー・ミード 氏
    • Anthropic Head of Applied AI, APAC
  • 田中 翔 氏
    • Snowflake Product, Developer Experience
      Lead Developer Advocate

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クマ太郎のドラム演奏から始まる

この演奏で会場のボルテージが一気に上がったと思います。

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Snowflake浮田氏から

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  • Snowflake World Tourは世界20以上の都市で開催。東京は世界で唯一の2日間開催
  • 今年は昨年よりスケールを拡大し、登録12,000名以上、144セッション、202名のスピーカー
  • 顧客とパートナーがSnowflakeをどう使っているかを、Snowflakeからではなく顧客自身から届ける場にしたい
  • パートナーセッションとExpoエリアには、新しい技術やサービス、ビジネスのヒントが多くある
  • DATA DRIVERS AWARDS 2026は6月に発表済み。受賞企業の富士フイルムがこの後のKEYNOTEに登壇

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  • パートナーアワードを本日発表。授賞式は明日開催
  • 生成AIとAIエージェントの進化により、経営者や財務・人事・営業・マーケティング部門がAIを介してデータにアクセスする時代になった
  • AIから正確なアウトプットを得るために、データ整備に注力する企業が非常に増えている
  • 国内では約7割のITエンジニアがパートナー企業に所属しており、データ整備とAI活用にパートナーは不可欠

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  • ユーザーコミュニティの活動も活発化しており、メンバーは2,500名を超えた

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  • Snowflakeを利用する顧客の84.2%が何らかのSnowflake AIサービスを活用しており、成果が出始めている

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  • 顧客の関心は「AIをフル活用するためのデータ基盤整備」「セキュリティとガバナンス」「コスト管理」。本日のKEYNOTEはこれらのテーマに沿って進行

Snowflake クリスチャン・クライナマン氏から:Agentic Enterpriseの4要素

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  • 現在はAgentic Enterpriseの時代。コア業務にAIを活用し、ルーチンタスクをエージェントが担い、人は方向付けと意思決定に時間を使う組織のこと

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  • 「AIを導入すればデータの問題は解決する」は誤解。AIこそが優れたデータ戦略とデータ資産を必要とする

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  • サイロ、ストリーミングとバッチの混在、複数のコピー、といった混乱したデータ環境がAIの成果を制限する

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  • Agentic Enterpriseに必要な4要素

    • 要素1: AIモデル
    • 要素2: データとコンテキスト。AIが自社を理解するために必要
    • 要素3: ソフトウェアとアプリケーション。メール・メッセージング・ドキュメントなど企業インフラとの統合
    • 要素4: コントロールプレーン。上記3つを結びつけ、AIが組織の期待とプロセスを理解して成果を出すための基盤
  • Snowflake AI Data Cloudはこの4要素すべてにソリューションを提供する

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  • Thomson Reuters(機密性が高く規制の厳しいデータでのAI活用)、Samsung、Under Armour(顧客・パートナー対応プロセスの自動化)など、すでに成果を出している顧客を紹介
  • 今回はKEYNOTEの流れを逆にして、先にデモを見せてから各要素を解説

デモ:Snowflake CoCoとSnowflake CoWorkでCEOとCFOの要求に応える

Snowflake合同会社のSho 田中 翔 氏によるデモです。

シナリオ

  • 架空のスポーツ興行会社「Snow League」が題材
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  • CEOのJohn:VIPアップグレードの販売が予測を15%上回ったので、残りの年度の目標を引き上げたい

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  • CFOのSarah:目標を引き上げる前に、コストと利益率を確認したい

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  • 営業担当のVictoria:両者の板挟み。しかしシステムごとにデータがサイロ化し、部署によって売上の定義が違うため数字が揃わない

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  • データエンジニアのDan:Victoriaから「ダッシュボードの数字が毎回違う」と相談を受け、1週間前からデータ基盤を整備

