[アップデート]SPARCサーバーをAWSにリホストするVirtualization for SPARC on AWS with Stromasysが発表されました #AWSreinvent

2023.11.28

クラウドの裾のが広がっても、切っても切れないのがレガシーなオンプレ資産。特に、CPUアーキテクチャーが現在主流のx86ではないハードウェア群は厄介です。

その代表格とも言えるのが、往年のサン・マイクロシステムズが設計した SPARC です。 Solarisが動いていたあの筐体です。

そんなSPARCサーバー/ワークステーションのハードウェアをAmazon EC2上でエミュレートし、労力を抑えてAWSにリホストする仮想化ソリューション「Virtualization for SPARC on AWS with Stromasys」がre:Invent 2023中に発表されました。

Virtualization for SPARC on AWS with Stromasys is now available

AWSの製品分類としては、Mainframe Modernization(M2) 配下にあります。

Stromasys社のCharon-SSPがコア技術

Amazon EC2のX86-64のLinux上にSPARCをエミュレートするStromasys社の仮想マシンCharon-SSPをデプロイし、その上でSPARC向けアプリケーションが動作します。レガシーアプリケーションのCPUアーキテクチャー変更開発は不要です。

※ 引用 Charon integration - AWS Mainframe Modernization

Charon-SSPはX86-64をターゲットにしているので、さらなるアーキテクチャーの引っ越しを検討する頃には、さすがにSPARCシステムは役目を終えているでしょう。

Stromasys社とは?

Stromasys社はプロセッサー・エミュレーションを得意とする企業です。公式サイトの社歴によると、DECの一部門だったのがCompaqの買収を期にマネージメントバウアウトで1998年に設立されたとあります。

AWS re:Inventで発表のあったSPARCをターゲットする Charon-SSP以外にも、DEC Alpha *1向けのCharon-AXP、VAX向けのCharon-VAX、HP-UXのようなPA-RISC向けのCharon-PARなど、主要レガシーハードウェアのエミュレート製品群を要しています。

2022年にはAWS Migration and Modernizationコンピテンシーを取得し、AWSパートナーネットワークブログには2022年からStromasys社の記事を確認できます。

Stromasys | AWS Partner Network (APN) Blog

最後に

AWSからSPARCアーキテクチャーのサーバー・ワークステーションを仮想化してAWSにリホストするソリューション「Virtualization for SPARC on AWS with Stromasys」が発表されました。

マーケットプレイスで"charon ssp"で検索すると、 "By Amazon Web Services"な製品を確認できます。

また、AWS環境向けのセットアップドキュメントも更新されています。

Charon-SSP Version 5 for AWS Cloud - Getting Started - Product Documentation and Knowledge Base - Stromasys Wiki

AWSのお墨付きとも相まって、データセンターの片隅に鎮座するSPARCハードウェアをクラウドに移行する上では、有力な選択肢の一つとなるのではないでしょうか?

キラキラした発表の中に、こうした泥臭い発表もあるのはいいですよね。

社内チャットでも反応がありました

参考

脚注

  1. 赤いDIGITALのロゴが素敵ですね!