青山公士氏著「ドラゴンクエストXを支える技術」を読んでみた

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

現在サービス中のMMORPG「ドラゴンクエストX」に関する技術書籍が刊行されました。電子書籍によるKindle版の配信も併せて行われています。

Amazon.co.jp:ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)

ドラゴンクエストX、及び今回刊行された書籍の筆者、及び書籍の特徴について、実際に購入及び読了した上で触れてみます。

ドラゴンクエストXについて

ドラゴンクエストシリーズのナンバリングタイトル10作目にして、オンライン専用タイトルです。

今年4月に掲載された「開発・運営だより -第41号- 」にて

サービス開始当初に「10年間続けたい」と発言していた

とありつつ、既に6年の歳月が経過しています。対応プラットフォームにも変化が現れており、現時点では以下の通りとなっています。日付は開始日です。

WiiU
2013年3月30日
Windows
2013年9月26日
Nintendo 3DS
2014年9月4日
PlayStation4
2017年8月17日
Nintendo Switch
2017年9月21日

なお、Wii版は2017年11月15日をもって終了しています。

公式サイト:目覚めし冒険者の広場

「ドラゴンクエストXを支える技術」筆者について

筆者の青山公士氏は、元ドラゴンクエストXのテクニカルディレクターで、現在同作プロデューサーを務めておられます。

プロフィール詳細については今回刊行の書籍で触れられているので、気になる方は是非購入してみてください。

「ドラゴンクエストXを支える技術」について

目覚めし冒険者の広場トピックス: 技術評論社「ドラゴンクエストXを支える技術」

技術書でありながら、非技術者にも分かりやすくDQXというオンラインサービス成り立ちについて噛み砕いて説明されている内容となっています。技術者にとってはドラゴンクエストXというオンラインサービスの構成要素がよく分かる書籍です。

ゲームプログラミングのカテゴリにおいて、発売開始時ベストセラー1位でした。

既刊のアストルティア創世記がゲーム内コンテンツに沿って歴史を辿るファンブックであるとするなら、当書籍は運営チームが開発及び運用に携わった過程に沿って歴史を辿るファンブックに等しい内容だと思います。

目次

  • 第1章 ドラゴンクエストXとは何か ── ドラゴンクエストかオンラインゲームか
  • 第2章 開発・運営体制 ── ドラゴンクエストXを支える人々
  • 第3章 アーキテクチャ ── クロスプラットフォームMMORPGの基本構成
  • 第4章 開発と検証 ── 並走する追加と保守のサイクル
  • 第5章 メモリ管理 ── MMORPGのボトルネック
  • 第6章 ゲームクライアントグラフィックス ── 魅力的な絵を描画する工夫
  • 第7章 ゲームサーバプロセス ── 機能ごとに分離して負荷分散
  • 第8章 キャラクター移動 ── 移動干渉による押し合いへの挑戦
  • 第9章 ゲームDB ── ワールド間の自由移動を実現する一元管理
  • 第10章 ゲーム連動サービス ── ゲーム内とつなげるための工夫と力技
  • 第11章 運営と運用 ── リリースしてからが本番!
  • 第12章 不正行為との闘い ── いたちごっこ覚悟で継続対応

via:ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)

発売記念トークセッション

Youtubeに上がっています。気になる方は視聴をお勧めします。

関連特集

書籍内でも触れられていますが、過去に発行されたWEB DBPRESSにてDQX特集が掲載されています。今回の書籍と内容が重複する可能性はありますが、他にも幾つもの特集が掲載されており、気になる方は手にとってみるのもありだと思います。
gihyo.jp: WEB+DB PRESS Vol.90

また、AWSのサービス導入事例もあります。併せて読むと理解が深まる可能性があります。
aws.amazon.com: AWS 導入事例 株式会社スクウェア・エニックス

Kindle版について

携帯性を優先したかったことと、Kindle版配信時刻等が気になったこともあり、電子書籍版を選択してみました。配信は日付変更直後に行われました。配信タイミングは書籍にもよるとは思いますが、利便性の高さも相まってとても快適です。

Kindle Paperwhiteでは目次が各章冒頭にリンクしていて、しおりと併せる事で気になった部分の振り返りも行いやすいと思います。

まとめ

WiiU版のβから本格的に始めたプレイヤーの一人として、過去のDQXTVにて青山氏が執筆に取り掛かっていると告知が行われて以来、心待ちにしていた一冊でした。

実際に読了してみて、プレイヤーとして楽しんでいる場合は遊んでいるコンテンツの裏側について説明されている点と、改善されたことを実感したアップデートがどの様に行われていたのか等でより楽しめる一冊になると思います。

現時点でプレイヤーではないとしても、

  • バージョン管理や検証の体制
  • Oracle Exadataのアップデートに纏わる話
  • ゲーム内とゲーム外の連携を行っている仕組み

等、なかなか見ることのできない内容で、手にとっても損はしないと思います。