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【書評】AWSによるサーバーレスアーキテクチャ

2018.04.13

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こんにちは、サーバーレス開発部の夏目です。

AWSによるサーバーレスアーキテクチャ

3月14日に翔泳社から発売されたAWSによるサーバーレスアーキテクチャです。
読んでブログ書くまでに一月かかってしまいました。筆が遅いのはどうにかしたいです。

サーバーレスの世界的カンファレンスであるServerlessconfのオーガナイザーであるPeter氏が書いた「Serverless Architectures on AWS」を、Serverlessconf tokyoの運営を行った吉田真吾さんが監修して日本語訳された本です。
実はこの本、昨年Serverlessconf Tokyo 2017で行われたワークショップが元ネタらしいです。
書籍「AWSによるサーバーレスアーキテクチャ」を監修しました

特徴: 実際に手を動してみよう。書いてないことも自分で考えてやってみて。

この本では、動画配信サービスをサーバーレスで構築することを目標に進めていきます。
Amazon Elastic Transcoderで動画変換したり、Auth0を使って認証したり、Firebaseにメタデータを格納したり、とAWS以外のサービスも使いながら動画配信サービスを作っていきます。

サービスの設定やLambdaのコードなど非常に手を動かすことが多いです。
しかし注釈付きの画像も多く、コードもGitHubに上がっているので非常にわかりやすいと思います。
手順については付録の方にも詳しく書かれているので、手を動かし始める前に目次から付録で何をしているのか確認しておいた方がいいでしょう。
(実際、付録の中にAWS CLIのインストールと設定などのセットアップ手順があります)

基本的には書いてある通りに実装していくのですが、途中の章から最後に演習問題がついています。
演習問題はその章で学んだことを確かめるためだったり、作っているサービスをよりよいものにするためのものです。

個人的に気に入ったことは、その答えがどこにも書いてないことです。
付録の中にもないですし、GitHubのサンプルコードの中にも書いてありません。

いやいや答えが無いのなら役に立たないじゃん、そう考える人が多いとは思います。
でもそれがいいんです。
答えが書いてないから、自分で考えないといけないし、それが正しいと思えるだけの理由も用意しなきゃいけない。
だから、この演習問題は自分がステップアップするためには非常に良いものだと考えています。

ここが好き: 情報量が多い

実際に手を動かしながら学ぶこの本ですが、情報量も非常に多いと思います。

随所にちりばめられたColumnやサービスに対する説明など手を動かす以外の学びも非常に多いです。
AWS Lambda, API Gateway, S3については基本的な機能から応用的な使い方まで、動画配信サービスで使わないものについても詳しく記載されています。

少し戻りますが第2章ではサーバーレスのアーキテクチャとパターンについて非常に詳しく書かれています。
サーバーレスのアーキテクチャとしては何があってどういった特徴があるのか。
ではそのアーキテクチャを使っていくためにどういったパターンがあって使うべきときはいつなのか。

サーバーレスをしていく上でも、それ以外であったとしても非常に役立つので必見です。

まとめ

サーバーレスを勉強する上で非常に役に立つ本です。
サーバーレス全体のアーキテクチャを学び、実際にアプリケーションを構築することで多くのことを学べます。
私は繰り返し読むのもいいと思います。より多くのことを身に着けた後では演習問題へのアプローチも変わっていくかもしれないので。