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[登壇資料]DX担当としてクラスメソッドからアナログ事業会社に転職し一年間必死に戦った中で見えたこと #devio2023

クラスメソッドを退職して1年 こんなことしてました
2023.08.13

ゲストブロガーの恩塚(@onzuka_muscle)です!

2022/8にクラスメソッドを退職しちょうど1年くらい経ったこのタイミングで有難いことに登壇の機会を頂きました。

ほとんど技術的な話はできないので引き受けるべきか悩んだのですが、私が1年間やってきたことをありのまま話すことでエンジニアの方でもビジネス側の方でも何か一つくらいは響くことがあればいいなと思い引き受けさせていただきました。

資料

補足

イベントでは口頭で話したことも多かったのでスライドに補足を入れていきます。

取り組んできたこと

PC交換

入社前は全く想定していなかった落とし穴として従業員に貸与している社用PCの状態が非常に悪かったことがありました。

Excelやブラウザ操作でも重くてまともに操作できないといった状況でしたので、まずはPC交換を最優先として進めました。

運よく経営層に理解があったことで100台貸与していたPCの内、50台を新品のPCに短期間で交換することができました。

おかげでその後のDXをスピードを落とさずに進めることができました。

IT企業からアナログな企業に転職をお考えの方はPC問題にお気を付けください!

コミュニケーションやタスク管理などの文化

導入したシステムの活用方法を根気よく説明し、また実践してもらうことでメリットを体感してもらいました。

まだまだ道半ばですが、スピーディにやり取りし情報を資産として扱う文化が根付いてきています。

その他

  • システム導入・活用
  • データ分析
  • HP運用
  • デジタルマーケティング
  • 業務アプリケーション開発

などあらゆることに絶賛取り組んでいます。

さて次からが本題です。

壁①:DXってなんぞ

いきなりDXやるぞ!といってもあまり従業員には響きませんし、ましてや積極的に協力してもらうことは難しいです。

というか、僕もはっきりと自分の言葉でDXを説明することができませんでした。

そこでまずは自分の会社ではDXとはなにかということを定義し、共通認識を持てるようにしました。

定義を説明し、ロードマップを掲げて、その上で具体的な取り組みを進めていくことで協力を得やすい土壌を作ることができました。

壁②:予算の壁

アナログ事業会社を支えてきた人は本当に優秀でタフな人が多いです。

膨大な作業もなんとかしてしまいます。

その中でシステムによる効率化をしたいといっても「システム費用がもったいない」という反応が返ってくることがあります。

システムにお金を使うことは「投資」ではない「費用」だ!!

