[パブリックプレビュー] Microsoft Azure の WordPress on App Service に Free プランが追加されたので内容を確認してみた

[パブリックプレビュー] Microsoft Azure の WordPress on App Service に Free プランが追加されたので内容を確認してみた

Clock Icon2023.09.25

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

いわさです。

1 年以上前ですが Microsoft Azure で提供されている WordPress on App Service について紹介したことがあります。
Azure 上のマネージドな PaaS サービスを組み合わせて、WordPress ホスティング環境を簡単にセットアップ出来る Microsoft 公式テンプレートです。

WordPress on App Service は主に Azure App Service と Azure Database for MySQL frexible server で構成されており、WordPress on App Service で定義されたプランによってそれぞれのサービスのプランが決定されています。

App Service は開発用の無料プランが用意されているのですが、これまでは WordPress on App Service では使用出来ませんでした。
先日のアップデートで無料プランがパブリックプレビューで使えるようになりました。

無料プランによる制限事項がいくつかありますが、WordPress on App Service の使い勝手などを検証する際に活用することが出来そうです。

開始手順

WordPress on App Service の作成を開始する方法は複数存在します。

Marketplace

マーケットプレイスから開始する場合は次のように「WordPress on App Service」を選択します。Microsoft によって公開されているものです。

他のものは仮想マシンでホスティングするテンプレートだったり、別のものがパッケージされたテンプレートだったりしますのでご注意ください。

各サービスから作成を開始

App Service の場合は Create メニューに「WordPress on App Service」が存在しています。

Azure Database for MySQL の場合も Create ボタン押下後にプランを選択することが出来ます。

本日時点では次のように Flexible server か、WordPress + MySQL Frexible server かを選択する形となっていました。

パラメータ設定

前述のいずれから開始した場合も同じテンプレートが使用されます。

日本リージョンが選択できなかった

Japan East を選択したところ、「MySQL flexible server is not available for your selection of subscription and location」と表示されました。

Azure Database for MySQL Flexible server 自体は日本リージョンで使えた気がしますが、テンプレートの制約あるいはプレビュー時点の制限でしょうか。
ここでは East US を選択しました。

Free プランの制限を確認する

デフォルトでは Standard が選択されていますので以下からプランを変更します。

今回追加された Free プランは、App Servie Plan が無料の F1 で、MySQL Flexible Server は有料の B1s という組み合わせとなっています。
そのため WordPress on App Service 全体の料金として無償というわけではないのでご注意ください。

上記の赤枠部分が対応していない部分です。VNET 統合や Blob Storage, CDN を始めいくつかの機能が使用出来ません。
また、上記に記載がないですが App Service が Free プランになるので AlwaysOn が有効化することが出来ません。
アップデートアナウンスにも記載がありますが、この Free プランは運用環境向けではなく検証用途を想定したプランとなっています。

リソース作成時の Advanced タブでも次のように設定が出来ない状態となっていました。

WordPress 基本設定

このテンプレートでは WordPress の初期設定まで行ってくれます。
そのためこの時点で必要な情報をいくつか入力しておきます。

作成されたリソースを確認してみる

作成されたリソースは前回の記事と同様に App Service + Plan と MySQL Flexible Server ですね。
大昔に App Service 内に MySQL を内包するアーキテクチャーも存在していたような気がしますが、通常の MySQL Flexible Server でした。

蛇足ですが、リソース一覧のビューを切り替えるとリソースグループ内のリソースをマップで可視化出来るの良いなと思いました。

なお、MySQL Flexible Server はコンソールの試算では 1,088 円/月 となっていました。

アクセスしてみる

デプロイが完了したら App Service のデフォルトドメインにアクセスします。
なお、Free プランはカスタムドメインをサポートしていないのでデフォルトドメインでのみのアクセスとなります。

初回アクセス時は次のようにセットアップが実行されますので数分待ちます。

セットアップが完了するとデフォルトの Web サイトが表示されました。
通常は WordPress のセットアップに必要な情報を入力する部分だと思いますが、WordPress on App Service の場合はデータベース接続情報などを入力する必要はありません。

管理画面へアクセス

/wp-adminへアクセスすると WordPress 管理画面へアクセスすることが出来ます。

アップデートアナウンスに記載がありましたが、ローカル Redis キャッシュが有効化されていましたね。

App Service の SSH コンソールでも Redis サーバーが起動されていることが確認出来ます。

phpMyAdmin へアクセス

/phpmyadminへアクセスすると phpMyAdmin にアクセス出来ます。
こちらも WordPress on App Service の中で自動でセットアップされています。

WordPress on App Service のセットアップの過程でユーザー名とパスワードは入力していなかったと思います。こちらは自動で設定され、App Service のアプリ構成から設定値を確認することが出来ます。

アクセスしてみると次のように WordPress 関係のデータベースがセットアップされていることが確認出来ます。

さいごに

本日は Microsoft Azure の WordPress on App Service に Free プランが追加されたので内容を確認してみました。

WordPress on App Service は簡単に WordPress 導入しつつ様々なマネージドサービスをデフォルトで組み合わせることが出来ます。
レンタルサーバーより少し基盤のランニングコストは高くなりそうですが、信頼性の高い WordPress 環境をインフラ知識なしで構築出来るので個人的に注目しています。

Free プランで検証しやすくなっていると思いますのでぜひ試してみてください。

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.