Tableau Conference 2016 at Austin [基調講演レポート] Keynote: Tableau Devs on Stage
オースティンからこんにちは!DI部の川崎です。
Tableauの開発者自身がステージ上で新機能の発表を行う、Tableau Devs on Stageのセッションの模様をご紹介していきます。
昨年は、Christian Chabotのキーノートの中のコーナーとして設けられましたが、これが好評だったようで、今年は独立したキーノートセッションとなりました!当エントリではその内容について、テーマごとにレポートして行きたいと思います。
もくじ
- 開発責任者 Andrew Beers 登壇
- 新機能紹介 - Analytics/アナリティクス
- 新機能紹介 - Dashboards & Stories
- 新機能紹介 - Mobile
- 新機能紹介 - Data
- 新機能紹介 - Extensibility - 拡張性
- まとめ
アメリカを除く(たぶんカナダも除く)海外からの参加者で、イギリスの次に参加者が多いのは「Japan」でした!堂々の2位です。
始まります。
開発責任者 Andrew Beers 登壇
最初に、Tableau の開発責任者、Andrew Beers が登壇して、5人の開発者を壇上に上げて紹介します。
Devs on Stageの始まりです!
新機能紹介 - Analytics/アナリティクス
1人目の開発者、Maraki Ketemaが「アナリティクス」に関する新機能を紹介します。
Automatic Drill
選択したレベルで地図を自動的に表示する機能が追加されます。州レベルを選択すると、全米の地図が表示され、
カウンティー(郡)を追加すると、詳細なマップが自動的に表示されます。
Map Scale
全米の地図を表示している時は、州単位の値が表示され、
ズームインして地図を拡大すると、自動的に下位レベルの値が表示されます。郵便番号(post code)レベルまで展開可能になりました。
Spatial File Connector
Spatial(空間情報)Fileのコネクターが追加されました。10.2 betaで利用可能とのことです。
Python Integration
Tableau上でPythonスクリプトが計算式として記述出来るようになります。データ解析系では、Python使いの人が多いので、これは嬉しいのではないでしょうか。
Tooltip Selection
Tooltipの項目をクリックして、ハイライトの項目を変更することができるようになります。
Fliter Presets
日付ディメンションの値が、自動的に最新の日付に追従するようになりました。元データが変更されて、それをTableauで更新すると、データセットの中の最新の日付に対応した項目が自動的に追加されます。
Novenber 8の項目が、自動的に増えました。
Presetsのラジオボタンに「Latest date value」が追加されました。このボタンを有効にするだけで、利用することができます。
Step Lines and Jump Lines
Step Lines / Jump Linesの機能が追加されます。
Step Line。
こんなアートな図も描けます。
Legend per Measure
これまで、凡例は全メジャー共通になっていましたが、メジャー毎の凡例表示が可能になりました。特に指定しなくても、自動でやってくれるそうです。
以上が「アナリティクス」に関する新機能でした。かなり盛りだくさんの内容でしたね!
新機能紹介 - Dashboards & Stories
2人目の開発者、Steph Dietzelが「ダッシュボードとストーリー」に関する新機能を紹介します。
最初に、キレイにデザインされたグラフィックの例が提示されました。Tableauも、このグラフィックのように、デザインの専門家でなくても簡単に美しいグラフィックが表示できるようにしていく、とのことです。
Distribute Evenly
等分にレイアウトをする機能が追加されました。今までは幅がバラバラになっていました。
Margin and Padding Control
キレイな余白(マージン、パディングを区別)して指定できるようになります。
Borders
線の種類が選べるようになります。
Expressive Text Editor
ロゴ画像をテキストの代わりに利用可能になります。「Heathrow」の「H」を削除して、
デザインされたロゴ画像の「H」を指定します。
Web Authoring Updates
Tableau ServerやTableau Onlineではブラウザを使って表示・操作を行いますが、Web Authoringの機能が追加され、様々なことが新たにできるようになっています。
Story Points on the Web
Tableau ServerやTableau Onlineでも、Story Pointsの機能が追加されました。
Story Points Navigator Styles
Story Pointsのナビゲーション方式を、下記の3つから選択できるようになりました。
「Numbers」を選択したところ。
以上が「ダッシュボード&ストーリー」に関する新機能でした。
新機能紹介 - Mobile
3人目の開発者、Britta Nielsenが「モバイル」に関する新機能を紹介します。実際にスマホを使ってデモを行います。
Direct Linking
スマホに届いたメールから、一々パスワード入力しないでモバイル向けのダッシュボードが利用可能になります。
Smooth Tooltips for Mobile
モバイル専用に、画面の下部にTooltipsを表示できるようになります。
Commenting
スマホから、コメントを書き込み可能になります。
Emoji(絵文字)も入力できます。
Offline Interactivity
「機内モード」で接続断しても動作する、というデモです。ネット接続が無くても、オフラインで利用できるようになるとのことです。
Feburuaryを選択します。
以上が「モバイル」に関する新機能でした。
新機能紹介 - Data
4人目の開発者、Zaheera Valaniが「データ」に関する新機能を紹介します。
Join Calculations
テーブル結合時の条件に、項目を連結させた式を使う事が可能になります。(名前 = 性 + 名、等)
Database Union
ファイルでの「Union」と同様に、DB上の異なるテーブルデータを1つのテーブルとして扱う事が可能になります。
PDF Connector
個人的に一番興味をひかれたのが、この新機能です。PDFの内容を、Tableauが自動的に解析して、データとして利用できるようになります。日本語が通れば、早速使いたい人はたくさんいらっしゃるのではないかと思いました。
アメリカ政府からPDFで提供されたこのデータも、
ページ単位で、Tableauに取り込まれます。
全選択して、ドラッグ&ドロップすると、1つの統合されたデータとして利用可能です!
JSON Connector
JSONコネクターの機能が追加されました。これは、既にリリースされた10.1の機能になります。
以上が「データ」に関する新機能でした。
新機能紹介 - Extensibility
5人目の開発者、Ben Lowerが「拡張性」に関する新機能を紹介します。
Server Client Library
APIを利用して、GUIからでなくても、データソースの指定が可能になります。
Document API
No more XML Hacking...!
ということで、XMLの内容をハッキングしなくても、データの利用が可能になります。
REST API: High Resolution Images
REST API経由で、ハイレゾの画像が利用できるようになります。
REST API: JSON & CORS Support
REST APIで、JSON形式やCORS形式が利用できるようになります。
Web Data Connector: Multi Table Support
Web Data Connectorに、複数テーブルのサポートが追加されます。
getData(): 3rd Party Charting Libraries
サードパーティのJavaScriptライブラリが利用できるようになります。デモでは、D3で作成したグラフィックが表示されていました。
Mobile App Bootstrap
自作のモバイルアプリに、Tableauの機能を取り込める「Mobile App Bootstrap」の機能が追加されます。
以上が「拡張性」に関する新機能でした。
まとめ
昨年のDevs on Stageで発表された内容もそうでしたが、 今回ご紹介した機能は、今後のTableauの新バージョンで、 開発の完了したものから順次追加されていくと予想されます。
明日、明後日も、いくつかのセッションに参加して、その模様を後日ブログに投稿する予定ですので、そちらもご期待ください。
以上、オースティンからお届けしました。