FSx for NetApp ONTAP で iSCSI 接続する場合、LUN に設定した領域がユーザーデータとして使用済みに見えるので注意してください

FSx for NetApp ONTAP で iSCSI 接続する場合、LUN に設定した領域がユーザーデータとして使用済みに見えるので注意してください

LUN として切り出した領域は、iSCSI マウントした OS 上から十分に空いているように見えても、FSx コンソールからは「使用済み」に見えるので注意してください。 FSxN ボリューム自体の枯渇に備えるには FSxN のボリュームのメトリクスの監視が必要です。
Clock Icon2024.02.29 15:05

コーヒーが好きな emi です。

FSx for NetApp ONTAP(以降、FSxN と省略)は iSCSI プロトコルでファイルサーバーを EC2 にマウントすることができるのですが、iSCSI マウントする前に LUN を設定する必要があります。

この LUN として切り出した領域は、ユーザーがデータを格納していない空っぽの状態でも、FSx コンソールからは「使用済み」に見えるので注意してください。

図説

例えば 40GiB の FSxN ボリュームで 25GiB の LUN を設定し iSCSI マウントします。
マウントしたサーバー OS からは 25GiB の空っぽのディスクが見えます。
FSx コンソールでメトリクスを確認すると、FSxN ボリュームは 25GiB ユーザーデータとして使用中になっています。

FSxN ボリュームの枯渇対策としては、OS 上で見える容量の監視ではなく、AWS 側で見えるボリューム関連のメトリクスを監視する必要があります。

LUN のサイズ確認

25GiB の LUN を作成しておきました。以下のコマンドでサイズを確認します。

実行コマンド

lun show

▼実行結果

FsxId0d2b3bbfe2facc9ac::> lun show
Vserver   Path                            State   Mapped   Type        Size
--------- ------------------------------- ------- -------- -------- --------
emiki-fsxn-svm
          /vol/emiki_fsxn_vol1/emiki-fsxn-lun1
                                          online  unmapped windows_2008 25GB

FsxId0d2b3bbfe2facc9ac::>

サイズが 25GB になっているのが分かります。

volume show-space コマンドで空き容量も確認します。

実行結果例(クリックで展開)
FsxId0d2b3bbfe2facc9ac::> volume show-space -vserver emiki-fsxn-svm -volume emiki_fsxn_vol1

                          Vserver: emiki-fsxn-svm
                      Volume Name: emiki_fsxn_vol1
                      Volume MSID: 2163068317
                      Volume DSID: 1026
                     Vserver UUID: 0c5f9e9c-d705-11ee-8e80-876520a6b1e2
                   Aggregate Name: aggr1
                   Aggregate UUID: 2adcd130-d704-11ee-8e80-876520a6b1e2
                         Hostname: FsxId0d2b3bbfe2facc9ac-01
                        User Data: 25.10GB
                User Data Percent: 63%
                    Deduplication: 4KB
            Deduplication Percent: 0%
          Temporary Deduplication: -
  Temporary Deduplication Percent: -
              Filesystem Metadata: 236KB
      Filesystem Metadata Percent: 0%
              SnapMirror Metadata: -
      SnapMirror Metadata Percent: -
             Tape Backup Metadata: -
     Tape Backup Metadata Percent: -
                   Quota Metadata: -
           Quota Metadata Percent: -
                           Inodes: 20KB
                   Inodes Percent: 0%
                   Inodes Upgrade: -
           Inodes Upgrade Percent: -
                 Snapshot Reserve: 2GB
         Snapshot Reserve Percent: 5%
        Snapshot Reserve Unusable: -
Snapshot Reserve Unusable Percent: -
                   Snapshot Spill: -
           Snapshot Spill Percent: -
             Performance Metadata: 16KB
     Performance Metadata Percent: 0%
                       Total Used: 27.10GB
               Total Used Percent: 68%
         Total Physical Used Size: 344KB
         Physical Used Percentage: 0%
                Logical Used Size: 27.10GB
             Logical Used Percent: 68%
                Logical Available: -

FsxId0d2b3bbfe2facc9ac::>

展開いただくと分かりますが、User Data: 25.10GB となっており、LUN で切った部分はユーザーデータとして使用済みになっているのが分かります。

OS 側からの確認

LUN を iSCSI で Windows Server にマウントしてみると、以下のように見えます。今回はディスク 2 としてマウントされました。E ドライブとしてフォーマット済みです。

エクスプローラーからは 24.9GiB 空きに見えています。

FSxN コンソールからメトリクスも確認します。
FSxN のボリューム詳細画面のモニタリングタブの「ストレージディストリビューション」で、ボリュームの内訳が確認できます。

  • ユーザーデータ(LUN に設定した容量がユーザーデータとして使用済みに見える)
    • 25.10GiB(≒26,949,304,320 Byte)
    • 62.75%
  • 使用可能なボリューム容量
    • 12.90GiB(≒13,852,602,268 Byte)
    • 32.25%

ちなみにオレンジの部分は Snapshot Reserve と言って、スナップショットのためにデフォルトで 5% 確保されている領域です。
今回は 40GiB の 5% で 2GiB(≒2,147,483,648 Byte)確保されています。

おわりに

LUN として切り出した領域は、iSCSI マウントした OS 上から十分に空いているように見えても、FSx コンソールからは「使用済み」に見えるので注意してください。
FSxN ボリューム自体の枯渇に備えるには FSxN のボリュームのメトリクスの監視が必要です。
OS 上から見えるディスク容量の監視と合わせて、FSxN のボリュームのメトリクスも監視すると良いでしょう。

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