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クラスメソッドが考えるAPNパートナーとしてあるべき姿 [Japan APN Ambassador Advent Calendar 2020]

最初に

本記事はJapan APN Ambassador Advent Calendar 2020の6日目の記事です。そもそもJapan APN Ambassadorって何?という方は以下の記事をお読みください。

なお、私は2019年のJapan APN Ambassadorであり、既に引退済みですが、初代Amabassadorとして、本記事を書かせて頂きます。

APNパートナーとは

APNとはAWS Partner Networkの略称で、AWSを活用してソリューションやサービスをお客様に提供しているコンサルティング企業とテクノロジー企業向けのAWSによるグローバルパートナープログラムです。コンサルティングパートナーがコンサルティング会社やSI会社など向け、テクノロジーパートナーがSaaSやパッケージプロダクトなどを提供している企業向けです。

また、パートナーにはティア(Tier)と呼ばれる4つの階層があります。ざっくり言えば、上位のパートナーほどAWSに関するノウハウが豊富で、ビジネス的にも成功しています。レジスタードはパートナーネットワークに登録すれば自動的になることが出来ます。

  • プレミア (コンサルティングのみ、テクノロジーは無し)
  • アドバンスド
  • セレクト (旧スタンダード)
  • レジスタード

APNパートナーを探すことが出来るAWS Partner Solutions Finderで確認する限り、現時点での日本のパートナーの状況は以下の通りです。

  • 合計パートナー数 = 696
  • コンサルティングパートナー数 = 360
  • テクノロジーパートナー数 = 336
  • プレミアコンサルティングパートナー数 = 19 (グローバルプレミア含む、日本のプレミアは10)
  • アドバンスドコンサルティングパートナー数 = 81
  • セレクトコンサルティングパートナー数 = 260
  • アドバンスドテクノロジーパートナー数 = 49
  • セレクトテクノロジーパートナー数 = 287

APN Ambassadorは

APN Ambassador Program は、世界中の APN Consulting Partner から卓越した技術力を持ち、社外への情報発信(セミナーでの登壇、Blogや書籍など)を活発に実施されている方々を APN Ambassadors として認定し、認定されたメンバーで構成されるコミュニティとなります。

という制度なので、原則として全員がAPNパートナーの一員です。

APNパートナーとしてあるべき姿

APNパートナーは認定されるだけでメリットがあるものではありません。全てのAPNパートナーが強い意思を持ってAPNという仕組みにコミットし、積極的な活動を行っていくことによって、企業としてメリットが享受出来るものです。

なお、これは私の持論ですが、APNは「AWSが提供する、AWSパートナーのエコシステム」ではありません。AWS自身もエコシステムの一員であり、そのエコシステムを盛り上げていくためにAWS自身も努力すべきだし、パートナーからのフォードバックを積極的に受けるべきであり、実際AWSはそのように活動していると認識しています。だから、AWSはAPNを管理している側ではなく、同じエコシステムの一員だと私は考えています。

AWSのサービスを多くのお客様に使って頂くために活動する

当然ですが、APNパートナーである私達は、AWSがお客様の課題を解決する上で最も適したサービスであると考えて選定し、自社のサービスやソリューションに組み込んでお客様に提供しています。AWSを導入することがお客様のためになると信じているのです。だから、少しでも多くのお客様にAWSを選定頂きたいし、AWSが提供する様々なサービスを使って頂きたいと考えています。

私達はAWSの良さやAWSがどのように課題を解決するのかを、しっかりとお客様に伝えてたいと思っています。そのためにはやはり、私達自身がAWSを良く知らなくてはいけません。だから、日頃からAWSのサービスが持つ機能や活用方法、ユースケース、ベストプラクティスなどをたくさんインプットし、それをお客様への提案に繋げています。

また、重要なこととして、お客様の課題を解決する上で必ずしもAWSのサービスがマッチしないのであれば、提案しないこともあります。私達が最重要に考えているのはお客様の課題解決であり、マッチしないものを無理に適用することでお客様のAWSへの心象を下げることはしたくないからです。しかし、お客様の課題を解決出来ると確信出来るものは積極的にAWSを活用して提案します。

AWSの良さをたくさんの方に知って頂くために活動する

前述の通り、私達はAWSの良さを知ってAWSのパートナーエコシステムに参加しているわけですから、お客様だけではなく、多くの方にAWSを使っていただきたいと思っています。AWSを使うことで情報システムの様々な課題を解決したり、新しい取り組みを促進したりすることが出来ると考えています。そのためにはAWSがどのように使われているのか、どのような課題を解決したのかを知って頂くのが一番手っ取り早いです。

このため、多くにAPNパートナーはAWS導入事例を数多く公開しています。弊社ももちろん公開しています。

また、セミナーやウェビナーを通じて事例のご紹介もしています。AWSは数多くのサービスがあり、どのように使えば自社の課題を解決出来るのか悩まれている方も多いと思います。他社の事例が課題解決のヒントにな り、ひいてはAWSを導入することで、出来るだけたくさんの方がハッピーになって欲しいと思っています。

