
【早期アクセス】 Zendesk Exploreのレポートを自然言語で作成できるAI機能『クイックレポート』を試してみた
こんにちは、業務効率化ソリューション部の入井です
Zendeskでは、Exploreを活用することで分析用のレポートを作成することができますが、自由度が高い分なかなか使いこなすのが難しく、思い通りのレポートが完成するまでに思ったより時間がかかりがちです。
そんな課題を解決する方法として、今回EAP(早期アクセス)としてクイックレポートという機能が提供開始されたため紹介していきたいと思います。
クイックレポートとは
クイックレポートは、生成AIを活用したZendesk Exploreのレポート生成機能です。従来のExploreではレポート作成のために複雑な設定が必要でしたが、この機能は自然言語で指示を与えることで自動的にレポートを作成してくれるようになっています。
従来の機能との違い
従来のExploreでのレポート作成では、以下のような設定をすべて手動で行う必要がありました。
- データセット
- メトリック/属性
- フィルタ
- グラフ種類選択
- その他レイアウト等微調整
一方で、クイックレポートは自然言語による指示で一通りの設定作業をAIが代替してくれるため、レポート作成の敷居を大幅に下げてくれます。
もちろん、1つの指示で完全に意図通りの成果物が出来上がることは珍しく、基本的に人の手による微調整は必須ですが、それでも大まかな土台は作ってくれるので、すべてを人の手で対応するよりも遥かに効率が良いです。
実際に使ってみる
アクセス方法
この機能は、2025年9月現在Suite Professionalプラン以上の環境で利用可能です。
また、EAP機能である関係上、利用には専用フォームからの申請が必要となります。(以下のドキュメントにリンクあり)
機能がZendesk環境で有効になった後、以下の手順でアクセス可能です。
- Exploreの管理画面を開く
- レポート画面の右側に表示される「クイックレポート」ボタンをクリック
- 専用のAIとの対話画面が表示される
基本的な使い方
実際に「チケット作成数の月別の推移は?」という指示を投げかけてみました。なお、他のEAP機能は英語のみの対応が多いのですが、クイックレポートは最初から日本語に対応しています。
すると、10秒程度でレポートを生成してくれました。
生成されたレポートは、月別チケットの作成数を棒グラフで表示するもので、指示の段階で期待していた通りの結果を得ることができました。
生成結果の調整が必要な場合、「レポートビルダーで編集」というボタンをクリックすることでそのままレポート編集画面に入ることができます。
このように、複雑な設定を行うことなく、自然言語での指示だけで意図した通りにレポートが生成されるようになっています。
現状の課題
上記の例は割とシンプルな内容のためレポートも適切なものが生成されましたが、現状は少し複雑な指示を投げると意図した通りのレポートが作成されないことがあります。
「日別の担当者ごとのチケット対応数推移」を依頼した時、折れ線グラフや表形式ではなく円グラフが表示され、中身のメトリック等の設定も少しズレたものになっていました。
また、使用できるデータセットについても現在は「Support: Tickets」のみとなっているため、ナレッジベースや通話機能についての分析レポートの作成はまだ対応していません。
これらについては、今後の正式リリース時に改善されていることを期待したいと思います。
まとめ
- 2025年9月現在EAP中で提供されているExploreのクイックレポート機能は、自然言語による指示でAIが自動的にレポート作成してくれるものです
- これにより、従来よりもExploreレポート作成の敷居が下がり、より素早くレポートが作成可能になります。
- 現在はEAPである関係上、精度や機能に制約はありますが、今後の正式リリース時に改善されていることが期待できます。