[書評]初心に返って「絵で見てわかるITインフラの仕組み 新装版」を読んだら駆け出しから少し経った今こそ読み込むべき本だった

いよいよ11月も最後。今年も残り1ヶ月となりましたね。

▲ そしていよいよ、re:Inventですよ!

ラスベガスを想起させられる画像がこんなものしかありませんでした。
こんにちは、AWS事業本部のShirotaです。「お前には賭け事は向いていない」と言われつつ、人生常にどこかに全賭けして生きてきました。こう見えてもです。
そんな訳で、今日はちょっといつもと趣向を変えてブログを書いていきたいと思います。

書評といふものを書いてみむとてするなり

弊社ブログにもいくつも良エントリーがあります「書評」。
書評を読んで気になり、実際に買った本もあります。

そして、11月最後のブログは初めての書評です。もっと書いているかと思っていた
自分にとって刺さったものを人に伝えるという事がとても難しいという事は、実際にブログを読んだり書いたりしてきてひしひしと感じています。
「結局自分が読んでみて感じた事は、自分しか感じないような事で誰にも刺さらないかもしれない」……そう思ってしまう為、個人的には中々筆が乗らないジャンルでした。
でも、よくよく考えると「このサービス試してみてこれが良かった!」を普段届けようと活動しています。書評もそれと同じだよな、とふと思いました。
そんな訳で、早速書評を書いていこうと思います。

今回紹介する本

今回紹介したい本はこちら、「 絵で見てわかるITインフラの仕組み 新装版 」です!

私は、Kindle版を購入しました。実は、技術書をKindleで買って読むのは初めてだったのですが、iPad Proだとイラスト入りの技術書は大変読みやすく、背景色を緑色に変える事で目に優しく読み易くなったりと大変捗りました。お陰で1ポチで本を書いまくってしまったのはまた別の話

こちらの本は、元々アプリケーション寄りのエンジニア業に初めて就いた友人に向けてオススメして頂いた本だったのですが、私自身もエンジニアとしてのキャリアが少なく、実地経験も毛が生えた程度だった為改めて読み込んでみる事にしました。

今回のまとめ

先に、簡潔に本について所感をまとめておきますと、

  • 普段インフラに触れる機会がほとんど無い人
  • インフラエンジニアになったものの、業務内容的にインフラがちょっと遠く感じる人
  • エンジニア人生がクラウドの上で始まった人

こういった場合、読めば読むほどに抜けていたインフラ知識が埋め合わせられていく感じがして オススメです。
個人的にオススメな読み方は、一旦ピンとこない単語があっても文章の意味合いが掴める場合は流し読み、分からない事や腑に落ちない事があった場合は2周目を丁寧に読み込み……と繰り返していく読み方が私の中ではしっくりときました。
「普段触っているものの奥にあるものがよく分かっていないのは 何となく気持ち悪い 」と感じる方には是非読んでもらえると良いなと思いました。私がその一人です。

この本の対象とされている読者

また、この本の中に対象者が以下のように記されていました。

ITに関わる仕事を始めて5年目くらいまでのエンジニア

この点でも、私は該当していた為「丁度良い塩梅の本かなぁ」と思いました。

自分の扱う領域については知見が深まりつつある中で、ITインフラ全般を学びたいという方

私は今、AWSについては知見を深めようと日々向き合っていますが、AWS歴 > オンプレミス歴となりそうな今改めて、ITインフラ全般の理解を改めて深めたいと思い読み始めました。

本の構成

この本の章立ては以下のようになっています。

  • 第1章「インフラアーキテクチャを見てみよう」
  • 第2章「サーバーを開けてみよう」
  • 第3章「3階層型システムを見てみよう」
  • 第4章「インフラを支える理論の基本」
  • 第5章「インフラを支える理論の応用」
  • 第6章「システムをつなぐネットワークの仕組み」
  • 第7章「止めないためのインフラの仕組み」
  • 第8章「性能を引き出すためのインフラの仕組み」

インフラの大枠を掴みながら、アーキテクチャ・サーバ・通信の仕組みと マクロからミクロ の視点へ向けて1章〜6章まで読み進めていき、基礎の理解が整ったところでインフラを使い倒す為のハウツーの話に入っていく構成で、とてもするっと読み進める事ができました。
それぞれの章の内容については君の目で確かめてくれ!という事にしたいと思うのですが、折角なのでこの本を読んでいる時に取っていたメモの中からネタバレにならない内容を抜粋しつつ、この本の良かったところをまとめていきたいと思います。

ここが良かった!「絵で見てわかるITインフラの仕組み 新装版」

絵が分かりやすくて良い! という事は本のタイトルからヒシヒシと伝わると思うので、それ以外のポイントで良かった点をあげていきます。

初学者が疲弊しない分量だった

分からない単語が出てきたり、読み進めるのが困難だったりすると本を読み進めるモチベーションが下がり易くなる事がありました。分からない単語を調べながら、その単語に関連する他の内容も調べ出したり……となると、キリがありません。 本に戻ってこれなくなります
この本は、全部で 376ページ と、ちょっと休みの日に手に取って読むのには丁度良い分量でした。
また、聞いた事がないような単語が出てくる場合には、内容の詳細を把握しなくても本文自体は読み進めていけるように書かれていた為に読んでいて完全に止まってしまう事はありませんでした。
この業界では当たり前のように飛び交う用語が簡潔に解説されている事が多く、検索で脱線する手間が省けたのも本に集中できて良かったです。
また深入りし過ぎそうなものは脱線し過ぎないよう「自分で調べてみてね」と書いてあり、その辺の判断も分かりやすかったです。

今となっては慣れてきた世界ですが、IT初学者からするとIT業界デビューしたて時は異世界のようでした。
慣れない世界で疲れがちな人でも、読破できると思います。

かといって、読み応えは抜群

私にとっては、この本の難易度は丁度良く、「何となく知っていたけどちゃんと理解できていなかったなぁ」と「ちょっと聞き覚えなかったけど今までの話と繋げて理解できた」と間をフラフラ彷徨いながら読み進める事ができました。
初学者からすると、噛み含めながら読んで学ぶ事が結構あるので それなりの読み応えがある筈 です。

この本の卒業タイミング

この本に対して疑問が湧き出るようになってきたら卒業のサインかなぁと思いました。
ここでいう疑問とは「内容がわからない」ではなく、「内容が薄い」「もっとここを掘り下げたい」といったタイプの疑問を想像してもらえると良いかなと思います。
実際、この本を読むと一回読んでわかった気分になれるのですが、「気分になれる」だけなのでここから何度か読み込むとガッツリ定着していきそうだと感じました。
読むたびに極値に収束する形で理解度が近づいていく感覚がします。

個人的オススメ章

私のオススメ章は、 第6章「システムをつなぐネットワークの仕組み」 です。
前職で軽くネットワークの仕組みについては学ぶ機会があったもののAWSで初めてネットワークに触れ、何となく通信の勘所を押さえているつもりになっていたので、この章で改めてネットワークの基礎を学び直す事ができました。
マスタリングTCP/IP を読む前だったので、この本が良いステップとなってくれました。

エンジニアデビューして間もない人にオススメです

インフラエンジニアはインフラだけを知っていればなんとかなる、という風に思っていた時期が私にはありました。
それをたしなめ、広い視野と広く浅いながらも今後ずっと使える知識を学ばせてくれた、身になる本でした。
今一度、自身のインフラ知識を整理して定着させる為に、今度は他の本と並行しながらもう一度読んでみようと思っています。

また紹介したいな!と思う本に出会えたら、書評を書いてみたいと思います。