
【速報】 Zendeskのチケットデータ等からFAQ記事を自動生成するナレッジビルダー機能がリリースされました!
こんにちは、業務効率化ソリューション部の入井です。
2025年11月20日、Zendeskにてナレッジビルダー 機能のリリースの発表がありました。少し前からEAP(早期アクセス)機能として提供されており、今回は一般提供 (GA)が開始した形です。
このナレッジビルダーという機能は、過去のチケットデータ等の情報をもとに、生成AIでFAQ(ヘルプセンター)の記事を生成するものです。
従来、FAQサイトの記事の作成には多くの時間とリソースがかかることが課題となっていましたが、今回発表されたナレッジビルダーを活用することで、顧客からの問い合わせのやりとりによって蓄積されたチケットデータを分析し、顧客が実際に困っている内容を基にFAQ記事を自動生成できるようになるため、記事作成の効率を大幅に上げられることが期待できます。
ナレッジビルダーの概要
ナレッジビルダー機能の主な特徴は以下の通りです。
- 過去30日間の解決済みチケットから、よくある問い合わせ内容を自動で抽出
- よくある問い合わせ内容や、ビジネスコンテキストの入力情報(ビジネスの内容や、実際に必要なサポート内容)から、対象ブランドに最大40件の記事を自動生成
- 最大10回まで再生成可能
- 生成された記事はすべて下書き状態で保存されるため、公開前にレビューと編集が可能
- プランはSuite Growth以上で利用可能
ナレッジビルダーを使う手順
ナレッジビルダーを使ってヘルプセンターを生成する具体的な手順をご紹介します。
1. ナレッジビルダーを開始する
開始方法は、使用対象のブランドの状況によって異なります。
ブランドにFAQサイトがまだ無い場合
管理センターからブランドの設定画面を開き、「アクション->ナレッジベースを有効にする」をクリックします。

すると、以下のようにナレッジビルダーの開始画面が自動的に表示されるので、「新しいヘルプセンターを生成する」をクリックします。なお、「または、ゼロから作成する」をクリックすることで、ナレッジビルダーを使用せずにFAQサイトを作成することも可能です。

ブランドに既にFAQサイトがある場合
Guide管理画面を開くとページ上部に「新しいヘルプセンターを生成する」というタイトルのバナーが表示されます。バナーの中の「ヘルプセンターを生成」をクリックすることで、ナレッジビルダーが開始します。

2. ビジネス情報を入力する
ナレッジビルダーを開始すると、以下の様な画面が表示されます。

「ビジネスの内容」欄や「カスタマーは何についてサポートを必要としていますか?」欄に入力することで、対象ブランドでどのようなビジネス上のサポートが行われているのかをナレッジビルダーが理解します。
これにより、生成される記事の内容も影響を受けるので、Zendeskもドキュメント上ではできるだけ詳細な情報を入力することを推奨しています。
また、生成する記事の言語の指定や、FAQサイトの名前もここで設定することができます。
3. サイトの構造案の確認
「プレビューを生成」をクリックすると、画面右側の新しいFAQサイト全体の構造がAIによって提案されます。
カテゴリ->セクション->記事の階層構造になっており、この時点ではまだ記事の中身は生成されていません。

提案された構造を確認し、もし期待する内容と異なる場合、ビジネス情報やサポート内容の入力情報を編集し、「新しいプレビューを生成」をクリックして再生成できます。最大10回まで新しいプレビューを生成できます。
4. 記事の生成・確認
プレビュー内容に問題がなければ、「ヘルプセンターを生成」をクリックします。
記事の中身の生成が始まるので、しばらく待ちます。

生成が完了すると、自動的にGuideの設定画面に遷移します。
「AIが生成」というリストの中に、複数の記事が生成されていることが確認できます。今回、私はビジネス情報としてパソコンのECサイトであることを入力していたため、生成されている記事もそれに関連しています。

記事を選択して編集画面に遷移すると、ちゃんと中身まで作り込まれていることがわかります。

記事は、下書きとしてAI生成記事リストに保存されます。そのため、AIの生成した記事がそのまま外部に公開されてしまうということはありません。
誤った内容の記載や、企業ブランドに合わない表現方法が記事に混じっている可能性があるため、基本的にAIが生成したものは人間によるレビューを行い、必要に応じて修正を加えたうえで公開するという流れを踏むことを推奨します。
活用時の注意点
以下、Zendeskのドキュメントに記載されているナレッジビルダーについての注意点を紹介します。
利用に適したケース・適さないケース
この機能は、FAQサイトをまだ作成していなかったり、既存のサイトが古く全面的な作り直しが必要な場合に一番効果を発揮するとのことです。
一方で、すでに内容の充実したFAQサイトを維持している場合、役に立たない可能性があるようです。
ナレッジビルダーは既存記事の更新機能は持っておらず、常に新しいヘルプセンター構造を作成します。そのため、既存のセクションやカテゴリ・記事に重複したコンテンツが追加される可能性があり、記事の管理上混乱が生じる場合があります。
チケットデータの条件
ナレッジビルダーがFAQ記事の生成に使用するチケットの条件として、以下のものがあります。条件を満たしていない場合、参照されないため注意が必要です。
- ステータスが解決済みか終了のチケット
- 過去30日以内に作成されたチケット
- Webフォームまたはメールチャネルから作成されたチケット
- チケットは、対象のブランドに紐づいている必要あり
さいごに
「FAQサイトを作ったは良いけれど、記事を用意するのが大変」という声は、私も普段様々なお客様から聞いており、このナレッジビルダーはそういった課題の解決にかなり有効な機能だと思います。
ただ、注意点にある通り既存記事の改善更新機能は無く、常に新しいコンテンツを生成する機能になっているため、長期的なFAQ運用の中で活用するには工夫が必要そうです。
参考リンク







