[アップデート]SPARCサーバーをAWSにリホストするVirtualization for SPARC on AWS with Stromasysが発表されました #AWSreinvent
クラウドの裾のが広がっても、切っても切れないのがレガシーなオンプレ資産。特に、CPUアーキテクチャーが現在主流のx86ではないハードウェア群は厄介です。
その代表格とも言えるのが、往年のサン・マイクロシステムズが設計した SPARC です。 Solarisが動いていたあの筐体です。
そんなSPARCサーバー/ワークステーションのハードウェアをAmazon EC2上でエミュレートし、労力を抑えてAWSにリホストする仮想化ソリューション「Virtualization for SPARC on AWS with Stromasys」がre:Invent 2023中に発表されました。
Virtualization for SPARC on AWS with Stromasys is now available
AWSの製品分類としては、Mainframe Modernization(M2) 配下にあります。
Stromasys社のCharon-SSPがコア技術
Amazon EC2のX86-64のLinux上にSPARCをエミュレートするStromasys社の仮想マシンCharon-SSPをデプロイし、その上でSPARC向けアプリケーションが動作します。レガシーアプリケーションのCPUアーキテクチャー変更開発は不要です。
※ 引用 Charon integration - AWS Mainframe Modernization
Charon-SSPはX86-64をターゲットにしているので、さらなるアーキテクチャーの引っ越しを検討する頃には、さすがにSPARCシステムは役目を終えているでしょう。
Stromasys社とは?
Stromasys社はプロセッサー・エミュレーションを得意とする企業です。公式サイトの社歴によると、DECの一部門だったのがCompaqの買収を期にマネージメントバウアウトで1998年に設立されたとあります。
AWS re:Inventで発表のあったSPARCをターゲットする Charon-SSP以外にも、DEC Alpha *1向けのCharon-AXP、VAX向けのCharon-VAX、HP-UXのようなPA-RISC向けのCharon-PARなど、主要レガシーハードウェアのエミュレート製品群を要しています。
2022年にはAWS Migration and Modernizationコンピテンシーを取得し、AWSパートナーネットワークブログには2022年からStromasys社の記事を確認できます。
Stromasys | AWS Partner Network (APN) Blog
最後に
AWSからSPARCアーキテクチャーのサーバー・ワークステーションを仮想化してAWSにリホストするソリューション「Virtualization for SPARC on AWS with Stromasys」が発表されました。
マーケットプレイスで"charon ssp"で検索すると、 "By Amazon Web Services"な製品を確認できます。
また、AWS環境向けのセットアップドキュメントも更新されています。
AWSのお墨付きとも相まって、データセンターの片隅に鎮座するSPARCハードウェアをクラウドに移行する上では、有力な選択肢の一つとなるのではないでしょうか?
キラキラした発表の中に、こうした泥臭い発表もあるのはいいですよね。
社内チャットでも反応がありました
参考
- Charon integration - AWS Mainframe Modernization
- Virtualization for SPARC on AWS with Stromasys is now available
- Managed Mainframe Migration Service | AWS Mainframe Modernization Virtualization for SPARC on AWS with Stromasys
- [速報]AWS、SPARCサーバを仮想化してAWSに載せる「Virtualization for SPARC on AWS with Stromasys」発表。AWS re:Invent 2023 - Publickey
脚注
- 赤いDIGITALのロゴが素敵ですね! ↩