完成形:Streamlitダッシュボード

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  • Snowflake上のStreamlitで、売上・利益・VIPアップグレード数・トップ都市を一画面に表示
  • 会場の動画を分析して混雑度を10段階でスコア化し、想定来場者数を推定
  • 地理空間情報をネイティブに扱い、東京周辺のSNS(X、TikTok、Facebook)のポジティブ・ネガティブな投稿をリアルタイムに地図上で可視化

データエンジニア(Dan)のパート:Snowflake CoCo

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  • データはSnowflake managed Iceberg Tablesで保持。画像・動画・音声などの非構造化データも対象
  • Salesforce・SAP・Workdayのデータはzero-copyコネクタでETLを書かずに連携し、Horizon Catalogで管理
  • Snowflake CoCoにガバナンス定義の「スキル」を与え、「このスキルで私のデータを守って」と依頼
    • スキーマから個人情報を判別し、マスキングポリシーとタグを設定してログを監視
    • 管理者には平文、権限のないロールにはマスクされた値が返ることを確認
  • スキルカタログにより、同じアカウント内でスキルを共有可能。毎週・毎月の定型作業を全社のナレッジとして展開できる
  • 部署ごとに異なる売上定義はセマンティックビューで統一。売上やLTVの定義をエージェントが参照できる

営業担当(Victoria)のパート:Snowflake CoWork

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  • コーディングができなくても、Snowflake CoWorkでデータと対話しながら分析できる
  • 試合ブリーフィング、VIPコンシェルジュ、ファン対応など用途別のエージェントを用意
  • 「都市ごとの人件費と売上を比較して収益性はどうか」と聞くと、グラフとともに「横浜が最も高い」というインサイトを提示
  • MCPコネクタでメールとSlackに連携し、毎朝6時の自動配信をボタン1つで設定
  • Danが共有したダッシュボードをSnowflake CoWork上でそのまま参照し、横浜でVIPアップグレードが増えている状況を深掘り
  • Deep Researchで「売上をさらに伸ばす次の3つのアクション」を提案させ、結果をSlackへ送信
  • iOSアプリも提供されており、iPhoneで同じ画面を確認できる(Androidにも対応)

Snowflake クリスチャン・クライナマン氏から:4要素の詳細

要素1:エンタープライズデータとコンテキスト

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  • Snowflakeは12年前の製品投入以来、データのサイロ解消とガバナンスに取り組んできた。AIはその必要性をさらに高めた

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  • Horizon Catalog
    • システムとデータのすべての情報を記録し、時系列で追跡する
    • Iceberg REST Catalog APIにより、SparkやTrinoなど他のエンジンからも単一のカタログとして利用できる
    • セキュリティ、機密性、タグ、列マスキング、行フィルタの設定はすべてHorizon Catalog内にある
    • SAP・Workdayなどのアプリケーション、PostgreSQLなどのデータベース、Tableau・Airflow・dbtなどのメタデータも対象

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  • Horizon Context
    • Snowflake内外のメタデータにアクセスし、データの理解・エンリッチ・活用を支援する
    • Snowflake CoCo・Snowflake CoWorkだけでなく、自作エージェント、Claude Code・Claude Cowork、BIツールからも利用できる
    • AIモデルと自社データを結びつける「接着剤」。汎用チャットボットではなく、自社向けに作られたAIのように振る舞える
  • エージェントのセキュリティ

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  • Agent Identity:エージェントに読み取り専用などの制限を付与できる
  • エージェント向けのデータポリシー:人間はステージへ出力できるが、エージェントはセキュリティ境界の外へデータを移動できない、といった制御。データ漏洩の検知も可能
  • Multi-party Approvals:機微な変更に2者の承認を必須にできる
  • コスト管理
    • 課題は「AIをやるべきか」から「本番投入したら高額になった。どう制御するか」へ移った
    • 減らすべきは価値を生まないAI支出。ユーザー・ワークロード別の可視化、予算、ユーザー別クォータ、超過時の通知や停止を提供
  • Trust Center
    • 「MFAを設定できる」と伝えるのではなく、「重要な管理者アカウントでMFAが使われていない」と教えてくれる、運用状況のチェックと検証

