Zendesk Explore の標準ユーザー定義メトリックを使ったクエリの作成方法(2 つの縦棒グラフと割合)

Zendesk Explore の標準ユーザー定義メトリックを使ったクエリの作成方法(2 つの縦棒グラフと割合)

Clock Icon2021.10.09

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はじめに

クラスメソッドメンバーズではサポートプラットフォームに Zendesk を使用しています。

Zendesk はチケットの管理以外にレポーティングとデータ分析を行う Zendesk Explore 機能が備わっています。

今回は Zendesk Explore で特定のチームで対応したチケットを分析するクエリ例を紹介します。

クエリの要件

  • チームがどの程度のチケットを処理できたか確認したい
  • チームには複数の担当者(エージェント)が所属している
  • チームに割り当てられたチケットは、最初に割り当てられたチームメンバーがすべて処理するわけではない
    • 問い合わせ内容次第で他チームへ渡す場合もあり
  • チケットを一度でも更新したのであれば対応したチケットとしてカウントする
  • お問い合わせチケットの中で特定のチームが対応した割合を出したい

クエリの考え方

クエリは次のドキュメントにしたがって作成します。
Zendesk Supportのメトリックと属性 – Zendeskヘルプ

まず、上述の要件を満たすために以下のような式を考えます。

チームの担当者が対応したチケットの合計件数 / チームに割り当てられた全体のチケットの合計件数

どちらにも共通している「チケットの合計件数」は、Znedesk Explore の式[チケットID]が該当します。

さらに「チームに割り当てられた」は[チケットID]の結果にタグなどのチームを表現できる要素でフィルターをかければシンプルに実現できます。
同様に「チームの担当者が対応した」をフィルターで表現しようとすると、結果全体にフィルターがかかってしまい「チームに割り当てられた全体のチケットの合計件数」にも影響を及ぼします。

よって、1 つの式(メトリック)で表現が必要です。

[チケット ID] 式からフィルターを使わずに特定のチケットへ絞る

「チームの担当者が対応した」を表す式(メトリック)は以下のように表現できます。

IF IN([更新者のメールアドレス], ARRAY(
    "aaa@example.com",
    "bbb@example.com",
    "ccc@example.com",
    // ...(省略)
  ))
THEN [チケットID]
ENDIF

※ 便宜上[更新者のメールアドレス]としましたが、この箇所はその他の式でも構いません。[更新者の外部ID]なども使えると思います。

この式(メトリック)は Zendesk Explore の画面右側の [電卓アイコン > 標準ユーザー定義メトリック] の順にクリックすることで、標準ユーザー定義メトリックとして保存できます。

標準ユーザー定義メトリックを保存すると、画面左部のメトリックの追加から作成したメトリックが使えるようになります。

作成した標準ユーザー定義メトリックを使ってグラフを作る

これまでに作成した「チームの担当者が対応したチケットの合計件数」と同様に、「チームに割り当てられた全体のチケットの合計件数」も標準ユーザー定義メトリックとして保存します。
特定の条件に依存しない「チケットの合計件数」を表しますので、このメトリック名は「チケットの合計件数」などをオススメします。

[チケットID]

作成した 2 つのメトリックを使って、クエリを作成します。クエリは以下の手順で作ります。

  1. 作成したメトリック 2 つ(xxチームの担当者が対応したチケットの合計件数、チケットの合計件数)を追加
  2. 追加されたメトリックそれぞれをクリックし、集計方法をD_COUNT(Distinct Count)へ変更
  3. 列に [タイムスタンプ - チケットの更新日時 > 更新 - 月] と [タイムスタンプ - チケットの更新日時 > 更新 - 年] を追加(集計期間も適宜選択)
  4. フィルターに集計対象の条件を追加(タグやチケットの属性など結果を絞り込めそうな条件であれば何でも OK)
  5. 画面右側の棒グラフアイコンをクリック
  6. 表示タイプ縦棒をクリック
  7. (棒グラフの表示順を変えたければ)メトリックの要素(D_COUNT の文字あたり)をドラッグ & ドロップで上下移動する

ここまで行うと、以下のようなグラフが生成されます。

縦棒グラフの割合表示

最後に 2 つのメトリックの割合をパーセントで表示します。

これまでと同様に標準ユーザー定義メトリックを作成します。メトリック名は「チケット対応数の割合」とし、以下の式とします。

D_COUNT(xxチームの担当者が対応したチケットの合計件数)/D_COUNT(チケットの合計件数)

このままメトリックを保存してしまうとパーセント表記とはならないため、標準ユーザー定義メトリック作成画面右上の [オプション > 表示形式を編集] をクリックし、「標準」から「%」へ変更し、保存します。

その後、作成したメトリック「チケット対応数の割合」を先ほどと同様の手順で追加します。この時、集計方法はCOUNTとし、2軸をチェックします。

以上でクエリの作成は完了です。以下のようなグラフが描画されていれば成功です。

意図した表示となっていたら画面右上の「保存」をクリックします。
保存したクエリはダッシュボードに追加したり、他のクエリと組み合わせて表示できます。

おわりに

Zendesk Explore の標準ユーザー定義メトリックを使ったクエリの作成例を紹介しました。

私は最近 Zendesk Explore をいじる機会が増えましたが、GUI での操作は再現性を上げづらいので、やったことをブログにまとめておさらいしました。

今後も Zendesk Explore の知見が溜まったらブログに載せていければと考えています。どなたかの参考になれば幸いです。

参考資料

アノテーション株式会社について

アノテーション株式会社は、クラスメソッド社のグループ企業として「オペレーション・エクセレンス」を担える企業を目指してチャレンジを続けています。「らしく働く、らしく生きる」のスローガンを掲げ、さまざまな背景をもつ多様なメンバーが自由度の高い働き方を通してお客様へサービスを提供し続けてきました。現在当社では一緒に会社を盛り上げていただけるメンバーを募集中です。少しでもご興味あれば、アノテーション株式会社WEBサイトをご覧ください。

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