コーヒーが好きな emi です。
FSx for NetApp ONTAP(以降、FSxN と省略)は iSCSI プロトコルでファイルサーバーを EC2 にマウントすることができるのですが、iSCSI マウントする前に LUN を設定する必要があります。
この LUN として切り出した領域は、ユーザーがデータを格納していない空っぽの状態でも、FSx コンソールからは「使用済み」に見えるので注意してください。
図説
例えば 40GiB の FSxN ボリュームで 25GiB の LUN を設定し iSCSI マウントします。
マウントしたサーバー OS からは 25GiB の空っぽのディスクが見えます。
FSx コンソールでメトリクスを確認すると、FSxN ボリュームは 25GiB ユーザーデータとして使用中になっています。
FSxN ボリュームの枯渇対策としては、OS 上で見える容量の監視ではなく、AWS 側で見えるボリューム関連のメトリクスを監視する必要があります。
LUN のサイズ確認
25GiB の LUN を作成しておきました。以下のコマンドでサイズを確認します。
実行コマンド
lun show
▼実行結果
FsxId0d2b3bbfe2facc9ac::> lun show
Vserver Path State Mapped Type Size
--------- ------------------------------- ------- -------- -------- --------
emiki-fsxn-svm
/vol/emiki_fsxn_vol1/emiki-fsxn-lun1
online unmapped windows_2008 25GB
FsxId0d2b3bbfe2facc9ac::>
サイズが 25GB になっているのが分かります。
volume show-space コマンドで空き容量も確認します。
実行結果例(クリックで展開)
FsxId0d2b3bbfe2facc9ac::> volume show-space -vserver emiki-fsxn-svm -volume emiki_fsxn_vol1
Vserver: emiki-fsxn-svm
Volume Name: emiki_fsxn_vol1
Volume MSID: 2163068317
Volume DSID: 1026
Vserver UUID: 0c5f9e9c-d705-11ee-8e80-876520a6b1e2
Aggregate Name: aggr1
Aggregate UUID: 2adcd130-d704-11ee-8e80-876520a6b1e2
Hostname: FsxId0d2b3bbfe2facc9ac-01
User Data: 25.10GB
User Data Percent: 63%
Deduplication: 4KB
Deduplication Percent: 0%
Temporary Deduplication: -
Temporary Deduplication Percent: -
Filesystem Metadata: 236KB
Filesystem Metadata Percent: 0%
SnapMirror Metadata: -
SnapMirror Metadata Percent: -
Tape Backup Metadata: -
Tape Backup Metadata Percent: -
Quota Metadata: -
Quota Metadata Percent: -
Inodes: 20KB
Inodes Percent: 0%
Inodes Upgrade: -
Inodes Upgrade Percent: -
Snapshot Reserve: 2GB
Snapshot Reserve Percent: 5%
Snapshot Reserve Unusable: -
Snapshot Reserve Unusable Percent: -
Snapshot Spill: -
Snapshot Spill Percent: -
Performance Metadata: 16KB
Performance Metadata Percent: 0%
Total Used: 27.10GB
Total Used Percent: 68%
Total Physical Used Size: 344KB
Physical Used Percentage: 0%
Logical Used Size: 27.10GB
Logical Used Percent: 68%
Logical Available: -
FsxId0d2b3bbfe2facc9ac::>
展開いただくと分かりますが、User Data: 25.10GB
となっており、LUN で切った部分はユーザーデータとして使用済みになっているのが分かります。
OS 側からの確認
LUN を iSCSI で Windows Server にマウントしてみると、以下のように見えます。今回はディスク 2 としてマウントされました。E ドライブとしてフォーマット済みです。
エクスプローラーからは 24.9GiB 空きに見えています。
FSxN コンソールからメトリクスも確認します。
FSxN のボリューム詳細画面のモニタリングタブの「ストレージディストリビューション」で、ボリュームの内訳が確認できます。
- ユーザーデータ(LUN に設定した容量がユーザーデータとして使用済みに見える)
- 25.10GiB(≒26,949,304,320 Byte)
- 62.75%
- 使用可能なボリューム容量
- 12.90GiB(≒13,852,602,268 Byte)
- 32.25%
ちなみにオレンジの部分は Snapshot Reserve と言って、スナップショットのためにデフォルトで 5% 確保されている領域です。
今回は 40GiB の 5% で 2GiB(≒2,147,483,648 Byte)確保されています。
おわりに
LUN として切り出した領域は、iSCSI マウントした OS 上から十分に空いているように見えても、FSx コンソールからは「使用済み」に見えるので注意してください。
FSxN ボリューム自体の枯渇に備えるには FSxN のボリュームのメトリクスの監視が必要です。
OS 上から見えるディスク容量の監視と合わせて、FSxN のボリュームのメトリクスも監視すると良いでしょう。