要素2:AIとモデルの選択

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  • 「最適なモデル」の答えは2年前・1年前・今週で異なる

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  • Snowflakeは最も有能なモデルを検証し、Snowflakeのセキュリティ境界内で提供し続ける。外部エンドポイントにデータを送ればガバナンスの努力が無駄になる

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  • 常に最高のモデルが必要とは限らない。タスクに最適なモデルの選定、モデル利用のポリシーと制御、コストの把握を支援する

要素3:ソフトウェアとアプリケーション

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  • Zero-copyパートナーシップ:SAP、Workday、Salesforce、Veeva、IBMなどのsystem of recordと双方向に統合。メインフレームのデータもAIで活用できる

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  • Cortex AI Gatewayがまもなくパブリックプレビュー
    • すべてのAIモデル呼び出しを単一エンドポイントで捕捉し、ポリシー・可視性・ガバナンス・ルーティングを提供
    • リクエスト内容を理解して最適なモデルへ自動でルーティング。常にOpus 4.8のような最上位モデルを使う必要はない
    • Toolsとして100以上のMCPコネクタを標準提供(Salesforce、SharePoint、Slack、Microsoft Teamsなど)

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  • Cortex Sense:AI自身がバックグラウンドでデータ・クエリ・ユーザー行動を観察し、メタデータ・セマンティクス・オントロジーを生成する

要素4:コントロールプレーン

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  • Snowflake CoWork:技術者でないユーザー向け。正確性と検証可能性を最優先し、CFOやマーケティング責任者の前に置けることを目指す
  • Snowflake CoCo:データチーム向け。データエンジニアやデータサイエンティストを5倍から10倍効果的にする
  • Claude Codeがソフトウェア開発にもたらした変化を、Snowflake CoCoはデータに対してもたらす

日産自動車 平川氏の講演

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  • グローバル情報システム部門は約1,200名。日本を中心に米国・欧州・インドの開発メンバーと共に、約2,700システムと12万人のユーザーを支える
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  • IT部門の中期戦略の最新版は「AI for Data / Data for AI」
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  • Snowflakeとの歩み

    • 10年以上前:オンプレミスで車両プローブデータの取り込みに苦労
    • 2019年:Snowflake日本法人の設立より前から本格利用を開始
    • その後オンプレミスを完全停止しクラウドへ移行。昨今は生成AIの活用を開始

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  • 経営層に説明した当時の課題
    • IS部門が管理するデータは、利用申請やアクセス権の壁が高い
    • ビジネス部門がデータを抱え込む
    • 工場や開発現場の暗黙知は言語化すらされていない。オフィスではExcel・PowerPointが乱立
    • このままではどんなAIを入れても garbage in, garbage out になる

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  • クラウドネイティブへのシフトで得たもの
    • 従量課金、初期コストゼロ、インフラ運用からの解放。日米欧3極で共通のクラウド環境
    • 「箱の仕事」を卒業し、データを会社の資産として扱うフェーズへ

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  • 「日産データ」プラットフォームに、構造化・非構造化・工場・IoT・車両データを集約

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  • 現在の挑戦はデータメッシュとAIで、最小限のコストでデータの可能性を最大化すること。Data SharingとIcebergでコピーを最小化
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  • 生成AIはデータ活用の真の民主化
    • データを使いたい人が、自然言語で自分で作れる
    • 副次的な効果として、ビジネス部門が「このデータが入っていない」「取り方がおかしい」と気づき始めた
    • 経営もデータの価値に気づき、「もっと早く、もっと細かく」と求めるようになった

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  • 今年4月にCEO直下のAIセンターを設立し、平川氏が率いる。IT部門はサービス提供者から変革のドライバーへ
  • 日産にとってAIとデータは「トランスフォーメーションのエンジン」

