「ヤフーニュースに載った!」だけで喜ばないウェブ広報担当に。ニュースサイト掲載ことはじめ

2019.06.26

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クラスメソッドではマーケティング部が広報業務も行っています。そして最近は組織拡大に伴って専任者がジョインするなど、ようやく「ブログの会社」以外のちゃんとしたPR活動ができるフェーズに入った気がします(と結局ブログに書いている人間がここにいるわけですが)。そんなわけで今回は、部内引き継ぎ資料を兼ねてウェブ広報活動のひとつ「自社のトピックを記事としてニュースサイトに掲載させる」ことの説明と、何を目指せばよいかについてポストします。

記事掲載までの流れ

自分たちの会社の話題がニュースサイトや新聞・雑誌に載る、というのは広報活動の目標としてよく挙がるものです。自分たちが新しいことをやるんだから広く知られたい、だからこそ多くの読者、特定ジャンルのファンを抱えているメディアに載りたいと思っています。

そのために企業側が打てる施策はいくつかありますが、もっとも手っ取り早いのが新トピックや企業情報を体系的にまとめた資料「プレスリリース」を作成し、各媒体に配信することです。クラスメソッドでは現在、コーポレートサイトおよび配信代行サービスのひとつ、PR TIMESを通じてプレスリリースを配信しています。

▶ プレスリリース|クラスメソッド
▶ クラスメソッド株式会社のプレスリリース一覧|PR TIMES

制作されたプレスリリースは、直接または代行サービス経由で記者のもとにニュースのネタとして届き、その内容に「これは!」と反応する要素があれば記事として掲載されます。

なんて、流れとしてはシンプルですが、記者のもとには1日あたり3ケタは新情報が届くので、その中から選ばれる工夫が必要です。私は前職で載せる側=ニュースサイト記者をやっていたのですが、全国津々浦々から「自分たちの情報はすごいので記事化したほうがいいと思います!」という熱意いっぱいの連絡が無数に来るのは本当に大変。別の機会に詳しく説明しますが、とにかくプレスリリース作るなら記者に向けて「タイトルはシンプルかつ強烈、内容は簡潔かつ詳しく」がいいと思います。

ヤフーさんYahoo!ニュース掲載あざす←間違い

ところで、ときどきFacebookやTwitterなどで「Yahoo!ニュースに載った!」と喜ぶ様子を見かけます。日本最大のポータルサイトのニュースコンテンツに記事が載るというのは確かに素晴らしいことです。が、これは前述の流れのように、Yahoo!の記者が記事を書いたというわけではないのでご注意ください。ライブドアニュースなどもそうです。

Yahoo!ニュースは今でこそYahoo!ニュース特集Yahoo!ニュース個人でオリジナル記事を発信するようになっていますが、Yahoo!が載せている大半の記事は「Yahoo!と契約しているメディアが自ら自社の記事をYahoo!ニュースにも二次配信した」ものです。ここまでの流れを簡単に描くとこうです。

プレスリリース掲載の流れ

マンモスポータルサイトのニュースコンテンツなのでPVはかなりのものでしょう。ただし、Yahoo!ニュースの記事ページの仕組みなどもあって、記事からプレスリリース配信元企業のサイトへ遷移してくれるなどの数値的貢献はあまり期待できません。

あと、配信した記事のPVに応じて掲載料が発生したり等で各メディア恩恵を受けているものの、Yahoo!ニュースの記事を見つけて我々が「ヤフーさんありがとう!」と言うと、もれなくメディアの記者が切ない気持ちになりますので控えましょう。あと、Yahoo!ニュースの二次配信記事は遅かれ早かれ一定期間を経て掲載終了するので何かうれしいニュースを見つけてもシェアは避けたほうがいいです。

なので、プレスリリースを作成する側としては、宛先を見誤らずに一次掲載メディアにきちんとターゲットを絞って情報を作ろうねと。自分たちの意図をきちんと汲んだり、専門知識に長けたりなどの有力なメディアへ集中的にアプローチを仕掛けるのは送信手段としては有効なのかもしれません。

「目指せヤフトピ」を掲載目標のひとつに

「日経とかNHK、またはワールドビジネスサテライトに載りたい」なんて話は、広報担当でなくとも社内で聞いたことがあるかもしれません。情報をメディアに送り込むという“とりあえず的な”広報活動において掲載メディアのトップとしてよく言われがちです。

上記のメディアにもそれぞれサイトはありますが、ウェブメディアとして目標とされる場所で一番はヤフートピックスだと思います。Yahoo!トップ画面の中央スペースです。

先ほど「Yahoo!ニュースに載っても」的なことを書きましたが、ここだけは別です。1日4000本以上の記事が集まった中からほんの一握りしか選ばれないそのスペースへの掲載は当然ながら高い関心を集めるトピックとして、多くの読者が自主的に検索するなどして配信元企業のサイトなどへ殺到します。なので、新規事業のPRなどについては当座の目標として置いてみるのもいいかもしれませんね。ただし難易度はSSRです。

以上、平成時代の基礎知識でした

といった形で、ウェブ広報施策として、ニュースサイト記事掲載について説明しました。で、自分でも書きながら思ったのですが、こうした考えも本来は平成っぽさがある、少し古いものだったりしています。

いまやスマートニュースやグノシーといったキュレーションアプリにNewsPicksもあって、二次配信媒体は多種多様です。また、TwitterをはじめとするSNSが、かつてのニュースサイトのような「一次メディア」と呼んでもおかしくないほどアクセスを集めるケースはみなさんもたくさん見てきたと思います。今後もその流れは加速し続けるでしょう。Developers.IO CAFEについて最初に報じるのが日経ではなく野生の通行人アルファツイッタラーだったとしてもおかしくないわけです。

時代は変わり、仕事も柔軟に変えざるを得ない、その一方で情報元としてしっかりやっていきの精神はずっと変わらずだよ!というシメになりそうですね。マーケティング部の広報業務、今日も楽しいです。