UXの心得14か条(“KILLER UX DESIGN”より)
こんにちは。マーケティング担当のタケハラマサシです。
諸般の事情により今回から開発ブログで書かさせていただくことになりました。
クラスメソッドがやっているAWS、iOS、Android、HTML5やデザインのことはよくわかりませんが、楽しいエントリーを心がけて精進したいと思います。
ちょっと前に”KILLER UX DESIGN”という本をパラパラとみてみました。最近は、UXデザインに関する書籍もそこそこ数多くでるようになりました。その中でも”KILLER UX DESIGN”は挑発的なタイトルとは裏腹に、UXデザイン全体を RESEARCH、INSIGHT、CONCEPT、DESIGN の4フェーズに整理したり、そもそもちゃんとビジネスから入ろうという説明を指定たり、途中途中でアジャイルっぽくやりなさいと言ってみたり、わりと新しい書籍らしくいい感じになっています。分量も抑えめですし。
詳しい内容は、是非、実際に読んでみるのがオススメなのですが、最後の方に登場する"THE Rules of UX"が印象的だったのでマーケターの視点で紹介します。ルールというよりは心得みたいな感じなのですが、UXデザインのみならずあらゆる仕事に共通する14か条です。読むと心がすこし暖まるかもしれません。
「あなたのプロセスにチャレンジし続けなさい」
組織やお客様によってはUXデザインに馴染みがなく「お前それエンタープライズでも同じこと言えんの?」みたいなリアクションを頂戴するかもしれません。そこでひるんでしまっては何も進みません。社内で勉強会を開催して理解者を増やしたり、小さなプラクティスからはじめて徐々に適応範囲を増やしてみたり、いろいろな方法でチャレンジしてみましょう。
「どのように関わるか(取り組むか)真剣に考えなさい」
自分以外の誰かから言われたこととするだけがデザイナーの仕事ではありません。(私がみてきた)良いデザイナーは、良い仕事のためにはプロジェクトの計画に口をだし、技術者と技術について論じ合い、お客さんとそもそもどうしたらサービスやプロダクトが成功するのかを真剣に話し合っていました。そのためにファシリテーション・スキルを使うこともあるでしょう。
「ユーザーを中心にしなさい」
ユーザー中心設計については、様々意見があることは間違いないのですが、サービスやプロダクトをビジネスとして成立させるのはそれを利用するユーザーがいてこそです。どのようなビジネスモデルを考えたところで、それがユーザーに良い体験(あるいは何らかの明確な利便性)をもたらさなければ成功はしないでしょう。
「パラレルな状況を調査しなさい」
あらゆる可能性を検証しましょう。プロジェクト中はどうしても「ひとつの正解」に固執しがちですが、ユーザーはシーンによって様々な使い方をするでしょうし、それによってあるべき姿も変わってきます。Chapter.1 が”Your are not your user"となっているのも印象的です。
「極端なユーザーたちを見ましょう」
利用頻度がやたら高いヘビーユーザーや変わった使い方をするユーザーは、そのサービスやプロダクトを改善するにあたり重要なヒントをもっている場合があります。汎用型のSNS(FacebookやTwitter)でひたすら写真をアップし続けている人達が大勢いるのなら、それは新たな写真共有サービスが受け入れられる潜在的な市場がある可能性があります(実際に Instagram や Pinterest は今のところ成功しています)。
「全ての工程をよく考えましょう」
何故、その作業を行うのかをしっかり考えましょう? 何故、ユーザー調査を行うのでしょうか? 何故、ペルソナを作るのでしょうか? 惰性でやっていることはないでしょうか。これはデザインに限らずあらゆる仕事で共通する姿勢です。
「プロトタイプこそが、あなたにとってのデザインワークです」
残念なことに、システム開発の後期になって「ユーザーがデザインを気に入らないと言っているからなんとかしてほしい」という話はどこかの正解でよく聞きます(どこかの世界とさせてください)。 しかし、デザインとはそもそも、誰かの何らかの意図に対し他者が理解できる形状を与えることです。論理的な形状の場合もあれば物理的な形状であることもあるでしょう。いずれにしても、プロジェクトの後期になって化粧直しをすることはデザインの仕事の極めて表面的で偏った部分の仕事です。プロトタイプを通じて、本当に利用できる形状であるかどうかを検証することが本質です。
「ストーリーだけでなく、コンセプトも同じくらい考えましょう」
ストーリーは重要です。ユーザーの課題をどのように解決するのかはストーリーで 表現されます。しかしストーリーだけでは、ややもすると機能重視になってしまいます。機能重視では既存の状態から変革をおこすことは難しいでしょう。コンセプトワークを通じて、ユーザーとユーザーの周辺の組織や社会がどのように変革されるのかを追求しましょう。
「個性をだしましょう」
クライアントの要望を満たす仕事はプロとしてはスタート地点です。自分の個性をアピールして、クライアントをあっと言わせるくらいの気概をもちましょう。
直訳すると「ふるまいについて学ぶためにローンチしよう」 です。これは、実際のところ、リリースしたサービスやプロダクトがどのように使われるか、更に言うとユーザーの行動(ふるまい)をどのように変えるのかは使ってもらわなければわからないことが多く、そのためにもリリース(ローンチ)をしましょう、ということです。とてもリーンスタートアップ的ですね。
「データに完全に依存するのではなく、直接ユーザーからのフィードバックを求めなさい」
定性分析と定量分析を上手く使い分けましょう。ユーザーの意見はその人自身のバイアスがかかっているため、因果関係として正しくない場合があります。何をもって成功であるかを判断する指標をもち、計測をしましょう。
「繰り返し、修正することがあなたのやり方です」
一回で正解に辿りつければそれにこしたことはありませんが、現実はそうではありません。逆に言うと少しずつ修正しつづけることでより良い状態にもっていくことが容易になります。”Fail Fast”という言葉もあるように、早い失敗とそこから得られる学びを活かすほうが得策です。
「前向きな姿勢でいましょう!」
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イベント情報
【11/22(木)】
「ビジネスモデルYOUワークショップ」
http://bmgworks.doorkeeper.jp/events/2059
日時 2012年11月22日(木)19:30〜21:30
場所 翔泳社
先日、出版された「ビジネスモデルYOU」で紹介されているビジネスモデルキャンバス/パーソナルキャンバスのワークショップでファシリテーターを行います。ビジネスモデルキャンバスについてやったことない方や、書籍をまだ読み終わっていない方でも大丈夫です。
【12/15(土)・12/16(日)】
「DevLOVE Conference 2012」
http://devlove2012.devlove.org/
日時 2012年12月15日(土)11:00〜21:10・12月16日(日)11:00〜19:00
場所 株式会社サイバーエージェント東京本社
1日目の12月15(土)11:00-15:00から「勝手にワークシフト(仮) 〜4人の達人開発者と未来について語ろう〜」というディスカッション形式のセッションでファシリテーターを担当します。組織からの独立や起業について、よそでは聞けない話を高江洲 睦さん(@takaesu0)、中村 薫さん(@kaorun55)、綿引 琢磨さん(@bikisuke)、梶浦 毅一さん(@shirokappa)の四名のみなさんにしてもらいます。