AWSのノウハウを惜しみなく外部に提供する

私達はAWSのコンサルティングパートナーとして、日々多くのお客様にAWS導入のご支援を行っておりますし、そのためにたくさん学習しています。そのノウハウを出来るだけ多くの方に知って頂けるように、パブリックにアウトプットしています。本ブログへの記事投稿はもちろん、書籍や技術雑誌への執筆、セミナーやJAWSなどの技術コミュニティへの登壇、Youtube、などです。

私達のノウハウを外部に提供することで、より多くの方がAWSに興味を持ち、AWSを使って頂くことで、多くの企業の課題が解決されると思っています。

パートナーエコシステムの拡大のために活動する

上記の全ての活動は、結果的にパートナーエコシステムの拡大に繋がると考えています。つまり、コンサルティング会社やSI会社、パッケージベンダ、SaaSベンダなどがこのAPNというパートナーエコシステムに参加して欲しいと考えて活動しています。

「それって競合会社が増えるだけじゃないのか」と考える人もいるかも知れません。しかし、多くの場合、企業はそれぞれ特色や得意分野を持っており、全ての課題を一社で解決することは困難です。最も重要なのは顧客の課題を解決することであり、自社でその全てが満たせないのであれば、それが出来る企業と協業するのが最も効率がよく、そして協業するのであれば同じテクノロジー基盤を使っているほうがやりやすいです。私達にとってその基盤がAWSです。

多くのエンジニアがAWSを使いこなし、多くの企業がAWSを活用してソリューションやサービスを提供し、多くのお客様がAWSを選択し課題を解決する。それこそがパートナーエコシステムです。

私達はパートナーエコシステムの拡大のために様々な活動を行っています。例えばアドバンスドパートナーやセレクトパートナーのためにAWSビジネスの知見や技術ノウハウを共有するセミナーを実施したり、テクノロジーパートナーに対して技術支援を提供したりしています。お客様がAPNに登録するための手伝いをすることもあります。APNパートナーのためのイベントに登壇することもあります。

技術的な知見と同じく、ビジネスの知見も秘匿したいとは考えていません。結局の所、他社のビジネスの知見はある程度は参考になったとしても、差別化のためには独自色を出さなければいけないため、機密と言えるほど他社にとって重要な情報ではないと考えています。

パートナーエコシステム内の交流活発化のために活動する

前述の通り、パートナーエコシステムにおいては競合より協業が優先されるべきです。それがパートナー全社にメリットがあるためです。地道な話ですが、コロナ禍前はコンサルティングパートナー同士で懇親会を行い、お互いのビジネス状況や、協業ポイントのすり合わせなどを行ってきました。時にはそれぞれの得意な分野を互いに活用するために、戦略的協業契約を締結することもあります。

特に、コンサルティングパートナーとテクノロジーパートナーの協業は、ビジネス上大きなメリットがあります。多くのテクノロジーパートナーはAWSが提供していないサービスやソリューションを展開しています。コンサルティングパートナーが持つAWSに対する知見と、テクノロジーパートナーの特定領域におけるサービスやソリューションを組み合わせることで、お客様の課題を効率的に解決することが出来ます。弊社も多くのテクノロジーパートナーと協業関係を構築しています。

AWSに対して積極的に忌憚なくフィードバックする

有名な、Amazonの企業カルチャーである「Our Leadership Principles」にCustomer Obsessionとして明記されている通り、Amazonは顧客中心主義を掲げています。AWSも例外でなく、サービスのアップデートや新サービスの開発について、顧客からのフィードバックを重視して判断しています。

ですので、私達APNパートナーは、ポジティブ/ネガティブ関係なく、AWSに対して積極的にフィードバックするべきです。私達の顧客から積極的にフィードバックを得ることもありますし、自分たちが使ってみた経験からフィードバックすることもあります。リクエストだけでなく、新しいサービスや機能によって課題が解決したのであれば、その旨をAWSに伝えます。お客様のご了承を頂ければ公開事例の形を取ることもあります。

そのフィードバックによって、AWSが成長することが、結果的にAPNパートナー自身のビジネスに繋がります。

さいごに

本記事に書かれたものはあくまでクラスメソッドが考えているものであり、AWS公式の見解では当然ありません。もしかしたらAWS自身の考えとはズレているものがあるかも知れません。しかし、クラスメソッドは、APNというパートナーエコシステムにフルコミットすることが、顧客の課題を解決することに繋がるし、その結果として自社のビジネスに良い効果をもたらすと考えています。実際にクラスメソッドはAWSにフルコミットし、直近5年間だけでも純利益が24倍になっています。これは私達がAPNにフルコミットし続けて得たベネフィットの1つです。

パートナーの皆さん、是非一緒にAPNを盛り上げていきましょう!