Q. 2019年から使い続けているからこそ気づくSnowflakeの良さは?

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  • 約5,000データセット、500超のユースケース、1万人以上のユーザーが日々利用しても、「遅い」「高くなる」という不満を聞かない
  • 気づかないうちにクエリが約20倍速くなっていて、ビジネス部門から感謝された
  • 「釣った魚に餌をやらない」ベンダーもいる中で、Snowflakeはユーザーを大事にしてくれる

Q. AIによって、蓄積してきたデータの使われ方はどう変わったか?

  • 以前はデータを理解し、加工してマートを作るデータエンジニアリングに大きなコストがかかっていた
  • 今は自然言語でアクセスでき、ビジネス部門の理解度とスピードが全く違う
  • IT部門もSnowflake CoCoでデータエンジニアリングを大幅に高速化した。

富士フイルム 杉本氏との対談

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富士フイルムはデータ基盤としてSnowflakeを利用しており、本セッションではガバナンスと展開の考え方が中心でした。

Q. AI展開の前提として「トラスト」を最初に掲げる重要性は?

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  • テーマは「諸刃の剣の攻略」。生成AIは強力だが、ハルシネーション、知財侵害、高額請求のリスクがある
  • トラストは3つ:自分自身への信頼、環境への信頼、他者から見た信頼

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  • 統制はブレーキではなく、全従業員がアクセルを最大限に踏むための攻めのガードレール

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  • 無統制なAI導入は、ブレーキのない車や燃費の悪い車を各自が公道で乗り回す状態。安全なサーキット、低燃費でブレーキの効くマシン、専用のピットクルー(AI専門家)を用意したい
  • グローバルで多角的な事業を展開するからこそ、Snowflakeのような基盤があれば地域や事業を超えてデータを安全に活用できる

Q. 社内でAIを展開する体制は?

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  • 環境・組織・人の3軸で、全社員が安心して使えるAIエコシステムを構築
    • グローバルセキュリティ基盤の上に、安全で使いやすい生成AI環境とデータ活用基盤を用意
    • 運用と伴走の司令塔としてAI CoEを設置
    • 法務・ESG部門と初期からワンチームで、ガイドラインと承認ロジックを設計
    • レベル別の研修や社内コンペで、AI利用を自分事化

Q. グローバル標準化と柔軟性をどう両立するか?

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  • 2つのレイヤーで考える。ゼロトラストネットワークやエンドポイントセキュリティなど命綱となる共通部分は、例外なく100%標準化

  • 可変部分は地域や事業の特性とスピードを重視。Snowflakeのデータ基盤やAI環境は、各事業・地域会社が迅速に試せるセルフサービス環境にしている

Q. 社員に制約を感じさせないために重視していることは?

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  • 統制は現場を止めるためではなく、現場が全力で走るための先回りした環境整備
  • AI導入のスピードに企業の統制能力が追いつかない状態は絶対に避ける
  • 魅力的な選択肢を先に配備する、審査基準は現場と伴走して決める、申請・可視化・リスク防止の統制を自動化する
  • トラステッドなSnowflake環境を、日産のプロパイロット2.0のような安全なガードレールにしたい

Snowflake クリスチャン・クライナマン 氏・Anthropic ナタリー・ミード 氏の対談

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  • ナタリー氏は元Snowflakeで、Snowflake World Tour Tokyoは4回目の参加。現在はAnthropicでHead of Applied AI, APACを務める

Q. Applied AIとはどういう役割か?

  • ソリューションアーキテクトに近い役割で、3つの柱がある
    • Claude CodeやClaude Coworkで従業員を賢くする
    • メインフレームなど最も難しいコードマイグレーションを速くする
    • Applied AIエンジニアがエージェントを構築し、評価(evals)から本番移行までを支援する

Q. 1年前と比べて何が変わったか?

  • 1年前は皆がClaude Codeの使い方を模索していた。コードアシスタントの登場から1年余りで、今は毎月が1年のように感じる
  • Claude Fableは約12時間の自律作業が可能。タスクを与えて放置すれば、数時間後(場合によっては数分後)に成果物ができている
  • コーディング以外でも、Claude Coworkでナレッジワーカーが「トップクライアント向けのダッシュボードを作って」と依頼できる
  • 社内では毎朝動く「chief of staff」エージェントが、会議やフォローアップ漏れ、出張手配(ビザの案内まで)を教えてくれる