これは「今、支払わざるを得ないコスト」だということを強調したくて「費用」という言葉を使っています。

なんとかなっている今の内から取り組まないといけないということを繰り返しメッセージングすることで予算を確保してきました。

もちろんなんでもかんでもシステムを入れれば良いという訳ではなく、見極めはとても大事です。

入れた後にあまり活用されずに何年後かに別の仕組みに移行...といったことが起きないようにするのが私の仕事だと思っています。

人件費の削減計算はセンシティブ

これはあくまで私の考え方であり、色々な考え方があると思います。

よくシステムの営業資料などである「〇〇時間削減」「〇〇%削減」といったことを会社の中の人間がやろうとするのは費用対効果が大きくないと思っています。

数字で出せないメリットもたくさんあります。

メリットをシンプルな言葉で説明し、後は信じてもらうという方法で何度も通してきました。

自分がシステム導入のメリットに確信を持っていれば、説明の熱量で決断してもらう方がスピーディです。

もちろんあらゆる要素を考えて本当にシステム導入のコストがメリットに見合ったものかを考え尽くしておくのはこれまた自分の仕事であり責任を持つところです。

壁③:Excel×人間=最強の柔軟性

まず初めに言っておきたいのはExcelはとても素晴らしいツールであり、今でも弊社はバリバリに使っています。

ただExcelを使っている業務の中に、もっと良いやり方があるだろうというものは結構あります。

Excel業務から別の方法に変えるメリットが大きいところから手を付けていきます。

また、手慣れているExcelに戻ってしまうことも往々にあるので運用が定着するまではしっかりフォローすることが大事です。

壁④:DXを進める人手が足りなさすぎる

一人じゃ全くパワーが足りません。

解決するには仲間を増やす以外にないです。

DXを推進するメンバーを増やしました。

本部にいるメンバーの中で兼任ですが3人を巻き込み、1人専任を中途で採用しました。

このあたりは経営者巻き込みながら引っ張ってくる強引さが必要になります。

それでも人は足りないので、店舗で反応が良い方に働きかけます。

とある店舗がシステムを活用しだすと他の店舗もそれを追って動いてくれるということがあります。

最終的に全員が積極的に協力してくれるようになればDXという旗も推進室という役割もいらなくなってくると思っています。そうしたい。(理想)

壁⑤:負と向き合い続けるハードル

「会社にとって必要な変化を起こすんだ」という使命をもって頑張っていても、ふとこういったことを考えてしまうことがあります。

とにかくリスペクトを大事にしました。

今までのやり方は創意工夫・努力の上に成り立ってきています。

しっかり検討した上で「変える」となったとしても、今までのやり方は筋が悪かったわけではなく、その時・その状況・そこにいた人が全力で出したベストなやり方であったはずです。

そう本心から思っていますし、それが伝わるようにコミュニケーションをするよう意識しました。

そうすることで自分の中で生まれそうになったマイナスの感情とも折り合いが付けられるようになっていきました。

また、自分の機嫌を取ってモチベーションを高く維持するのも責任者として大事な仕事です。

かたっぱしから変えるべきという風に自分を追い込まず「ここは一旦このままでいいや」と少し緩めてあげました。

やりたいことは山のように積みあがっています。

優先度の高いところから倒していくことでモチベーションを保てるようにしました。

壁⑥:泥臭い「伝える」活動

これが最強の壁であり、今も挑み続けています。

それでも発信し続ける

資料をたくさん作りました。

メッセージを送るための資料やシステムの使い方の資料など、2,000P以上はスライドを作っていると思います。

それを説明するときの話し方にも熱を込めました。

誰よりも一番本気でDXに取り組んでいる、ということを伝えるためです。

それがあって初めて人が動いてくれると思っています。

虎の威を借る

社長を巻き込み、その姿を社内で発信しました。

「会社として取り組んでいる」ということを理解してもらうことができました。

経営メンバーへの説明

自分の選択が避けられるはずの地雷を踏んだり、いつの間にかズレたものになってしまうことを避けるためにも経営メンバーとのコミュニケーションはとても重要です。

しっかり準備して自分なりに完璧だという自信を持って話をしますが、いざというときに「待った」をかけてもらったり、妙案をだしてもらったりすることに救われることはよくあります。

信頼できる頼れる経営メンバーと論を交わすことで良い判断ができます。

現場に出まくる

パチンコ・飲食・旅館の手伝いに行きました。

現場を知ること・現場の人と話すことはとても大事です。

接客業だからというのはもちろんありますが、現場の人と直接話すのは親交を深めるという点において効果抜群でした。

僕自身も人が好きなので現場でコミュニケーションを取ったり、ご飯に行くことはとても楽しいです。

「言っても伝わらない」と悲観しないようにしました。

説明をし続け、体感してもらうよう工夫し、最後はちょっぴり強引に進めます。

こちらのDXに対する本気さが伝わっていれば後はなんとかなるものです。

まとめとして伝えたいこと

こういうキャリアも楽しいよ!

あとがき

呼んでくれたもっさんと運営メンバーの皆さんありがとうございました!

イベントとても楽しかったです!

かっこいい写真撮ってもらいお気に入りです。