iOSDC Japan 2025 セッション視聴感想-Day1

iOSDC Japan 2025 セッション視聴感想-Day1

2025.09.22

はじめに

リテールアプリ共創部所属、iOSエンジニアのharukaです。
やっと少しずつ涼しくなってきて夏バテも解消されつつあり、嬉しい今日この頃です。

今回、会社からiOSDC Japan 2025(9月19日〜21日開催)へのオンライン参加の機会をいただきました。学んだ内容を記録しておくとともに、皆さんにもシェアできればと思います。

iOSDC Japan とは?

iOSDC Japan 2025はiOS関連技術をコアのテーマとした、ソフトウェア技術者のためのカンファレンスです。会場は有明セントラルタワーホール&カンファレンスですが、トークセッションについてはオンライン配信も予定しています。
iOSDC Japan 2025公式サイトから引用)

TrackD-ハイパフォーマンスなGIFアニメ再生を実現する工夫 by noppe

発表者:noppe さん
紹介ページ:https://fortee.jp/iosdc-japan-2025/proposal/ab24be40-5e30-40c2-8eff-a2e691f10865

わかりやすく実用的なセッションでした。
使用した技術が特段複雑なものではなく、誰でも実現できる工夫である点が素晴らしかったです。

低レイヤーAPIは難しい印象がありましたが、コード例を見ると意外にシンプルで実装できることがわかり、新たな発見でした。

スライド内でスライダー移動により異なるフレーム数の動作をリアルタイムで確認できるデモは、効果が視覚的にわかりやすく印象的でした。
あのデモの実装方法も気になるところです。

応用ポイント:アプリでのGIF画像表示最適化に参考になりそうです。

Track C-ユーザー数10万人規模のアプリで挑んだトップ画面のUI刷新

発表者:小林 俊哉 (とち) さん
紹介ページ:https://fortee.jp/iosdc-japan-2025/proposal/097a38e9-d827-4c15-8094-7c8fe37f03f6

技術的な話だけでなく、プロジェクトの進め方そのものが非常に参考になりました。
動画が公開されたらぜひチームメンバーにも見てもらいたいと思います。

特に革新的な技術を使っているわけではないのですが、全てのステップを本当に丁寧に実施されている点が印象的でした。3種類のアンケート設定、ロールバック率を基にした判断、フィードバックを活用した改善など...当たり前のようで実際にはなかなか徹底できない部分まできちんと対応されていて、とても感銘を受けました。

また、WebViewが画面遷移の障害になるという話には大変共感できました。便利な反面、長期的に見るとやはりネーティブでの実装が重要だなと改めて感じました。

応用ポイント:大規模なUI変更を行う際の段階的リリース手法として、ぜひ参考にしたいと思います。

Track B-そろそろ FormatStyle

発表者:treastrain / Tanaka Ryoga さん
紹介ページ:https://fortee.jp/iosdc-japan-2025/proposal/0ddc6419-b3e5-4c88-889e-0ddfabc24be3
(スライドあり)

実用性が高く、体系的にまとめられた素晴らしいセッションでした。
普段は必要な時に調べて使っていたのですが、ここまで網羅的にまとめていただけると本当に助かります。

URLもFormatStyleの対象だったとは知らなかったので、新しい発見でした。
通貨記号がデバイス設定に応じて自動で変わるのは大きなメリットですが、逆に「全環境で統一表示したい」場合は従来通り文字列で組み合わせる必要もありそうだと感じました。

応用ポイント:アプリ内の各種フォーマット処理を見直してみようと思います。

Track A-世界の人気アプリ100個を分析して見えたペイウォール設計の心得

発表者:Akihiro Kokubo さん
紹介ページ:https://fortee.jp/iosdc-japan-2025/proposal/c06d6589-0bb2-4ac4-9648-d6d187a53154
(スライドあり)

個人的に非常に興味のあるテーマでした。
個人開発での有効な収益化(広告以外)は本当にわからない領域なので...これはどちらかというと消費者心理学の話かもしれませんね。