Q. モデルをどう選ぶべきか?

  • 誰もがFableを欲しがるが、Fableは最も難しいワークロード向け。非技術系ユーザーならSonnetで十分なことも多い
  • Snowflakeがモデルルーティングを自動で行う仕組みを出したのは大きい
  • モデルは良くなり続け、コストは下がる。Opus 4.8のlow effort / high effortのようなニュアンスの使い分けがゲームを変える

Q. 責任あるAIとどう向き合うか?

  • AnthropicはConstitutional AIのもと、子どもの安全・バイオハザード・サイバーセキュリティに毎日向き合っている
  • ロードマップは持たず週単位で動くが、安全性・ガバナンス・トラストにも軸足を置く(規制産業でデータを国外に出せない場合など)
  • Anthropicのコードの90%はClaudeが書いている。人間のレビューと安全性のガードレールを通してからリリースする
  • 一般企業への推奨:ロールベースのアクセスポリシーとデータ接続を、自社ビジネスと同じように考える。エージェントにすべてを任せず、ガードレールを置く
  • AIに対する最大の恐れは、AIを使わないこと。チームはプロンプトエンジニアからハーネスエンジニアへ移行している

Q. 両社はどう補完し合っているか?

  • Anthropicとのパートナーシップは創業期から。正確性・信頼性・安全性・責任への注力が両社で共通している
  • AnthropicはSnowflakeの顧客であり、SnowflakeもClaudeの顧客。互いに最良の姿を引き出し合っている
  • 事例を紹介
    • AnthropicのモデルとSnowflake CoCo・Snowflake CoWorkを組み合わせ、AIネイティブな運営モデルを全社で構築
    • 意思決定、障害監視、セキュリティ監視をSnowflake上のデータで行い、スキルとコネクタでアクションまで実行
    • Agentic Enterpriseに最も近い例の1つ

Q. 来場者へのメッセージ

  • とにかく今すぐ始めること。Snowflake CoCo、Snowflake CoWork、Claude Code、Claudeのチャット、どこからでもよい
  • 最も難しいワークロードを投げてみてほしい。難しくはなく、AIが最善の解決策を決める助けをしてくれる
  • AIは仕事を速くするアシスタント

クリスチャン・クライナマン 氏から最後に:3つの宿題

  • データを安全にする:モダナイズし、サイロをなくし、適切なセキュリティを確保する
  • データをAI readyにする:正しいセマンティクスとオントロジーを持つ。Cortex Senseが作業の大半を代行する
  • ユースケースを見つけ、エージェントを作り、自律的な活動を始める

所感

SNOWFLAKE WORLD TOUR TOKYO 2026 Day1のKEYNOTEに参加しました。

特に印象的だったのは、「AIを導入すればデータの問題が解決する」のではなく「AIこそが優れたデータ基盤を必要とする」というメッセージが、Snowflake・日産自動車・富士フイルム・Anthropicの全登壇者に共通していた点です。Horizon Context、Cortex AI Gateway、Cortex Senseといった新機能は、いずれも「AIに正しいコンテキストとガードレールを与える」ためのものです。Summit 2026で示されたAgentic Enterpriseの4要素が、日本の顧客事例とセットで具体化されたKEYNOTEだったと感じました!

Day2のセッションも楽しみです。

この記事が何かの参考になれば幸いです!


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Snowflake Community Awards ファイナリストに選出されました

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最終選考の30%はコミュニティ投票です。記事がお役に立っていたようでしたら、9月15日(火)までにぜひ一票お願いします。フォームの「(4 of 6) RISING COMMUNITY LEADER OF THE YEAR」で Tomohiro Kawabata | Classmethod, Japan を選択、2分ほどで完了します。

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