【JDMC】「データマネジメント概説書」のあるある集

2016.06.08

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こんにちは、川崎です。「データマネジメント概説書」を読んでいて、「データマネジメントあるある」とでもいうべき、金言集がありましたので、ご紹介したいと思います。

「データマネジメント概説書」は、コンパクトにまとまっていて読みやすいので、日頃データ分析に取り組んでいる方は、ぜひご一読ください。 (Kindle版で、400円ほどです。アマゾンプライムの会員の方は無料で読めます)

データマネジメント概説書(JDMC 版): ビジネスとITをつなぐ-データマネジメントとは [Kindle版] http://www.amazon.co.jp/dp/B00UC7NC92

(1.3 データマネジメント実現の課題 より引用)

部分導入を繰り返してきた歴史から、全体設計ができているという錯覚に陥る

企業/組織を全体としてつなぐのは本来情報である。しかし、業務ごとにシステム導入が積み上げられてきた経緯から、 全体視野での情報の設計は不十分、または現在では不適切になっていることも多い。 にもかかわらず、日々の業務が運用されているという理由で、データマネジメントが成されていると錯覚 してしまう。

→ 会社では、複数の情報システムを使い分けて、業務を遂行されていらっしゃる方が大勢いると思います。 日々の業務は、多少なりとも問題があるにせよ、業務は回っているのだから、データマネジメントの全体設計ができている、と認識してしまうところに、落とし穴があります。部分最適の積み重ねが、全体最適になっているかというと、そんなことは無いというのが実情だと思います。

データ構造は建物のようには見えない

データ構造は、建物のように誰の目にもみえるようには示されていない。 建物の場合であれば、間取りが実情と合わない、外壁にひびがあるなど、 何をすべきか合意も対処も容易である。しかし、データ構造は目に見えにくく、 問題を合意すること自体が困難である。 これは、データの責任管理の問題につながる。 建物全体の管理は、設備管理の範疇だが、日々の活動の中で常に快適な 作業環境を維持する責任は利用者にある。 フロア内の什器や席の配置を決めているのも利用部門のことが多い。 データについても同じように情報システム部門と事業部門の責任分担がある。

→ 私などは、思わずひざを打ってしまうフレーズです。「データ構造は建物のようには見えない」 はい、みなさんご一緒に。「データ構造は建物のようには見えない」その通りです。

全部やろうとするからいけない

情報は活動する上での血液として企業/組織をめぐるので、 データマネジメントに関する業務範囲や関連部門が広くなる。 また、対象となるデータは過去の蓄積から膨大にある。 このため、後からデータを整理するのは、非常に困難である。

そのため、もう二度とやらなくてすむように、全部きれいにしてしまおうと考えるのだが、 これがかえってうまくいかない理由である。 費用と時間と合意の全てについてほぼ確実にその量に負け、 結果的に断念せざるをえなくなる。 期待効果を明確にした部分的な導入を、真剣に考えなくてはいけない。

→ これも、真理をついた言葉だと思います。 データ分析は、常にスモールスタートを心がけていきましょう!

最後に、JDMCの「データマネジメント構成要素」の図をご紹介します。データマネジメントの全体は、非常に広い領域にまたがりますが、このような背景を押さえた上で、スモールスタートが必要、ということではないかと思います。

データマネジメント構成要素