エンジニア視点での分析とまとめがとてもわかりやすく構成されており、適度なユーモアも効果的でした。
計測システムの障害で予定していたデータが見られなくなったエピソードは本当にお気の毒でしたが...少し笑ってしまいました。過去に似たような経験があるので、あの辛さがよくわかります。

海外と日本の傾向の違いをデータで確認できたのは興味深かったです。なんとなく予想はできていましたが、数字で見ると改めて驚かされます。

結論は「アプリに応じてケースバイケース」でしたが、各パターンや要素が整理されており、実際に取り組む際の参考になりそうな内容でした。

応用ポイント:収益化施策を検討する際の参考資料として活用できそうです。

Track A-Swiftビルド弾丸ツアー - Swift Buildが作る新しいエコシステム

発表者:giginet さん
紹介ページ:https://fortee.jp/iosdc-japan-2025/proposal/c740120d-d52f-4100-986b-a24e8f0d3b87

理解しにくいビルドエラーに遭遇した際、ログでClangやldを見かけることがあるため、個人的に気になるテーマでした。

始まる前は「理解できるかな...」と不安でしたが、とてもわかりやすく説明していただけました。
XcodeプロジェクトとSwift Packageでビルドパイプラインが異なることなど、知らないことがたくさんありました。

図を使った説明でビルドの流れを体系的に理解することができました。スライドが公開されたらぜひもう一度見返したいと思います。
個人的にはもう少し時間があると嬉しかったですね。より詳細な部分まで聞きたくなるほど興味深い内容でした。

応用ポイント:ビルドエラーに遭遇した時、より深い理解を持って対応できるようになりそうです。

Track C-カスタムUIを作る覚悟

発表者:まつじ さん
紹介ページ:https://fortee.jp/iosdc-japan-2025/proposal/c5ee3a90-1624-4912-8e52-c8049869d3b8
(スライドあり)

iOS26のデザイン変更でカスタムUIが追従できず、全てを捨てることになったという結末のインパクトが大きすぎて、そこまでの内容がぶっ飛んでしまいました。
これが覚悟...!

以下の結論に全面的に同意します:

  • カスタムUIの開発は大変
  • メンテナンスも大変
  • しかし終わりは突然やってくる

標準コンポーネントは、気づかないところで多くの恩恵を提供してくれることを改めて実感しました。標準を使うだけで、様々な環境で自動的に適切に動作してくれます。
自分で実装すると思わぬところで不具合が起きるリスクもありますしね(経験済みです)。

それでも、カスタムUIが必要な場面は確実に存在します。
その時が来たら...いつか全てを捨てる覚悟を持って挑もうと思います。

応用ポイント:UI設計時の技術選択において、より慎重な判断ができるようになりそうです。

Track C-App Clip 5年史: 萌動と停滞のクロニクル

発表者:log5 さん
紹介ページ:https://fortee.jp/iosdc-japan-2025/proposal/13904e65-88ab-4243-8755-731174cbc3ec
(スライドあり)

App Clipは知っていましたが開発経験がないため、興味深く視聴させていただきました。

2024年5月にスターバックスがApp Clipを採用して1900店舗に拡大したのがピークで、そこから一気に雲行きが怪しくなったのが印象深かったです。WWDCに2年連続でセッションが組まれていないというのも、現在の立ち位置を表していますね。

GoogleのInstant App提供終了のニュースで締められる構成も興味深かったです。
個人的にはApp Storeに直接表示されないことも、存在感の薄さの一因かもしれません。

応用ポイント:技術採用時のリスク評価の参考として活用できそうです。

終わりに

今回のiOSDC Japan 2025参加を通じて、iOS開発の最新動向と実践的な技術について本当に多くのことを学ぶことができました。

特に印象的だったのは、どの発表者さんも「実用性」と「メンテナンス性」を非常に重視されていた点です。
連続でセッションを視聴すると集中力を保つのが少し大変でしたが、どのスライドもよく工夫されており、わかりやすく構成されていました。

学んだことは今後の開発業務に活かしつつ、社内での知識共有も積極的に行っていきたいと思います。

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